東芝の不正会計問題が取りざたされてますね。

当ブログでは、日本の家電メーカーの凋落ぶりを今まで、散々取り上げてきたわけですが、なぜこんなことが起こるのか、当ブログが独自に唱えてきたのは、その裏に潜む、”人間のど真ん中の本当のワケ”です。そして、それを教えてくれたのは、意外にも世界中の誰もが知っている名作戯曲だったのです。

組織を引っ張るべき”本当のリーダー”とは

東芝、会計管理の呆れた実態不正を誘った究極の社内論理

こんな記事がありました。

お上がただただ威張って、無理難題を言い、部下に責任を押し付ける。組織がこうなってはもう、どうにもなりません。下手に勇気をもって発言なんてしようものなら、たちまち排除されてしまいます。しかし、なぜ、そうなってしまうのでしょうか。

それは本当のリーダーになれる器の人間が、組織のトップにいないから、なのです。では、本当のリーダーとはなんでしょうか。

リーダーとは「責任をとる覚悟がある人」のこと

ダイヤモンド・オンラインにこんな記事が出てましたが、こちらの筆者の方が言うことは、当ブログがこれまでに伝えて来た事と一緒だと思います。

ごく簡単にまとめると、「自然と人がついてくる人」が真のリーダーだってことです。リーダーにとっての資質として、責任の取り方が記されていますが、失敗の責任を部下に押し付けるような人はリーダーとは呼べないということ。これは誰でも理解出来ることですよね。

 

なぜ東芝の役員はリーダーの器でないのか

これは簡単な話なんですが、「自然と人がついてくる人」が会社の組織のトップにいないからです。では、東芝ではどうやって、組織のトップが決まるのでしょうか? これも単純な話ですが、上が上を決めている訳ですよね。要は自分の言うことを聞く人を、出世させているのです。リーダーの能力がある人を責任あるポジションにつかせるのではなく、「自分に逆らわない人」、組織のためでなく、「私のために働く人」、「自分の地位を脅かさない人」を選んで出世させている。

そりゃあ、東芝の役員が部下を大事にしない、責任を取らないというのも、当然のことかもしれません。だって、元々自己保身だけの人が出世する仕組みになっているのですから。当然のお話なのです。

 

 

そんな社会組織の普遍性を表現するのが『リア王』

これは東芝だけの変わったことかというと、そうは思いません。日本全国、そんな会社がほとんどだと言ってもいいくらいかもしれませんね。そんな組織の普遍的な悪しき性質を表現したのが、シェイクスピアの『リア王』です。

老王「リア」はおべっか遣いの長女と次女に自分の跡を継がせ、国のために真心で苦言を呈した三女を放逐してしまいます。結果、リアは長女と次女の裏切りに会い、国は亡ぶのです。

どうでしょう。東芝にそっくりだと思いませんか? きっと『リア王』を読めば、今回の東芝の件は、ごく当たり前の成り行きと言うことに気づかされるでしょう。

 

自分のリーダーは自分で選ぶのが自然

「この人ならついていける!」その気持ちの通りに行動する、できる。これが自然で人間的なことじゃないでしょうか。

当ブログが独自に踏み込んで伝えてきたのは、現代サラリーマン社会は、リーダーを輩出する仕組みが、自然の法則とは逆になっているぞということです。そんな不自然な仕組みに無理やり屈服せざるを得ないという状況は、文明的仕組みに人間性が敗退してしまっているということになるのです。

文明社会における人間性の敗退、これが東芝衰退の「真のわけ」かもしれません。

「企業発展のためには、肉親でも何でも、人間的なものを一切、犠牲にし、置き忘れてしまってしまっていいものでしょうか、人間性を置き忘れた企業は、いつか、何処かで必ず、躓く時が来るというのが、私の信条です」

-『華麗なる一族』- 山崎豊子作

最後にこんな言葉を添えておきます。

追記

この記事を公開したのは、2015年7月21日ですが、その10日後に一冊の本が発売になったのですが、最近、その中身を知ってとても驚きました。

当ブログの「脱リア王論」を実践し、成功を収めている会社があったのです。それは世界のトップ企業、かの「google先生」だったのです!

「google」先生の人事が当ブログの「脱リア王論」を実践していた件