ドラギが12月の会合での追加緩和を示唆

昨日の理事会でヨーロッパ中央銀行のドラギ総裁が、12月の会合での追加緩和を示唆し、株価は急騰しました。

ECB、12月の追加緩和示唆 利下げ含め「あらゆる手段」検討

                       -ロイター-

以前より、当ブログではドラギ総裁の剛腕というか、「俺についてこい」的なその男らしいリーダーシップに注目しており(ドラギの「男気」が世界経済を救う!)、今回再びそんな男気がさく裂したようです。

 

一般的には「ドラギ・マジック」と呼ばれていますが、私的には「ドラギの咆哮!」とか「ドラギの一喝!」とかの方が、イメージに合いますね(笑)。

なぜ「マジック」と呼ばれるかというと、実際にはまだ何もやっていないのに、「やるぞ!」という号令だけで、株価を大きく動かすからです。これは特筆すべきことだと思います。

 

「ユーロを守るためなら何でもする」

 

というたった一言で、ユーロを崩壊の危機から救ったことは有名な話ですが、言葉だけで相場、つまり人の心を動かすということは容易なことではありません。マーケットは時に女心、これは間違いなくドラギに惚れています(笑)。

 

それに対して、日本の安倍首相は、「経済! 経済! 経済!」と連呼しても、全く無視され、昨年なんて、海外で日本への投資を呼び込む講演を行った次の日から株価が暴落するなど、散々です。また、日銀の黒田総裁も実弾を放ったときは別ですが、昨年は会見の度に暴落、現在はほぼ無風と、完全に相場にフラれています(笑)。言葉の影響力なら、麻生大臣の方が上のようです。

 

「インフレ」はやがてやってくる

まあ、それはおいておいて、ドラギのような言葉で心を動かせる、所謂カリスマが中央銀行の総裁である以上、マーケット、世界経済が大きく悪い方向へ進みだすということはあり得ないんじゃないでしょうか。

 

そして、もう一つ、兄貴が「次はぶっ放す!」としたその理由はなんでしょうか? それは”インフレ”にならないからです。それどころか、再び景気減速、デフレに向かっている症状が出ているということで、政策発動となるわけです。

が、しかし・・・、相場とは常に人々の常識とは逆に動きます。「もうインフレにはならない」、世界中の人々の認識がそう固まった時、静かに、急速にそれは動き出すのではないか・・そう思えて仕方ありません。なぜなら、それが、マーケットだからです。

 

期待が高まっているようですが、黒田総裁も追随して、金融緩和を行うのでしょうか。そして、アメリカFRBのイエレンは、利上げ出来ない論が高まる中、どうするのでしょうか? イエレンもまた、「マーケットに愛された人」です(今のところ・・)。どちらにしろ、それでマーケットが壊れることはないでしょう。

もし、利上げもさらに先送り、ということになれば、世界中にお金がじゃぶじゃぶに余る状態がさらに拡大。そうなれば、そう遠くない未来に止まらないインフレがやってくる可能性は十分高いのではないでしょうか。それは合理的にわかるようなこと、という気がします。

 

ともすると、コーヒー1杯3,000円! なんて世界が少し先の未来にやってくる可能性も少しだけ頭においておくのも悪くはないかもしれません。コンビニで100円でコーヒーが飲めるなんて、もしかしたら、今だけのほんの一瞬のこと、かもしれません。