利上げに関する当ブログの予想が的中!

 12月16日、米FRBはFF金利の誘導目標を0.25━0.50%に引き上げることを決めた。写真は会見で記者の質問に答えるイエレン議長。ワシントンで16日撮影(2015年 ロイター/Jonathan Ernst)

12月16日、米FRBはFF金利の誘導目標を0.25━0.50%に引き上げることを決めた。写真は会見で記者の質問に答えるイエレン議長。ワシントンで16日撮影(2015年 ロイター/Jonathan Ernst)

 

昨日のFOMCでアメリカFRBが9年半ぶりの利上げに踏み切ることを決定しましたね。

「今年は利上げ出来ないんじゃないか?」

「利上げしたら暴落するんじゃないか?」

そんな市場関係者の声も多い中、当ブログでは、早期から一貫して

「イエレンは早々に利上げに踏み切り、その大仕事を成功裏に収める」

と主張してきました。

イエレンの華麗な利上げは12月か!? ~マーケットとは相思相愛~

続・イエレンの「優しさ」が世界経済を救う! ~利上げは容赦なく?~

その予想は昨日のマーケットの動きを見る限り、的中したと言わせてもらってもいいのではないでしょうか。当ブログで経済の先生と紹介している朝倉慶さんもラジオで、

「FRBはかつてないほどの見事さで利上げを成し遂げた」

と言ってましたね。おこがましいですが、当ブログでは先生よりもだいぶ早く、そうなることをお伝えしてたんですよ(笑)。

その的中記念に、どうして、経済の専門家でもない私がそんな予想が出来たのかという、その理由を書いてみたいと思います。専門家には決してない強みが当ブログにはあると思ってます。

マーケットは「イエレン」その”人”を見ている

「利上げ後にマーケットがどう動くかわからない」

そのように言う市場関係者が今回多かったです。見方も五分五分に分かれており、まさに不透明という状況だったわけです。しかし、私は僭越ながら、このような結果になることを確信していました。イエレンは”華麗に”利上げを遂行する、と。

今回、動きがわからなかったという関係者は、おそらく「利上げ」その物を見ていたのではないでしょうか。利上げ後のアメリカ、世界経済がどう動くか? そんなことははっきり言って、エスパーでもない限り、投資家や専門家にだって分かるはずがないのです。

今回の利上げ発表直後にも、株価は一時売られたようです。ですが、イエレンの記者会見後に株は高騰しました。これも当ブログの読み筋で、つまりは、マーケットはわからない利上げ後の経済の行方ではなく、イエレンが「どう考え、どう言うか」を注視していたのです。

彼女は、市場にそれほど影響力をもった人なのです。彼女はマーケットから愛され、尊敬されているのです。私の予想の勝因はこのことに気がづいた、ということなのです。

イエレンの成功はビジネスのお手本

イエレンはアメリカの7年ぶりの利上げという大仕事を華麗に遂行しましたが、この大仕事はビジネスマンにとっても、非常に参考になるのではないでしょうか。

丁寧な対話で信頼を集め、周りを味方につけて、成功への道筋を作り、有言実行

うーん、素晴らしいです。彼女は、稀代のスーパーFRB議長であることは間違いなさそうです。当ブログでは彼女を尊敬を込めて「イエレン先生」と呼ぶことにしました(笑)。

 

利上げを受けた日銀の動きは?

さて、イエレンを持ち上げるのは、このくらいにしまして、日本に話を移します。今回の利上げを受けて、日銀は今後どう動くのだろうか? ということを考えてみたいと思います。

日銀への金融緩和の期待は最近ではめっきり減ってしまっておりますが、先日、気になる記事をロイターで見つけました。安倍首相の経済ブレーンの浜田宏一内閣官房参与のインタビュー記事です。この中で浜田さんはこのようにおっしゃっております。

ドル/円が130円に近づくような展開になれば「追加緩和は必要ない」

-ロイター-

直近では浜田さんは繰り返し、「120円以上の円安は必要ない」と言っていたと記憶しているのですが、なぜ急にここにきて、130円という数字を出してきたのでしょうか。これは裏を返せば、130円に近づくような展開にならなければ、追加緩和は必要だと言っているようにも見えるのですが・・。

 

また、先日ECBのドラギ総裁が市場の期待を大きく裏切り、株の暴落を招きました。

→ECB、「ドラギ」兄貴、豪快にフラれる!

これには経済評論家の山本伸さんもブログで「納得がいかない」とおっしゃっています。つまりは、ドラギの追加緩和はそれほど、”しょぼい内容”だったのです。ドラギはなぜそんなしょぼい緩和しか出せなかったのでしょうか? 彼はマーケットの期待がわからないような無能な人物ではないはずなのですが。

推測の域を出ないのですが、私はそれには今回の利上げに絡む事情があったのではないかと思っています。つまりは、利上げ前のドル高に対する配慮もしくは、アメリカからの圧力です。

 

黒田総裁は躊躇なくぶっぱなす、はずでは・・?

金融緩和期待の強かった10月の2回の日銀の会合で黒田総裁は金融緩和を見送りました。

それは、

「情勢が悪ければ躊躇なくぶっぱなす!」

としてきた黒田総裁の言葉と矛盾する物でした。彼は、イエレンのようにマーケットから信頼されているわけではないと思いますが、「躊躇なくぶっぱなす」ことに関しては疑いの余地はないようです。すると、10月にぶっぱなせなかった理由としては、ドラギと同様に利上げへの配慮、もしくはアメリカからの圧力があった可能性は捨てきれないのではないでしょうか。

「緩和ををするな!」では行き過ぎでも、「利上げまで待ってくれ」という交渉は、十分現実的とも考えられます。今回の利上げの遂行により、躊躇の理由がなくなった可能性には注目しておくべきではないでしょうか。

 

先日の日銀短観は大幅に悪化・・、私にはこれらの流れが一本でつながり、日銀は早期に緩和に踏み切るのではないかという気がしてならないのですが、どうでしょう。

ちなみに、直近の金融政策決定会合の結果発表は明日、になります。