『WORK RULES!』が、当ブログの主張とかなり近い模様

先日、ネットを見ていると非常に気になる記事を見つけました。

橘玲さんが、本を紹介している記事なのですが、グーグルの人事担当上級副社長が書いた『ワーク・ルールズ』という本に関する物です。

 

私は読んでいないのですが、橘さんが、記事の中で詳しく紹介されています。

「世界を変える人材」をどう採用し、成果を出すのか?
[橘玲の日々刻々]2015年の読書録より『WORK RULES!』『ALLIANCE』の紹介

この本に書いてあるgoogleの採用している、人事制度というものが、当ブログで繰り返してお伝えしてきた内容とかなり近いものであるらしいので、ぜひご紹介したいと思います。

 

リーダーを輩出する仕組みの不自然な逆行の構造的問題点

私が、このことを最初に取り上げたのは、2013年くらいのことです。

シャープと東芝、凋落の本当の理由は『リア王』に書いてある

東芝の衰退は”本当のリーダー不在”が原因 ~自分のリーダーは自分で選ぶもの~

他にもいろいろ書いていますが、上の記事では、東芝とシャープの衰退の理由から、真のリーダー論を探っています。

 

所謂リーダーになる人とは、その資質と器を持った優れた人物である必要がある、ということかと思います。では、そういうリーダーはどう決まっていくのかというと、周りや目下の人間から「この人はリーダーにふさわしいな」という評価を得てというのが、自然で当然の道理なのです。

 

クラスに一人はいた、自然とリーダーになる人

自然と生まれるリーダーというのは、どんな人かというと、学校に通っていたころを思い出してもらえればと思うのですが、実行力があり、スポーツが出来て、気配りが聞き、おまけに喧嘩も強くて先生との交渉なんかも出来ちゃう、女の子にもてもての優れたやつが一人くらいはクラスの中に存在していたのではないでしょうか。

話し合うでもなく、彼、彼女がリーダーだとみんなが自然と認めていた人物、それが本物のリーダーだと私は思います。『ちびまる子ちゃん』で言うところの、「大野君」や「杉山君」でしょうか。彼らが、仕事ができるかはわかりませんが(笑)。

 

サラリーマン社会のリーダーの矛盾 『リア王』の教え

これに対して、我々の務める日本の社会では上司の評価で出世が決まる、という仕組みになっています。上が上を決める。ここに、根本的な構造的な問題点がある、と。そして、それを明確にまるでマネの絵画のように描いた作品が、シェイクスピアの『リア王』であるとも伝えてきました。これが、当ブログの独自性です。

 

老王「リア」が、”ゴマすり”の長女と次女に自分の跡を継がせ、国のために真心で苦言を呈した三女を放逐した結果、長女と次女の裏切りに会い、国も亡ぶ。『リア王』はそんなお話です。

 

上司が人事の決定権を持つということは、「自分のいうことを聞く人」「自分の地位を脅かさない能力の低い人」を出世させる可能性が非常に高くなるということではないでしょうか。

 

これに対するグーグルは、

さらにグーグラーは、上司だけでなく同僚からもフィードバックされている。これによって、上司にゴマをすって昇進しようとする戦略(こういう人間はグーグルにもいるのだ)は効果を失う。

橘玲さんの解説にこう記されています。『リア王』戦略が効果を失うシステムをグーグルは導入している、ということなのです。さらに、

グーグルの採用の原則は「自分より優秀なひとだけを雇う」というものだ。最高の人材を求めている以上、候補者の能力が自分より劣っているようでは意味がないのだ。

 いちばん驚いたのは、マネージャー(管理職)を採用する際、彼が指揮するはずの部署のスタッフ(将来の部下)が面接することだ。だがそれと同時に、その部門とはまったく関係のないグループも面接し、すべての評価(フィードバック)がデータ化されて採用委員会に送られる

部下が、上司を面接で決めるんですね。これは、もう、私の主張そのままです。グーグルは完全に”脱リア王”を果たすべく、日々努力していると考えていいでしょうね。

 

せっかくなので記事のクオリティーへの自負を記す

『WORK RULES!』が発売されたのは、2015年7月のようで、私がこの本の内容を知ったのは、つい先日です。当ブログでは、2013年から前述の内容を繰り返しお伝えしてきていました。今、話題のかの有名な「google先生」の人事担当上級副社長の方の本の内容の核のような部分を、当ブログがその頃からお伝えしていたという事実は自らのことながら、驚きました。

当ブログの記事がある一定以上のクオリティーを持っていたということの証左として、このことを書かせていただくことをお許しいただければと思います。

そして、ただ言うだけでなく、これらを実践し、成功に結び付ける「google先生」ははるかにすごい! ということが言えるのではないでしょうか。

そして、更にすごいのは、400年後の未来にまで出現する『リア王』の予言性です。シェークスピアおそるべし! 彼には、世の中はまるで眼前で見通せる様だったのかもしれませんね。

また、実際に私はまだこの本を読んでおりませんので・・、その点はお詫びしておきたいと思います(笑)。