ドラギ兄貴が再び投資家をピンチから救出!

前回の記事を書いた次の日、再び、日経平均株価のひどい暴落が起き、「あんな記事書かなきゃよかった!」と一瞬思ってしまいました(笑)。

でも、そんなピンチを再び救ってくれたのは、我らが「ドラギ兄貴」でした。

 

「3月に再び金融緩和を行う準備がある」、「ECBにはインフレ率2パーセントを達成する手段に上限はない」と力強い発言でマーケットをよみがえらせ、日経平均株価は本日、千円近い上げ幅となりました。さすがは、兄貴と言ったところでしょうか。

 

「ロボット・トレーディング」のすさまじい暴走

いったん、収まったとは言え、それにしてもすさまじい暴落です。まさかの「甘利ショック」もあったとは言え、あまりにも暴力的な下げです。その裏にあるのは、「ロボット・トレーディング」。感情を一切持たないまさに機械的取引で、個人投資家はなす術がありません。

これは、将来的な”なにか”を暗示している気がして不気味です。自分たちだけが儲けることを目的に、人間の実体経済まで破壊してしまいそうな勢いです。これは今後「ロボット」の大きな発展により、相場の世界にとどまらず、実際の生活でそのような場面に出くわすことが出てくる可能性を暗示しているかもしれませんね。

それはロボットの”合理性”に人間が翻弄されるってことです。

 

利上げの開始は速やかだが、進行は相当緩慢に?

さて、人間の世界に話を戻しまして、世界的な株安の要因は、アメリカFRBの利上げへの懸念です。これに関しては、何度も書きましたが、「イエレン先生」が議長である限りは全く心配いらないと思います。

「FRBは利上げの開始を速やかに行って来る」と予想し、これは当たったと言わせてらってもいいかと思いますが、その進行に関しては、相当緩慢なものになるのではないでしょうか。イエレンは世界の情勢を見ながら、ゆっくりと、ごく丁寧にマーケットにそれを説明していくはずです。世界経済の状況を顧みず、断続的に利上げを行うなんてことは絶対にありえないと思います。

 

イエレンが恐れるのは実はドル安

ドル高がアメリカの実体経済を阻害しているという記事をよく見ますが、これはその通りだと思いますが、イエレンが本当に心配しているのは実はドル安だというお話を紹介したいと思います。

FRBは、過度のインフレを抑えるのが使命であり、そのために利上げを行うわけですが、イエレン先生は、

「今はドル高と原油安のおかげでたまたまインフレになっていないだけ」

とスピーチでおっしゃっていたそうです。確かにこれだけの金融緩和を行っていたのですから、インフレになっていないのは、たまたま今は「運がいいだけ」と考えるのも当然かもしれません。本当にドル安に相場が転換した時が、インフレの始まりなのかもしれません。

 

「イエレン・ショック」には投資家がさせない

イエレンは経済の見通しに関して卓越した目を持っており、投資家からの信頼は抜群に厚く、「かつてもっとも市場から愛された中央銀行総裁」と言っても過言ではないでしょう。だから、「イエレン・ショック」という不名誉なレッテルが彼女に張られることを投資家はきっと嫌います。特に彼女は女性なのです。暴落はいつも彼女の”いない時”に起こるのです。

専門的な情報源ではこのことは、あまり触れられませんが、非常に重要な要素ではないかと私は思っています。当ブログの独自視点でしょう。ダウがこんな高値でいられるのは、彼女の”人”のおかげと言ってもいいかもしれません。

 

日本株が上がると思う根拠

今年は専門家の方でも、円高株安を予想する方が、多いです。昨今の暴落もあり、ドル円105円程度を予想する方が多いです。私は以前から、135円程度を目指す円安が再びやって来ると言っていますが、その後に円高が訪れたとしても、今回の安値くらいにとどまるのではないかと思っています。

 

もちろん、どうなるか分かりませんし、株安を唱える方の話にも説得力はあるのですが、唯一、どうしても府に落ちないのは、

「引き上げられたお金はいったいどこへ消えちゃうのか?」

と言う点です。世界に回っているじゃぶじゃぶのお金を運用するのは、大半は世界のファンドです。運用資金は現金で置いておくことなんて許されません。高利回りを求めて、必ずどこかに投資されなければならないのです。

例え空売りに使われたとしても、それは必ず買い戻されます。長期的な株価下落の要因にはなりっこありません。

 

この考えの元は私のオリジナルと言うわけではなく、経済アナリストの朝倉慶先生の教えに基づいていています。他にも色々なアナリストの方の見解を参考にしていますが、今のところ、「お金の行き場がないから(長期的な)株安にはならない」という朝倉慶さんの主張が最もシンプルで、説得力があると私は思っています。

 

昨年の日経平均の急騰劇の要因で、「ECBのマイナス金利であぶり出されたお金が日本株を買っている」という話がありました。この話の筋は今も何も変わりません。例え嫌々であったとしても、結局日本株しかない、という状況は確実にそこにあると言えるのではないでしょうか。アメリカと欧州はすでに史上最高値を更新した後なのです。

 

世界中の中央銀行が、現金を回収し始めるという懸念が出始める頃になって初めて、株価の長期下落転換を考えればいいのではないでしょうか。そして、それはまだまだ少し先の話ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。