再び暴走、「ロボット・トレーディング」

昨日の金融政策決定会合で日銀がマイナス金利の導入を決定しました。

発表直後に株価は前回同様、超高速取引、「ロボット・トレーディング」の仕業により、乱高下。我々の実生活にもいずれこのような場面が訪れることを予見させる不気味な動きとなりましたが、最終的には買いが優勢となり、前日比476円高で終了しました。

当然、円安も進んでおりまして、記事を書いている現在121.5円ほどとなっております。

 

当ブログの読みは135円を超える円安

さて、当ブログでは予てから、ドル円は135円を超える展開を目指すとしてきましたが、果たして今回の日銀の措置によって、実際そのような動きとなるのでしょうか。それはまだまだわかりませんが、一つ言えることは125円の「黒田ライン」はすでにもう存在しない、ということです。

2016年の相場は中央銀行総裁への好き嫌いで決まる? ~決して専門的でない相場予測~

こちらの記事の中で、「浜田宏一内閣官房参与」の発言から見るに、日本政府は以前は120円だった円安の容認ラインを130円をまで引き上げた可能性があるとお伝えしていました。その辺りを、軸に考えてみると、今回日銀が動いてくることも想定の範囲内とすることが出来たのではないでしょうか。

 

今の円安は歴史的な動きの中?

昨今の株価の暴落により、円安の終わり、円高への転換を主張するアナリストの方も増えていましたが、私はまったくそんな気がしません。2012年に起こった、1ドル75円を底とした円高から円安への転換は歴史的なものだと私は考えています。

そもそも、歴史的な「円高」の出発点はどこでしょう? それは1985年の「プラザ合意」です。

1970年代末期のようなドル危機の再発を恐れた先進国は、協調的なドル安を図ることで合意した。とりわけ、アメリカの対日貿易赤字が顕著であったため、 実質的に円高ドル安に誘導する内容であった。これが『プラザ合意』である。

発表の翌日の1日(24時間)で、ドル円レートは1ドル235円から約20円下落した。1年後にはドルの価値はほぼ半減し、150円台で取引されるようになった

~ウィキペディア~

発表の翌日1ドル、235円。それ以来の25年以上続く、歴史的円高はここから始まっているのですね。ですから、1ドル75円から始まった歴史的円安は、235円を目指すと考えるのは、そんなにおかしなことではないのではないでしょうか。

だから、そんな歴史上の流れが125円なんて中途半端なところで止まるはずがない、と私は思うのです。

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マイナス金利はインフレへの起爆剤?

日銀は今回、マイナス金利と言う措置をとることを決定しましたが、これはごく単純に考えると、お金を借りる方が金利を得るというとても異常なことです。これは私たちが住宅ローンを組むと、金利がもらえる可能性があることを意味しています。これは相当大きなインパクトを私たちの心境に与える可能性があるのではないでしょうか。

 

「金融緩和」より遥かに分かり安い「マイナス金利」

今回の日銀の措置は従来の金融緩和よりわかりづらく、理解が遅れて、発表当初の乱高下に繋がったとの見解がありました。確かにそれはそうかもしれません。しかし、それはあくまで相場に熟知した投資家目線の話であって、投資をしないほとんどの日本人にとってはそれはまた別の話だと思うのです。

「国債を年間80兆円買う!」

という現行の金融緩和策を聞いて、投資家でない一般の人が「それはすごい! 景気が回復しそうだ」となるでしょうか? いや、全然なりません。「金融緩和? なんのこっちゃ」がむしろ普通ではないでしょうか。私も5年前までそうでした。

 

しかし、今回のマイナス金利となるとどうでしょうか。

「お金を借りる方が金利をもらう」

「住宅ローンを組むと、もしかすると金利がもらえるかもしれない」

いかがでしょう。はるかに分かり安いと思いませんか? これは、欧米人に比べて、投資に無知である日本人には、むしろ却って劇的なインパクトを与える可能性がある政策だと私は思います。

 

お金の行き着く先 インフレの足音は確実に聞こえている

お金を借りる方が金利をもらえるという異様な政策。日銀、政府はそんな異常な状態を作ってまで、インフレに誘導しようしています。利上げを開始したアメリカFRBも引き締めなんてまだまだ考えていません。

株安になるとおっしゃる方は、史上最高にじゃぶじゃぶになったお金が最終的にいったいどこへ向かうというのでしょうか? 燃やしてしまう、という奇異な考えでも持ち出さない限り、インフレにならないというそれは、むしろ異様な考えだと思うのですが、果たしてどうでしょうか。