戻りが鮮明になりつつある日本株

日本株の戻りが鮮明になりつつあります。ドル円が昨日の安値の109円30銭から突如急騰し、終値が111円80銭と2円以上もの値幅になっています。日経平均株価の先物も夜間で17,700円まで上昇しています。このような動きは今年一度も感じることのなかった動きであり、非常に驚いている方も多いと思います。

なにせ、専門家の方でも、今年の高値は18,000円程度までではないかと言う声が大きかったのですが、このたった3日間くらいでそれに迫る上昇を見せています。

カリスマ株式評論家の山本伸さんも、

明らかに潮目が変わった印象を受ける

~ 山本伸の言いたい放題 ~

ブログで、こうおっしゃっています。

潮目の変化の理由

今回の潮目の変化の理由として、4月27日、28日に行われる日銀の金融政策決定会合への期待が挙げられています。そして、昨日の午後に、ブルームバーグから、日銀がマイナス金利に関して、銀行側にも配慮した政策を検討しているという情報が流れ、そこから一気に上昇が加速しました。

過去に一応、日銀の金融緩和の実施予想を当てたこともある当ブログなので、今回、本当に金融緩和があるのか、そして、あった場合どうなるのかを探ってみたいと思います。

 

きっかけはいつも「日銀関係者のお話」

今回の情報の出どころは、日銀関係者となっていますが、これは過去にもヘッジファンドの仕掛けに使われたことが多く、昨年の高値の125円までの上昇を見せたドル円の初動のきっけも確か「日銀関係者の話」だったと思います。私は、当時その記事を見た時に、これは上へ仕掛けが入る! と強く感じたのを記憶しています。

 

ヘッジファンドが意図的に流しているんじゃないかとも思われる、「日銀関係者のお話」ですが、果たして今回はどうなのでしょうか。もし、ヘッジファンドによるものだとすると、これは日銀の会合を材料とした、それまでの超短期的な相場である可能性が高いのですが、今回はそれだけとは思えないほどの強さがあると感じています。

なぜなら、先物だけではなく、現物ににもしっかり買いが入っているようで、これは、ヘッジファンド以外の長期勢力も動いてきている可能性を示すものだからです。

 

昨年追加緩和を読めた理由

当ブログが素人ながら、昨年の金融緩和の実施を読めた理由は、空気のざわざわ感と、浜田内閣官房参与の発言の変化に気が付いたからです。昨年は、10月くらいからそのざわざわ感が出初め、朝倉慶先生も「日銀側からの意図的なリーク情報も出てきており、今回の会合で緩和があるのではないか」とおっしゃっていました。私も、当然あると思っていたのですが、その時には何もなく、実際に出てきたのは12月、しかも「補完措置」という訳の分からないもので、その後に株は暴落しました(笑)。

日銀が予想通り金融緩和! だが・・

その後の1月には史上初のマイナス金利に踏み切りましたが、またしても株価は暴落しています。

 

会合後の2度の暴落が今回のリークの理由?

今回、日銀関係者の話というのは、マイナス金利に関する新たな手法に関するものでした。前回とその前の立て続けて2度の会合後の暴落。これには、これ以上の失敗は許されないと言う日銀側の焦りもあるのが当然だと考えられるのではないでしょうか。

ともすると、今回の件は、日銀側から意図的に情報をリークさせ、新たな政策に対するマーケットの反応を試した可能性があるのではないでしょうか。今はタイミング的にも絶対に失敗出来ないところに来ているのは間違いなく、またも暴落したら、今度こそシャレになりません。予め聞いてみたくなる気持ちも、十分理解出来るのではないでしょうか。で、今回の結果は、合格ですよね。だとすると・・。

政府、日銀は過去にも同様の手口を行っていて、黒田総裁の選任もマーケットの反応を見て決めたと言われていました。何人かいた候補者の中で、情報をリークさせ、反応が良かった黒田さんにした、と言うのです。

 

日銀が動く動機

しかし、そもそも、日銀が今回動く大義はあるのでしょうか? 確かに全然、目標のインフレ率には到達していませんから、それだけでその理由にはなるはずです。しかし、単にそんな表向きの理由だけで動いていないのは、誰の目にも明らかです。では、何を一番の動機に黒田総裁は動くのでしょうか。

 

消費増税のため?

黒田総裁は財務省から、消費増税のための刺客として送り込まれており、消費増税延期が濃厚な状況で追加緩和をする理由がないとするネット上の見解もありますが、私としてはこの説にはあまり説得力を感じません。

昨年についても、増税を確実にするために追加緩和をしたのに、結果、黒田さんは梯子を外されたため、これ以上の緩和はするはずがないと言う論調でしたが、その後に日銀はマイナス金利と言う史上初の手段に打って出ています。

安倍首相と黒田総裁の関係が悪化しているような印象は全くありませんよね?

 

日銀は政府のために動いているだけでは・・

私には日銀、黒田総裁は、結局政府のために、株価を吊り上げるために緩和を行っているようにしか見えません。黒田バズーカ2も、ちょうど衆議院解散選挙2か月前の政府にとって非常に都合がいいタイミングでした。当時、なぜ、このタイミングで追加緩和なのか? という記事も散見されたのですが、私に言わせれば、こんな分かりやすい話はないというところです。

消費増税のための緩和? そんなはずがないですよね。ちなみにその直前には、GPIFの株式組み入れ比率変更が発表されています。塩崎厚生労働大臣は、これ見よがしにこう言い放ちました。

「日銀が金融緩和をするなんて、まったく知りませんでした」

そんなこれみよがしなタイミングが今、再び近づきつつあるようです。私は安倍政権にあだ名をつけるとしたら、「これ見よがし政権」だと思います(笑)。

 

今回は緩和手段が色々噂になっているようで、今まで中央銀行の施作としては、”非常識”と思われるような手段も検討されている情報もあるようです。真偽は分かりませんし、黒田総裁は投資家に信頼されているとはお世辞にも言えませんが、無謀なほど、躊躇なくぶっ放す人物であることは間違いがなさそうです。

 

まとめ 結局・・

で、結論として、日銀は今回、追加緩和に動くのでしょうか?

株式評論家の杉村冨生さんは、ブログでサミットのホスト国で、このタイミングで、緩和に動けるはずがないので、今回はないとおっしゃられています。なるほど、確かにそれもそうかもしれません。私が去年感じた緩和前のざわつきからも、実際に緩和が行われるまで数か月のタイムラグがありました。その理由は、アメリカが利上げを控えていたからではないかと邪推しておりますが。

以上をまとめますと、今回かはわかりませんが、日銀が近いタイミングで、過去の2度の失敗を踏まえた大規模な新手の追加緩和に踏み切る可能性はかなり高いと言えるのではないでしょうか。

それが、もし、本当にそれまでの常識を覆す内容であった場合、相場も常識はずれ、狂ったような動きになるかもしれません。

当面、三菱自動車以外の(笑)、日本株とドル円の売りポジションを持つことだけは控えた方が賢明なのかもしれません。