期待する方が間違っていた!

本日の日銀の金融政策決定会合は、現状維持と言うことで、それ自体は驚きではないかもしれませんが、それにしてもひどいのはその後の下げっぷりです。一日の中で千円も下げるとは、常軌を逸していると表現してもいいでしょう。

前回の記事では、一応、今回かは分からないとしていたので、私の予想もまだ外れたとは言いません・・。しかし、この値動きには、非常にがっかりと言う感じでしたね。

杉村冨生さんのブログで、

「期待する方が間違っている!」

とお叱りを受けてしまいました(笑)。でも、杉村さんも、ちょっと前までは、4月にあるとおっしゃっていたんですけどね・・。

 

6月の可能性?

本田内閣官房参与が、ロイターのインタビューに、

「追加緩和は今回とは限らない。その場合は6月の可能性がある」

と答えていました。

前回も書きましたが、追加緩和がありそうなざわつきが出始めてから、日銀が実際の緩和に動くまでには2か月程度のタイムラグがあったこともありました。今回も果たしてそのパターンになるかは分かりませんが、鍵を握るのはやはり選挙でしょう。追加緩和がその後のタイミングになると言うのは、非常に考えづらいですね。

それに黒田総裁がこのまま引き下がるとも思えません。彼の投資家からの信頼のなさには、最近は悲哀すらも感じてしまいますが、とにかく彼は躊躇なくぶっ放す人物であることに疑いの余地はないのです。アベノミクスの中で、リスクを冒しているのは、黒田総裁くらいなもので、その彼が批判を集めると言うのは、ちょっと違っているのではないでしょうか。

正直無謀だとは思いますが、大きくリスクを取った行動をとっていることには間違いはないのです。それは誰にでも簡単に出来ることではありません。

 

追加緩和は政府が出してくる経済対策パッケージと一緒になる、と言うのが、今は一番説得力があるでしょうか。何もしないと言うのは、考えづらいのですが、もし、そこでなかったら、もう当面はないのではないでしょうか。日銀が増税を延期しようとする、政府と距離を置き始めたと言う見解もあるのですが、私はどうもそうは思えません。現在の日銀は、悪く言うと、ほぼ政府の言いなりで、やはり、政府と一丸となって経済対策の一環として、近いタイミングで追加緩和に踏み切るのではないでしょうか。

 

「日銀関係者のお話し」の正体は?

さて、今回、政策の現状維持により、日本株は再び大きく売り込まれてしまいました。その誘因となったのは、ご存知の「日銀関係者のお話し」です。とすると、これはヘッジファンドの陰謀だったのでしょうか? その「お話」が、いつもヘッジファンドの仕掛けに使われていることは、私も認識していたのですが、しかし、今回はそれまでとは違う、単にヘッジファンドの仕掛けとは思えない部分を感じたのも事実です。

今までは、どちらかと言うと、その「お話し」をきっかけに、仕掛けが入ることがほとんどだったのですが、今回の場合は、その「お話し」が報じられる前に、既に日経平均株価とドル円はかなり強い動きを見せていました。

「噂で買って、事実で売れ」

と言うようなことが、よく言われますが、今回は噂が出る何日も前にすでに強く買われていたんですね。そして、噂が出たころには、かなりの高値圏でした。これじゃ、「噂で売れ」になっちゃいますよね。どうも奇妙に感じます。

この噂云々ではなく、既に日経平均とドル円はそれなりの戻りに入っていた可能性は考えられないでしょうか。

また、もし6月に追加緩和があるのでしたら、その時にこそ、この「お話」の正体がわかるかもしれません。

 

ドル円の戻りは119円が普通?

そんな中で、気になる解説をご紹介します。

当面のドル円を予想する= 円安は119円まで戻るのか、それをリスクオフ再燃が遮断するか?!

マネースクウェア・ジャパンの吉田亘さんの解説です。

あくまで一時的なドル高・円安に過ぎないとしても、経験的には最大で52週MA(移動平均線)程度までの戻りはあってもおかしくありません。

その52週MAは、足元で119.4円程度

現在投機筋のドル円のポジションが記録的な円買いに傾いている状況と言うことは、皆さんご存知かと思うのですが、そんな中では、一時的な戻りであったとしても、119円程度までは戻るのが、今までは普通だったという吉田さんの解説です。

当ブログでは、日本株はその売り込まれた反動で、最低でも25パーセントの反発を見せる動きが過去にたびたび起こっていると言うことをお伝えしてきましたが、これを年初来安値の14,900円から考えると、18,500円程度と言うことになります。また、直近の安値、15,500円から数えると、19,400円程度までは最低でも戻る動きが頻発していた、と言うことになります。

当ブログのそんなデータだけでは信ぴょう性に欠けるかもしれませんが(笑)、吉田亘さんの解説と照らし合わせてみると、119.4円くらいまでの戻りがあるのでしたら、19,400円もあってもおかしくはない、と言ってもいいのではないでしょうか。

 

日銀への失望により、現在はどこまで下がるかだけが、注目されていますが、こんな見方も、一ついかがでしょうか。