予想通りと言えばそうなのですが、為替は方向感のない動きが続いていますね。これからサミット、選挙を控え、政府、日銀が政策を打って来る、と言う中では当然でしょうか。年初から円高に傾いたドル円は、いったん105.5円で底を打ったようですね。とはいえ、ここから、先どうなるのか? と言うことに関しては専門家の方の間でも意見は真っ二つに割れているようです。少しの反発の後に、長期的には60円方向の円高に向かうとおっしゃられる方もいるようです。

もし、ドル円相場が長期的には円高のまま推移しており、アベノミクス相場は単なる長期円高局面の、大きめの調整ということであれば、そのような動きになるのも頷けます。しかし、私に限っては、2011年の75円を大底に現在は、長期円安時代の局面にあると感じているのですが。

吉田恒さんの予言が的中しすぎてすごい!

私は専門家ではないので、自分一人で為替の方向性を語れるほどの知識は持ち合わせていません。ですから、本物の先生を見つけることに注力しています。本当の情報を教えてくれる先生を見つけることが出来れば、私のような素人でも難しい予想が出来るようになるのです。そして、その人を信じたと言うのは、自分の判断と言うことになるのです。

当ブログの一番下のFacebookページで以前ご紹介したのですが、私が最初に為替で衝撃をうけたアナリストの方は、マネースクウェア・ジャパンの吉田恒さんです。当時、ドル円は70円台後半で推移しており、メガバンクの予想は軒並み、70円割れへ向かうと言うものとなっていました。そんな中、私が当時知る限り吉田恒さんのみが、

「もう円高は終わって円安の時代になる」

とおっしゃっていました。私は「本当かいな?」と疑ってみていたのですが、半年後に本当にそれはやってきました。民主党の衆議院解散宣言から始まる、アベノミクス円安が開始したのです。

2015年120円、そして長期円安時代の始まり

そして、こちらがドル円が94円程度だった時の吉田さんの記事です。

2015年にドル円は120円でピークを付け、2016年には、100円割れ程度の円高となる。その値動きも時期もぴったりと当たっていることに驚愕します。

 

今の円高はいつまで? ドルは本当に底を打ったの?

吉田さんの予言によれば、今の円高局面は少なくとも1~2年は続くとなっています。アベノミクス円安の高値の125円は、昨年の8月につけていますから、今の円高局面は最低でも今年の8月、そこから来年までもう一年円高が続いても決して不思議ではないと言うことになります。

「ドルは底を打った」

とゴールドマン・サックスがレポートを出したそうですが、どうなのでしょうか。私の感覚では、これで底を打ったとはちょっと言えないのではないかと言う気がしています。なぜなら、アメリカは昨年の末くらいから、政治的に明らかにドル安に政策を転換したわけですが、そんなに短い間に、大した効果も確認できずに、再び方針をドル高へ転換するとは思えないからです。

アメリカがドル安へ転換した大きな理由として、原油安が挙げられていますが、確かに原油はだいぶ持ち直していますので、もし、それだけであるのなら、ドル高へ戻っても、不思議ではないのですが、しかし、それだけが理由とも思えません。

最近のアメリカの経済指標は悪いものが目立ちますので、景気が停滞している局面にあると言えます。彼らが、一番気にしているのは、当然のようにアメリカ経済ではないでしょうか。ですから、経済の基調に回復が見られるまで、そうそうドル高には戻りづらいのではないでしょうか。

 

ドル円のイニシアティブは日本にはない

最近つくづく思うのが、ドル円の方向性を決めるのに、日本には主体性がほとんどないなあということです。結局は、力関係で、ほとんどアメリカの意向次第で決まっていると言っても過言ではないでしょう。アベノミクス円安も結局、たまたまアメリカがドル高政策へ転換した波にうまく乗っただけだった、と言うことが言えるのではないでしょうか。トレンド上の値動きにプラス何円かしたくらいでしょう。

だから、今度出て来る政府の財政政策が、もしサプライズだろうが、黒田バズーカ3が放たれようが、アメリカがドル安政策を取る限りは、円安は一時的な動きに留まるだろうと言うことです。政府と日銀が成功させたとしても、115円超えくらいではないでしょうか。

 

しかし、更なる先は・・

しかし、そこから、もっともっと先となるとどうなのでしょうか。果たして円高は更に進むのか、それとも? ドル円の値動きからは、今は、その重大な岐路に立っているように見えます。専門家の方の意見が割れているのは、そのためでしょう。しかし、吉田さんの解説を読む限り、今が長期円安時代だったとしても、今の円高は通常の範囲の値動きと言うことになります。ですから、現在は長期円高時代のままなのか、それともすでに長期円安時代に入っているのか、それは値動きからは判断できないと言うことになります。

では、何で判断するのか? 結局は直感でしかないのではないでしょうか(笑)。

 

やっぱり「悪い円安」が本命?

最後にもう一つ吉田さんの記事を紹介いたします。

円安トレンド長期化、1ドル120円まで上昇予測のワケ…「悪い円安」発生の可能性も

こちらの記事の中で、吉田さんは「悪い円安」について触れています。そして、結果、ドル円200円超もありうると。当ブログでも黒田バズーカの副作用による、「悪い円安」は235円を目指すと言う予想を掲げたことがあります。日銀の金融緩和の出口にからむ国債の暴落による超円安と言う発想は、長期円安時代突入を裏付ける強烈な説得力になるように私は思います。

吉田さんは、悪い円安は10年後には訪れている可能性があるとおっしゃっています。この記事は2013年のものですから、2023年には、200円を超える円安があってもおかしくはないと言うことでしょう。

そして、重要なことは「悪い円安」にはアメリカの意向も決して届かないと言うことです。なぜなら、意味もなく他国を助ける国なんてないからです。つぶされるのは、「いい円安」つまり「勝者」だけで、自滅する敗者に手を差し伸べるようとするほど、世界の覇者は決して甘くはないでしょう。