NYダウが非常に強い動きを見せています。「ダウはそろそろ暴落する」、検索するとそんな記事ばかりが出て来るのですが、先週からイギリスのEU離脱問題という世界を揺るがす一大事が近づいているにも関わらず、一向に下がる気配を見せません。そんな中、当ブログではダウがバブル化するのではないか、と言う予想を立ていたりします。

まあ、それはいったん置いておいて、しかしいったい、なぜこんなにもダウは強いのでしょうか。その理由を今回は検証してみたいと思います。当ブログならではの一風変わった見解も示したいと思います。

 

普通に考えられる理由はドル安

以前からお伝えしておりますが、アメリカは政治的にドル安政策に傾いており、その通りのドル安が進んでおります。これが現在の米株高を支えているというのは、一番まっとうな見解になりますでしょう。

低金利を背景に投資先に苦慮する世界の投資マネーが、ドル安を背景に米国に再度集まる可能性は否定できない。年内は米大統領選挙などの不透明要因もあり、上下に変動する可能性があるものの、長期的にはドル安を背景に、米国株は上昇基調が続く可能性がある。

「利上げ期待」で上昇した米国株の向かう先

こちらも以前ご紹介している江守キャピタルの江守哲さんの記事です。

日経平均株価が円安で高くなることは周知の事実ですが、少しくらいの悪材料であっても、円安になりさえすれば下がらない、と言うことはよくありますよね。これが、今ダウに起きていること言うのは自然だと考えられますよね。

 

もう一つの隠れた理由

さて、これ以外に米株がとてつもない強さを発揮している理由があると私は思うのでうすが、それを書いてみたいと思います。これは、専門家の方はあまり言わない見解ですし、当ブログ独自の物と言えるでしょう。

6月22日に、ソフトバンクの孫正義社長の続投が発表されて、同社株価が高騰するということがありましたね。人気カリスマ経営者の続投のニュースですから、これは相場的にはごく自然の成り行きと言う感じがします。私はこれと似たようなことがアメリカ株にも起きていると感じているのです。

では、そのカリスマとはだれかと言うと、FRBの初の女性議長、ジャネット・イエレンです。なぜ、私がそう思うかと言うと、その答えは単純で彼女が出て来ると株価が騰がるからです。昨日のダウの上昇の理由の解説は、彼女の議会証言への好感でした。

私が記憶している限り、彼女の発言で株価が下がったことはまずありません。彼女の証言は株高イベントと言ってもいいくらいです。「暴落はいつもイエレンのいない間に起こる」、これは当ブログの名言です(笑)。

ネガティブな材料なはずの「今後数か月以内に利上げの可能性」

でも騰がりましたからね。

しかし、一体なぜ彼女はこれほど投資家の支持を集めると言うのでしょうか。そこには安心感と言う人として当たり前の事実がある気がします。それまでの一貫した言動から、彼女はマーケットに対して乱暴なことは決してしないということを投資家が信じているのです。だから、安心して投資すると言う訳です。これはこの世界では非常に重要なことだと思うのですが、どうしてか、あまり言われないのです。

対して日銀の黒田総裁なんて言動が不一致すぎて、みんないつも疑心暗鬼です。日本はヘッジファンドに操作されやすい土壌とは言え、彼の出て来る場面はいつもあまりにひどい乱高下です。これには外国人投資家さえ嫌気がさしているとも聞きます。それまで円安を推進していたかと思えば突然けん制発言したり、「マイナス金利は一切考えていない」と言っていたのに、次の日に導入したりと、これでは投資家が信じられなくなってしまうのも当然です。

余談ですが、白川前日銀総裁の辞任が発表された時は株価が暴騰しました。どんだけ嫌われてんだよって話ですね。「金融緩和は意味ない」とか言ってた見たいですからね、「お前がどう思おうと関係ねえよ!」ってのが投資家の気持ちだったんじゃないでしょうか。いや~虚しい。

私の好きな経営者だった故、岩田聡前任天堂社長の死去が伝えられた時は任天堂の株価が結構下がりました。その時は、みんな私と同じ気持ちだったんだと安堵しましたね。この人の早すぎる死は本当に残念です・・。

 

FRBは株価を冷ましたいはずだが・・

当ブログではFRBの動向について繰り返しお伝えしてきましたが、それなりに精度があったと思っています。それは私が特殊な能力を発揮したわけではなく、単にそれだけ読みやすいのです。FRB、イエレン議長の発言をただ素直に拾っているだけですが、世界中の投資家も同じように思っているのではないか、そんな気がしています。

そんな推察の中で、FRBは本音では株価を冷ましたいと思っていると考えられるのですが、カリスマ議長、ジャネット・イエレン先生の人気によって株価は下支えされると言う皮肉な状況になっている気がします。もし、黒田総裁とチェンジしたら、ダウはきっとすぐに暴落してしまうでしょう(笑)。

「現時点で低金利による金融安定に対する脅威が高まっているとは言わない」

昨日の証言で先生は、こうおっしゃられたそうです。利上げを諦めることはダウの高騰の抑制を諦めることだと私は思います。ほっておいて暴落するのならば、FRBが利上げした理由、これからする理由なんてまったくもって皆無だからです。

 

イエレン先生はリーマンショックを予見していた

そして、吉田恒さんのこんな記事を見つけました。

そのイエレン氏は、2007年の住宅バブルに伴う米株高バブルに対して、警鐘を鳴らすとともに、利上げを主張したこともあったとされる

http://yenspa.jp/28546.html

イエレン議長ははただ甘いだけの人ではありません。確固たる先見の明を持ったスーパー議長なのです。だから、その先生が利上げをすべきと言っているのですから、それを政治がさせないとするならば、バブルになると考えるのは当然のことなのです。ソロスが米株は下がると言っているようですが、私はイエレンの方が正しいと思っています。