リオオリンピックがとうとう開幕しましたね。色々と問題が取りざたされてましたが、いざ開幕となるとやはり盛り上がって来ているのでしょうか。私は個人的にサッカーが好きだったりするのですが、日本は初戦でナイジェリアに負けてしまいましたね。

一時はテレビのドル箱と言われ高い視聴率を誇ったサッカー日本代表の試合も最近は低迷が目立つようになって来ているようです。ネットを見ていると、その理由として、監督にあまり人気がないとか、視聴者の目が肥えて重要な試合以外興味を示さなくなったとか、単に飽きたとか言われているようです。これらも理由としてもちろんあると思うのですが、私はそれにはもっと深い理由が隠れているのではないかと考えました。

それはスポーツ、特に国を代表して戦うような試合に於いては、テレビ視聴率はマーケットにおける「株価」のような性質があるのではないか、と思えるからです。株価が指し示すのは、その未来の資質です。この場合視聴者は投資家であり、その投資資材はお金ではなく、時間です。その投資対象にサッカーは的確です。世界でもっとも参加している国が多いスポーツなのですから。

 

なぜ代表戦に熱狂するのか

サッカーのワールドカップで2010年に岡田監督率いる日本代表がベスト16に進出したときは日本中が熱狂の渦に巻き込まれましたね。私もその一人でした。しかしなぜ、こんなにも私たちは日本代表の勝利の虜になるのでしょうか。それは代表戦に限ってはサッカーそのものへの愛と言うよりも、やはり愛国心を元にした自尊心を満たしてくれるからではないでしょうか。

日本人を代表して戦う彼らが世界の国々を相手に勝利すると言うことによって、一見関係無いようにも思われる自分自身も世界で勝っているような気にさせてもらえ、勝利感と言うなににも変えがたいものを私たちは得ることが出来るのです。一言で言うと、「元気が貰える」のですね。

これこそが日本代表の試合を見るという投資に対するリターンになります。私たちは日本代表の試合を見ると言うことで彼らに投資していると言うことになります。時間という限りある物を、他にも選択肢が沢山ある中、1試合2時間近くそこに振り分けるのですから、これは十分投資行動です。

そして実際、それによりサッカー協会にはお金が流入しています。視聴率が高ければ高いほど、サッカー協会は自由に使えるお金が増えます。そして、それを代表を強くするための投資に使うことが出来ます。

これは仕組みは株式会社における企業と投資家の関係と同じです。視聴者は皆さん、投資家だったのです。気づいていましたか。

 

2014年のW杯で株価は当面の天井を打った

そんな私たちの投資行動は成功したでしょうか。2010年の南アフリカのW杯では見事な成果を上げたと言っていいでしょう。ずっと世界の弱小国だった日本代表が自国開催以外のW杯でとうとう念願のベスト16に進出したのです。予選すら勝てなかった時代から見ていた人は感動もひとしおだったと言えます。まさに長年の投資が実り、大きなリターンを得た瞬間だったのではないでしょうか。そんな姿を見て、私ももっと前から見ていればよかった、そう後悔した人もいたかもしれません。

これからますます日本代表は強くなる。2014年にはベスト8か! そう思った方も多かったでしょう。日本代表の試合を見る人はどんどん増え、親善試合などで良好な成績だったザッケローニJAPANはブラジルのW杯でも期待に応え、再び私たちに感動を与えてくれるはず。日本中にそんな空気が充満していました。しかし、実際にはそうはいかなかったのは、ご存知の通りです。

そしてみんな知ってしまいました。日本代表は思っていたほど強くはなかったのだと。知ったらしまい、そこが売り場になる。それは株式投資の鉄則のようなものですが、視聴率の低迷はここから始まっています。株で言えれば、当面の天井をつけ、下落トレンドに転換したと判断できます。簡単に調べたところ、視聴率は概ねそのような変遷になっているようです。

 

視聴率の低迷は代表の長期低迷を表している可能性も

これは単なる人気だけの話ではなく、実際に日本代表の実力を反映しているとも考えられるのです。なぜなら、私たちは無意識のうちの投資判断を行っているからです。ただやみくもに見ていたのではありません。「時は金なり」という言葉があるように、時間と言うものは非常に貴重なものです。それ相応のリターンを得られなければ、私たちはそれを投じるはずがないのです。

残念ながら、視聴率が下がってきていると言うことは、サッカーの日本代表の試合をこれ以上見続けても期待するリターンが得られないと判断した人が増えたと言うことを表しています。これはマーケットにおける株価と企業の関係に非常に似ています。というか、それそのものです。

ですから、単純に飽きたと言うことではないと考えられます。優勝と言う最高の結果まで、まだまだ上があるのですから、これから先、そこへ向かうと期待出来れば、投資家はそれをまだ売るはずがないのです。

以上のことから、昨今のサッカー日本代表戦の視聴率の低迷は、日本サッカーの実力の低迷そのものを先見している可能性があります。2018年のロシアW杯でハリルJAPANが良好な成績を収められないことを”織り込んでいる”状態と捉えることが出来るでしょう。もちろんマーケットの世界でも、投資家が間違っているということはあります。ですから、リオで日本代表がまさかの3位とかになって、視聴率がストップ高! というような可能性だってあります。

個人的には2014年はバブルで大天井と言うことではなく、下落は一時的で早々にトレンド転換! を期待したいのですが、実際は有望な若手の不在などから、視聴者の判断が正しいと思えるような状況のようです。日本サッカーの未来は少々心配ですが、まずはリオでの活躍を期待しましょう!