29日の早朝に北朝鮮が再び弾道ミサイルを発射したものの、北朝鮮の領域を出ずに爆発、失敗に終わったとのことです。北朝鮮はアメリカが圧力を強めてからミサイルの発射をことごとく失敗しています。

この段階で失敗が続くというのは非常に不自然であり、技術的なミスと考えるのは無理があるように思います。では、なぜ? と言うと、アメリカがサイバー攻撃で失敗させているなんて見解もありますが、こんなことが出来るならば、そもそも圧力をかける必要もないわけで、これはほとんど信じられないでしょう。

となると出てくる答えは、「北朝鮮はアメリカが怖いからわざと失敗している」ということになるのではないでしょうか。だって、彼らがアメリカを恐れるのは当然ではないですか。

金正恩さんは狂人で、北朝鮮はいったい何をしでかすかまったくわからない、そのように言われることが多いですが、果たしてそうなのでしょうか? 「いったい何をしでかすかまったくわからない」という部分に関して、むしろアメリカはそれ以上・・と私は思ってしまうのですが・・。

 

北朝鮮の金正恩さんは、狂人なのか?

北朝鮮の金正恩さんは果たして狂人なのでしょうか。この部分を探ってみたいと思います。度重なる粛清を行ったり、実のお兄さんをVXガスで殺害したりと、確かに狂人を伺わせる部分があるのは事実でしょう。私も金さんを擁護したくて、この記事を書いている訳ではありませんので、特に否定する気はありません。

ですが、北朝鮮の行動は意外と合理的だという見解もあります。

北朝鮮が「水爆」実験を強行する、合理的な理由

~ 橘玲の日々刻々 ~

限られた情報の中で、私が一つ思うのは、前から書いておりますが、アメリカが指定するレッドラインを北朝鮮が越えたときに被るリスクは相当大きい、ということです。もし、この一線を越えた場合、アメリカは間違いなく攻撃に出ると思います。でないと、トランプ政権は持ちません。

攻撃されれば、金さんは死ぬ可能性が相当高い。彼らは、庶民の富を吸い上げ非常に楽な贅沢な生活をしています。それを捨てて、なぜアメリカに攻めこまれるという自殺行為をする必要があるというのでしょう。私が金さんなら絶対にやらないわけです。あなたなら、どうでしょう?

とは言え、余り弱腰すぎて国民に舐められても困るという部分あります。北朝鮮の一般庶民は相当ひどい生活をしているそうですから、本来なら反乱に繋がる相当の不満がたまっているはずなのですが、それを金政権は畏怖で強引に抑えつけています。

「金政権は弱い」、そのことがばれては、国民の反乱がおこる可能性が高まります。しかし、さすがに今回はアメリカに攻め込まれて戦争になっては自分たちも危ないし、中国の後ろ盾もない中、アメリカが相手では勝てるはずないと国民もわかっているでしょう。

そういう意味で今のところ、ミサイル発射失敗戦略でも問題はないというところではないでしょうか。では、もし仮に、金正恩が狂人だった場合は、北朝鮮の先制攻撃もあり得るということになるわけですが、この結論はどうなのでしょうか。私が言ってもしょうがないので、アメリカのティラーソン国務長官の言葉を借りたいと思います。

ティラーソン長官は、FOXニュースに対し、北朝鮮の最高指導者、金正恩・朝鮮労働党委員長について、米情報機関の報告を踏まえると「狂人ではない」と考えられると指摘

~ ロイター ~

まあ、私はCIAの報告を受けなくても金正恩は狂人ではないと思いましたけどね(笑)。

さて、ここまでであれば、割と常識的な普通の記事ということになるでしょうが、当ブログはそんな普通の内容では飽き足らず、ちょっと奇抜な領域に足を踏み入れてしまうのは、毎度の悪い癖かもしれません。

以下、北朝鮮と戦う頼もしいアメリカの怖さを書いてみたいと思います。

 

金正恩が米国を怖がる理由はとてもまっとう (2017年8月29日追記)

金正恩さんが米国を恐れる理由はこちらに詳しく書いてあります。

リビアのカダフィの例は、金正恩を恐怖させます。カダフィは、イラク戦争が始まった03年、「核兵器開発」を放棄しました。国連安保理は、この決断を評価し、リビア制裁を解除した。しかし、彼は8年後、米英仏に攻撃され、殺された。

北朝鮮の外交官、ジュ・ヨンチョル氏は米国による「絶え間ない核の脅威」にさらされているのだと主張した。ジュ氏は、北朝鮮による「核の抑止力を高め、大陸間ロケットを開発するという措置は、このようなあからさまで現実の脅威に直面するなかでの、正当な自衛の選択肢だ」と述べた。

~ まぐまぐニュース ~

どうでしょうか、北朝鮮の主張は、かなり普通な主張だと私には思われます。金さんが核を開発する理由は、あくまでアメリカが怖いからで、テレビで煽られている、先制攻撃に繋がるような悪魔的な理由ではないということです。

 

アメリカは原因と結果を逆にする

トランプ政権以前の共和党政権と言えば、17年前のジョージ・w・ブッシュ政権ですよね。そして、この時に起きた大きな出来事と言えば、米国がイラクに侵攻し、サダム・フセイン政権を打倒したことです。この時の大義名分になったのが、イラクは大量破壊兵器を隠し持っており、国際テロ組織アルカイダを支援しているという物でした。

しかし、フセイン政権の打倒後に、大量破壊兵器は出てこず、アルカイダを支援しているという証拠もなかった。では、なんのためにイラクに侵攻したのかというと、石油の利権のため。

米メディアによると、前議長は「イラク戦争はおおむね、石油をめぐるものだった。だが悲しいかな、この誰もが知っている事実を認めることは政治的に不都合なのだ」と断言している。

http://diamond.jp/articles/-/91997?page=2

イラクへ攻め入るための大義名分は完全なでっち上げ、しかもこのことは誰もが知っている事実、だったんだそうです。しかし、当時のアメリカ国民は、90パーセント以上がこのイラク侵攻を支持したのです。では、これはなぜか?

その理由は、9.11のテロがあったからですよね。あのテロが起きたことによって、アメリカ国民は冷静さを失い、強引なこじつけのうそを見抜けないどころか、開戦の後押しをしてしまった。冷静になってみれば、だれがどう見てもおかしいのは明らかでした。ですから、このテロがなければ、イラクに攻め入ることはできなかったと考えられます。

なんと恐ろしい偶然でしょう・・。石油の利権のために、イラクに攻め込む理由を探していたら、偶然テロが起きた・・。まるで松本清張の『十万分の一の偶然』・・いえ、そう、この9.11のテロにはアメリカの自作自演説があることは、きっと皆さんご存知でしょう。テロ発生前に株の空売りが行われていて、民主党の議員がそのことを国会で質問し、世界中で笑いものにされたそうなのですが・・。

このテロは自作自演だ! と当ブログで断定する気はないですが、私が当時見ていて、一番不自然だと思ったのは、ビルの倒壊の場面ですね。ビルの上部に飛行機が衝突して、下まで木っ端微塵になるの? と自作自演だなんてこれっぽちも思っていたなかった当時の私も不思議に思ったものです。今見ると、どう見ても爆破されているようにしか見えないですけどね。。

仮にこのテロが自作自演だとすると、アメリカは石油の利権を得るために、自国民を大量に殺害する事件を自ら起こした。そして、それを材料に空売りして儲けようとするお金持ち達がいた、ということになります。完全に狂ってます。金正恩もきっと真っ青です。質問した議員が笑われるのも無理はないでしょう。こんな事実は到底受け入れられない。何かの間違いであることを祈りましょう。

さて、2015年の11月に今度はフランスのパリで大きなテロ事件がありました。実は、これも事前にNY株で空売りが行われていました。この時は、私も株価の動きを追っていたので間違いはないと言え、株式評論家の山本伸さんもラジオでそのように言及されていました。

ISのバクダディが「次はワシントンをやってやる!」と高笑い、世間が次のテロに恐怖する中、NY株は材料出尽くしで、ぐんぐん上がっていったのです。

私はその動きを見て、この類のテロは一度きりだと確信しました。当時書いた記事にもそのように記しています。

つい一か月ほど前にサッカー日本代表の香川選手の所属ずるドルトムントを狙った爆弾事件が起こされましたが、これはテロではなく、犯人は事前にドルトムント株に空売りを仕掛けており、その値下がり益を狙った犯行だったということです。前代未聞だ、と報道されていましたが、いったいどこが前代未聞なのでしょう・・。

もう一つ気になるのは、9.11とこのパリのテロ事件のシナリオの一部が似ているということです。9.11ではホワイトハウスへ突入する予定だった飛行機は途中で墜落、失敗に終わったとされています。パリのテロ事件でもサッカー観戦中のオランド大統領を狙ったスタジアムへの突入は失敗に終わったとされています。う~ん・・・?

 

 

アメリカは北朝鮮以上の怖い国だが・・

かなり纏まりがなくなりましたが、何が言いたかったかというと、アメリカは北朝鮮以上に、何をするか分からないとっても怖い国だ、ということです。そして、北朝鮮は当然それを知っている。

つい最近もシリアに向けアメリカが突然ミサイルを発射しましたが、その理由は「アサド政権が化学兵器を使った」という物でした。アメリカは断定したと言っていましたが、その証拠はありません。状況的にアサド政権が化学兵器を使うメリットはまったくないと私は思うのです。

織田信長を超えた「鳴かぬなら鳴いたことにしてしまえ戦略」とでもいうのでしょうか・・。

そんな無茶苦茶なアメリカに、金委員長が恐怖を感じ、気を使ってミサイルを自ら爆発するようになるもの理解が出来る、という気がしてこないでしょうか。

現在の彼らに出来ることはそう多くはなく、レッドラインをぎりぎりで超えないように慎重に探りながら、それでも屈したとは決して思われない程度の挑発を続ける戦略を取り続けるのではないでしょうか。

 

2017年9月6日追記

ここまで読んでいただいて恐縮ですが、金正恩さんがアメリカに攻撃されるような行動を起こすわけがないという理屈は今年の7月に破たんしたと考えております。7月からの北朝鮮と金委員長の言動はあまりにも過激すぎる。米国に怯えて当然のはずの彼らは、なぜこうも変貌したのでしょうか? 当ブログの最新の見解はこちら、必読です!

北朝鮮危機シナリオの行く着く先 ~北の核容認で日本は非核二原則?~