最近書いていない、マーケット関連記事でも久しぶりに更新しようかと思っていた矢先、国内の政治事情が再び不穏な動きとなってきました。飛ぶ鳥を落とす勢いの東京都知事、小池百合子氏が新たに希望の党を結成し、国政に進出してくる、というのです。

「いまなら勝てる!」そう踏んで、解散に踏み切った自民公明両党も大慌て、大敗を喫する可能性もあり、森友、加計問題で沈んだ安倍政権の命運はとうとう尽きるのか? というのが、一般的な見方でしょうか。

しかし、色々と違う角度で見てみると、どうも今回の選挙をそのような単純な構図で語ることは危険そうなのです。もし、仮に私の見立てがあっているのならば、今回の選挙は日本の歴史上、重要なターニングポイントとなる可能性が高いと考えられます。

 

安倍首相はなぜこのタイミングで解散に打って出たのか

まず、こちらを考えてみます。「森友、加計をごまかすための解散だ!」批判的な人はそう言います。しかし、こんな見方もあります。最近テレビでよくお見掛けする国際政治学者の三浦瑠璃さんです。

国際政治学者の三浦瑠麗氏「全ての道は憲法改正に続く解散」

改憲と反利権を掲げた希望の党は9条堅持にこだわらない無党派層を自民党から奪うはずだ。改憲の主役は9条だが、他の条項を検討すると訴えることで中道左派も切り崩すだろう

~ 産経ニュース ~

私はこれは正しいと思います。なぜそう思うのか? という部分に関しては、あまりに根拠が膨大すぎて書ききれません。初めて来られた方が、もしいらっしゃったら、当ブログを読んでください、ということになってしまいます。当ブログがこれまで伝えてきた内容は、この三浦さんの仮説を全く矛盾なく受け入れることになるのです。

一言で言うなら、やはり今回は憲法改正のための解散だからじゃないでしょうか。

 

希望の党は第二自民?

テレビニュースでは、「自公 VS 希望の党」という構図で伝えられており、そのように思っている方も多いようですが、物事はきっとそんなに単純ではありません。

離党議員が次々合流 現実味帯びる小池新党は“第2自民”か

国政レベルでも、民進党からの離党者が続出し、小池新党になだれを打つ可能性がある。ただ、自民党に対抗できるしっかりした野党ができるかどうかは別問題です。“第2自民党”では意味がありません

~ 日刊ゲンダイ ~

この記事は6月25日の物です。結果、当たっていますね。だから、信ぴょう性があると言えます。

リベラル票はどこへ 選挙難民状態

大きな変革は望まないけれど安倍政権に違和感があって、さらに改憲の動きにうさん臭さを感じている人たちは一体どこに投票すればよいのか

~ 毎日新聞 ~

で、更に結果、こうなりました。改憲に反対の人たちの票の行き場がなくなった、ということですね。そして、三浦さんの見解に戻ります。

今夏の都議選以降、公明党は改憲に及び腰なため、改憲を眼目とした時限的大連立があるかもしれない

改憲に及び腰の公明党を押しのけ、自民党と希望の党の連立があるかもしれないというのです。小池新党の目的とはずばり、自民党(改憲勢力)の後方支援じゃないでしょうか。小池百合子が安倍晋三にとって代わるということではないと思います。

菅官房長官が、「小池氏が(衆院選に)出てくるのではないか」と言っていたようですが、私としては、彼女はあくまで裏から支援するイメージで、小泉郵政解散の時と同じ役柄、つまり「刺客」です。一番邪魔な民進党もすでに破壊済みです。う~ん、見事な工作力です(笑)。

 

小池百合子が人気者ってほんとう?

そんな大胆不敵な行動に出る小池百合子さんの原動力になっているのが、その絶大な人気ぶりです。都民ファーストの会が東京都議選で圧勝したのは、記憶に新しいところですね。さぞかし、ネット上でも好意的な意見が多いのかと思いきや、あら不思議、ヤフーコメント欄などを見ていても、批判的な物ばかりで、「小池百合子がいい」という意見を全く見かけません。

私の感覚だと、民進党レベルです。

ネットは特別な社会、じゃあリアルではどうかというと、私の周りには彼女をいいと言う人は一人もいません。知り合いの高齢者も、「小池が嫌いだ」、と聞いてもいないのに、話してくるくらいです。とんだ、カリスマ性です・・。

はて? 彼女の支持者というのは、いったいどこにいると言うのでしょうね。あれだけの旋風を巻き起こすからには、肌で感じられるくらいの波があるはずなのですが、全くその空気を感じられないというのはどういう訳なのでしょうか。というわけで、安室奈美恵さんが人気者だと言うのは私にもわかりますが、小池百合子さんが人気者だと言うのは、到底理解が出来ません。

世間を大いに騒がせた「森友・加計学園問題」。当ブログではこちらをある仮説を元に、終わった話、と切り捨てていますが、こんなところに続きがあったのか、と勝手に妄想しています。

変な話かもしれませんが、小池百合子が人気者だと言うのは、嘘ではないでしょうか。この手のことが巧妙な点は、森友、加計で、実際に安倍政権の支持率が致命的なところまで下がった、と言うよりも、”下がったと思わされている”、というところにあるのではないでしょうか。

「自分はそこまで思わないけど、世間は安倍政権に相当批判的になんだろうな」

「自分は小池百合子が嫌いだけど、世間は好きなんだな」

そう思っている人は、実際かなり多いと思うのですが、私は、そんな世間はそもそも存在しないのではないか、と疑っているのですね。「いやいや、それはないでしょう!」という声が聞こえてきそうですが、実際、これを作るのは非常に簡単です。

マスコミがそう言えばいいだけだからです。私には「安倍政権の支持率が致命的な水準まで下がった」というニュースと、「小池百合子が人気者だ」というニュースは、とても信じられないのです。私が普段社会に接している肌感覚と、あまりにギャップが多きすぎるのです。皆さんはどうでしょうか?

まあ、確かに都民ファーストは実績として、圧勝しましたけれども・・。

まとめ 偶然はそんなに起こらない

話が反れましたが、最後にまとめますと、今回の選挙結果、そしてその先は、三浦さんの見立て通りになるだろうと言うことです。それはほとんど出来レースみたいなものだ、とまで言っては言いすぎでしょうか。

しかし、そもそも、なぜ、このタイミングで憲法改正に進む大きな動きが起きてきているのでしょうか。安倍首相の悲願だから? 北朝鮮と戦争する準備? いえ、きっと、どちらも違います。それは、アメリカとともに中国と戦うためですね。

なんで中国? なんでアメリカ?

安保法制は当時、対中国戦略と誰もが言っていましたが、今は北朝鮮に気を取られすぎて、その真の目的をみんな忘れてしまったのですね。

日本国憲法は日本がアメリカに反乱を起こせないようにアメリカが書いたもの、これは紛いない事実でしょう。ですから、その修正もアメリカ主導になるのは、ごく当然の成り行きなのです。

トランプさんは、大統領選挙前から、私たちに語りかけていたではないですか。

「在日米軍を撤退させる」

その心は、「日本の皆さん、自分自身で自分の国を守る準備を進めてください」だったと読みます。

テレビニュースが伝えているような形で、国内問題としてのみ、今回の出来事を捉えても、全く本当のところは見えてこないと思います。最近一気に増えた不可解なニュースの解読には当ブログが必要不可欠、は言い過ぎかと思いますが、少なくとも、改憲反対派の投票先が無くなっちゃうなんて出鱈目が偶然にも起こるなんて、10万分の1の確率であって、相当大きな力が働かない限り、あり得ないことだ、ということは間違いなく断言できるでしょう。