非常にセンセーショナルなニュースが世間を騒がせておりますね。サウジアラビアの反体制ジャーナリストのカショギ氏がトルコ国内のサウジ総領事館で失踪、殺害された事件です。

で、この黒幕と目されているのが、ムハンマド皇太子。彼はこの事件で、当然ですが、世界中から大非難を浴び、その権威は失墜しました。

でも、ちょっと待てくださいね。この事件、なんか変ではないですか? ドイツのメルケル首相も、「奇怪な事件」とおっしゃいましたが、なぜ、皇太子は自滅するような愚かな事件をわざわざ起こしたのでしょうか?

悪だくみが失敗に終わり、跳ね返って大きな損失を被ることは、私にはよくあることですが、彼はサウジアラビア王朝の皇太子です。そんなへまを仕出かすとは、私には到底思えないのです。

そして、今回、もう一つの非常に重大な事実としてあるのが、皇太子と一蓮托生で、同時に大ダメージを食らった日本の大物経営者が存在すると言うことです。

それは日本人なら誰もが知っている大企業ソフトバンクの社長、孫正義さんです。今回のこの奇怪な事件、この辺りの関係を探ってみると、おぼろげながらその正体が見えてくる気がしているのですが・・

 

この事件の目的は?

「雑な暗殺」疑惑に騒然、サウジ皇太子の末路

事件のこれまでの展開で特徴的なのは、サウジが効果的に反論できず、改革派とも評されたムハンマド皇太子のイメージが再生不可能なほどに失墜したことだ。一方、総領事館という盗聴が一般的に行われているような場所で、しかも政治的に対立するトルコで白昼に暗殺団を堂々と送り込んで、ジャーナリストを殺害するという蛮行になぜ及んだのかという謎が残る

~ 東洋経済オンライン ~

そう、この記事に書いてある通り、これは暗殺を通り越して公開処刑状態となっていますね。まさに「謎が残る」状態になっています。そして、結果「ムハンマド皇太子のイメージが再生不可能なほどに失墜した」とあります。

ムハンマドさんの身になって考えてみましょう。彼が事件を起こした結果によるメリットは何でしょう。体制反対の記事を書く邪魔な記者を排除したこと、ですよね。

対するデメリットは何でしょう。彼の権威が失脚を心配しなければならないほど、失墜したことです。

ん? リスクとリターンが全くかみ合ってなくない? 私には、10万円で1,000円を買ったくらいの話に思えるのですが・・。

これらのことから、ずばり、今回の事件の目的が、「ムハンマド皇太子のイメージを失墜させること」にあった可能性は、結果から考えれば、そんなに否定しづらい話とはならないでしょう。

 

もう一つの大きな結果

そして、この事件の脇で、もう一つの大きな結果が生まれていました。

事件への関与が疑われているムハンマド皇太子がFIIを主導していることから、急きょ、CNNやNYタイムズが協賛を取りやめたほか、米国の大手メディア「バイアコム」、配車サービス「ウーバー・テクノロジーズ」などの大手企業が続々と不参加を表明しているのだが、そのFII諮問委員会の委員を務めるのがソフトバンクの孫正義社長なのだ。

ソフトバンクは昨年5月、サウジの政府系ファンドと共同で運用額10兆円規模の「ソフトバンクビジョンファンド」(SVF)を設立。以来、サウジとは蜜月の関係を築いてきた。今月6日には、サウジ政府がさらに約5兆円を追加出資するという景気のいい話も報じられたが、カショギ氏の事件で状況は一変した

~ 日刊ゲンダイ ~

皇太子と家族の孫正義

さらにこちらの記事をお読みいただきたいです。

孫氏とサウジ皇太子の蜜月、巨大ファンドに落ちる影

トリプル・エー・パートナーズ・ジャパン(東京)のフランク・パッカード社長は、ファンドに投資家を招き入れることは、その人を家族に加えるようなものだと指摘。相当な注意が必要になると話す

~ ダイヤモンド・オンライン ~

ソフトバンクの孫正義さんは、皇太子を家族に招き入れた、のですね。で、そのソフトバンク・ビジョン・ファンドって何?ってことで、調べて見ると・・

「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」は何がすごいのか

ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資した米国ベンチャー「OneWeb(ワンウェブ)」が行なっているのは、人工衛星から電波を飛ばすことで世界中にネット回線を届けるビジネスです。携帯電話や光ファイバーを引くのは大変だから、衛星を通じたネット接続が主流になるのは確実

~ Fobus japan ~

孫さんのやっていることはやっぱりすごいなあ、そう思われる方も多いかもしれません。しかし・・私はこう思いました、これはすごいを通り越してヤバいな、と・・。

なぜかと言いますと、ここはアメリカと中国が30年後の覇権をかけ争う、ど真ん中の領域だからです。

米中覇権戦争の領域に進出するソフトバンク

孫正義さんは、唯一無二の経営者として世界から尊敬を集める人物ですが、先程も書いた通り、彼は危険な領域にすでに足を踏み入れていると言わざるを得ません。ソフトバンクは米中覇権争いの中核分野にことごとく進出しており、いつどのような圧力、いや制裁が、かからないとも分からないからです。

こちらをご覧ください。

トヨタとソフトバンク提携のウラに、じつは「米中貿易戦争」の影

孫氏は馬氏と非常に近いだけに限らず、米国が目の敵にする中国のハイテク企業、華為の経営者らとも通じている。その孫氏が率いるソフトバンクと組んだことで、トヨタは米国から警戒される可能性もあるのだ

~ 現代ビジネス ~

筆者の方は、トヨタが米国から警戒される、と書いていますが、私にはソフトバンクの方が相当まずい様に見受けられますが、いかがでしょうか?

例えば、華為(ファーウェイ)はアメリカから、中国人民解放軍との繋がりを疑われている企業です。

孫さんと中国に怪しい繋がりがあるか、なんて全く分かりませんが、そんなおかしなことを考えなくても、アメリカが30年後の世界の覇権を握る領域を日本の企業に安々と明け渡すとは到底思えません。

ソフトバンク、孫正義さんが今の方針を貫く限り、アメリカから潰されるリスクは結構高いということは間違いなく言えるのです。もしそうなった場合、彼らはどんな手でも使ってきます。アメリカとはそういう国なのです。

以上を纏めますと題名に書いたことは、決して冗談とも言えない話、と言うことになるのです。

ですから、「孫さん悪いこと言わないからやめときなよ」と言うのが、私から世界的経営者へのアドバイスです(笑)。

 

2018年10月27日追記

さて、この記事を書いてから4日後、こんな面白い記事を見つけました。

孫正義も大ヤケドの可能性…カショギ氏殺害にちらつく「影」の正体

あるいは特別室の中に、電磁的遮蔽をかいくぐれるような何らかの装置が仕掛けられていた可能性も考えられます。

しかし、そういった能力はトルコの秘密警察にはないはずです。これが可能なのはアメリカのNSA(国家安全保障局)とCIA(中央情報局)、そしてイスラエルのモサドだけだと私は見ています。

~ 現代ビジネス ~

語っているのは、著名な佐藤優さん。推理の落としどころは違うものの、私の見解を裏付けるような情報ですね、これは。

裏で関与したのはCIA、これは実にありそうです。ただ、私的には佐藤さんの「トランプに反乱を起こす形」でと言う部分には疑問です。

CIAは単なる国家組織です。大統領に逆らって、こんな大それたことを仕出かすことが出来るとは思えません。国家公務員にそんな責任を取れる奴なんていないでしょう。どこの国も一緒、国家公務員はいつも誰かの命令に従うだけです。

じゃあ、大統領以外に誰がこの事件の責任者足り得るのか。それは引用した部分にはっきりと書かれています。彼らは佐藤さんの言う理由では、動かないでしょう。

トランプさんは、あくまで親イスラエルだからです。ですから、「トランプに逆らって」と言う説は違うのでは? と私は思うのですが、いかがでしょうか。