4月27日、南北首脳会談が行われ、歴史的な一日になったと大手メディアは囃し立てました。つい一年前には金正恩さんは、ミサイルの発射を繰り返し、異常な緊張状態を作り出していましたから、こんな風に友好的な関係が訪れるなんて、誰も思っておらず、好意的な見解がとても多いようです。そりゃあそうですね。戦争は誰だっていやですから、平和がいいに決まっています。

しかし、水を差すようですが、日本人は決して油断してはいけません。なぜなら、日本には、これから結構な確率である試練が訪れると考えられるからです。今の目の前に広がっている、「歴史的な瞬間」は、そのための一過程だと思えばいいでしょう。

 

日本は蚊帳の外?

そんな歓迎すべき歴史的な一日ですが、こんなニュースが出ていました。

「安倍政権は一切取り合うな」と平壌指示——北朝鮮問題で日本孤立浮き彫り

北朝鮮との日朝首脳会談の可能性を打診した安倍政権に対し、北朝鮮当局が「一切取り合うな」との指示を出していたことが明らかになった

~ BUSINESS INSIDER JAPAN ~

どうでしょうか。金正恩さんは最近、アメリカ以外にも、中国やロシアにも気を使う素振りを見せています。しかし、日本にだけは一向に冷たいままです。

以前、私はブログでこう断言しました。「金正恩さんは日本には決して微笑みません」と。なぜ、そんなことが言え、その通りになるのか。実際にそれは非常に奇妙な事実なのですが、それをこれから説明していきたいと思います。

 

北朝鮮が日本を取り合わない理由

その理由はこの記事を読むと全てわかります。

誰が首相になっても、総選挙後に必ず起こる「2つの重大な出来事」

では、具体的に、これから何が起こるのか。選挙後に誕生する巨大な保守連合の、新たな目標として設定されているのは、まちがいなく、

① 全自衛隊基地の米軍使用
② 核兵器の陸上配備

の2つである。いずれも以前からアメリカの軍産複合体のシンクタンクで、集団的自衛権とともに日本の課題とされてきたテーマだからだ

~ 現代ビジネス ~

これがその本当のワケです。「え?」いきなりは繋がりませんよね。さらに見ていきましょう。

そしてここからが、もっとも重要な問題だ。戦後日本の「国体」ともいえる「朝鮮戦争レジーム」は、いま最終局面を迎えている。このまま半永久的に続いてしまうのか。それとも解消へと向かうのか。実はこれまで、絶対に揺るがないように見えていたその体制が、終わりを告げる可能性が出てきているのだ

矢部さんのこちらの記事は、昨年10月の記事ですが、その時はまだ誰しも予想しえなかった「朝鮮戦争レジームの終焉」を予測されていますね。

ここが問題の本質なのだが、北朝鮮対策という名目で沖縄に核が配備されたとき、それは自動的に、中国との間で核を撃ち合いかねない「恐怖の均衡」を成立させてしまうのである

ここが核心ですが、もう分かりましたか? 金正恩さんが微笑まない本当の理由は、ズバリこれです。対中国対策として沖縄に核を配備するため、です。

 

北朝鮮は既に米国の傀儡政権だった!?

ん、どういうこと? ちょっと戸惑いを覚えた方もいるかもしれません。北朝鮮がなんで、日本の核配備に協力するの? それはこういうことです。北朝鮮は既に米国の傀儡政権であって、米国の意志の下で動いていると考えられる。当ブログでは少なくとも、昨年7月の時点で実質、米国の影響下にあったと見ています。

転機はICBMと見られるミサイル発射があったその時です。信じられないですか? まあ、信じられないですよね。では、当ブログからそんな方に少々突っ込みを入れさせていただきましょう。

金正恩さんてどんな人物でしょう? 最近の見解では、緻密な戦略家である、という評価なようですね。つい最近のNHKスペシャルでも、「金正恩の深遠な戦略に世界が巻き込まれていく」、なんてやってました。でも、昨年の7月には、「金正恩は狂人だ」と皆さん言っていました。この考えは間違っていた、と言うことなんでしょうかね。それも金さんの戦略のうちで、みんなはすっかり騙されたと。

でも、この考えは私はあり得ないと思います。なぜなら、あのICBMの発射で彼はアメリカのレッドラインを明らかに超えたからです。つまり、彼はアメリカに攻撃を仕掛けられ、滅ぼされても文句を言えないことを仕出かしたのです。

これを戦略と言う形で成立させるには、「アメリカは絶対に反撃してこない」と事前に承知していなければなりません。これがこの行動を正当化できる唯一のロジックです。通常では正当化できない行いを彼は冒した、だから、狂人だと言われたのです。

今更、緻密な戦略家だったと言う風に転換しても、ICBM級ミサイルを発射した事実は消せません。これは完ぺきな矛盾です。これを解消しない限り、決して答えは見えてこないのです。NHKにしろ、金さんを戦略家だと分析する前に、まずこの矛盾を解消して見せろと言いたいですね。彼らは、それをなかったことにしているだけです。

当ブログ以外の方法で解消できた方は、教えてほしいと思います。

韓国人に何万人も死人が出るため、アメリカは攻撃できない、よくそう言われます。しかし、私に言わせれば、必要があれば、韓国人が何人死のうがアメリカは攻撃するでしょう。米国はそういう国だと思いますけどね。だって、いざとなったら、自国のビルに飛行機を突っ込ませ・・あ、いや、失礼・・。

米国が北朝鮮を攻撃しなかったのは、その理由がなかったからで、それ以上でもそれ以下でもありません。

 

朝鮮半島問題は米国による対中国軍事戦略

だと、当ブログは決定づけています。こんな話、顔も名前も分からん奴に力説されても、とても信じられない! 確かにそれもそうでしょう。では、最後にこんな記事をご紹介しましょう。こちらを読めば私の言っていることが、決して荒唐無稽な出鱈目ではないことが分かっていただけるでしょう。

次は北朝鮮に触手?米国、中国包囲づくりへ全力

最近、東京で開かれたあるアジアに関する研究会で、こうしたミャンマーと北朝鮮の類似を念頭に「北朝鮮も“突然の変身作戦”に出る可能性はないのか」との意見がミャンマー専門家から開陳された。

ミャンマーの“変身”がトップの交代をきっかけとしていることから、故・金正日総書記から三男の金正恩最高司令官に世代交代した北朝鮮も路線を変えやすいはず

中国封じ込めのために、米国と北朝鮮が近づく

こちらは2012年の記事ですが、当ブログが昨年から散々書いてきた関連の記事の見方とそっくりです。さあ、どうでしょう。ネット上の陰謀論が大嫌いな方も、さすがに当ブログの見解、馬鹿に出来なくなってきたのではないですか?

そして、出だしに書いた「日本に訪れる試練」とは、中国封じ込めのための、沖縄への核配備、ここへ向かうためのプロセス上の出来事です。その目星はあれ、と思っているのですが、それはまた別の機会にでも・・。

私たち日本人は、北朝鮮への興味はほどほどにし、そろそろ米中対立の深刻さに気づくべき時が来ているのです。