フランス大統領選は新EUのマクロンさんの勝利が確定し、日経平均株価は20,000円を伺う展開になっています。当ブログでは、桜が咲くころにはドル円120円、225は21,000円などと予想してきました。桜は日本で最も開花が遅そうな釧路でも満開っぽいので、この予想はさすがに厳しくなってきたと言えそうです(笑)。
とは言え、この予想はきっと遅れているだけではないか、と思っています。なぜかというと、日経平均株価は10円もの円高局面を受けても、決して暴落しなかったからです。
フランス大統領選の通過が転機に
フランス大統領選の直前まで日経平均株価は非常に弱弱しい動きを続けていましたが、投資家主体別売買動向を見るとその理由が分かる気がします。4月に入ってからというもの、外国人投資家は現物株を一貫して買い越していますが、先物が大幅に売り越しになっています。これはフランス大統領選への大規模なリスクヘッジが、日本市場で行われた可能性を示すものではないでしょうか。
アメリカを中心に世界の株式市場は下がる機能を失っているような状態で、リスクにさらされても非常に下がりにくい状態になっていますから、まだ円高になりさえすれば、下落余地がある日本株がヘッジ対象になるのも頷けます。
マクロン勝利後の日経平均株価は、ドル円が対して上昇しない中、450円高しました。これもヘッジの買い戻しを物語るものと言えるでしょう。ですから、日本相場はフランスの大統領選挙の通過で明らかに変わったのです。
トランプのFBI問題は気にする必要があるのか
さて、最近ニュースを賑わしているこちらですが、私は特に気にする必要はないと思います。なぜなら、昨今の株価上昇は、トランプ期待相場だと解説されてきましたが、私はそうではないと思うからです。
オバマケアの代替法案の撤回からトランプ期待が剝げ落ちたとされ、調整局面に入りましたが、結局500ドル程度しか下げませんでした。その後に出てきた税制改革も紙ぺら一枚だったと伝わっております。こんな状態で今更トランプ期待相場をやっている投資家なんているのでしょうか。
しかし、それでもS&Pは再び史上最高値ですし、ダウも史上最高を再び伺う位置にいます。そもそもトランプ期待相場ではなかった、としてしまえば、この状況を説明する話は簡単だと私は思うのですが、どうでしょうか。
米国の経済政策が進まないとダウは暴落?
昨今のトランプ政権の情勢を見ていると、その他の経済政策も進まないと考えた方がいいでしょう。だとすると、高すぎるダウは暴落へ向かうのか? それも大丈夫ではないかと思っています。
世界最高のアナリスト、FRBのジャネット・イエレンさんはこう言っています。
「(トランプの政策は)今のアメリカの経済状態では必要ない」
彼女はこれをFOMCの場で言いました。私はこれには度肝を抜かれました。今のぼろぼろのトランプさん相手ならまだ分かりますが、彼女はトランプが選挙で選ばれた後くらいのタイミングでこれを言い放ちました。
つまりは、アメリカ国民が選んだ大統領の目玉選挙公約をFOMCという超公の場で完全否定した。普通に考えると、「どんだけえらそうなんだよ」という話なんですが、イエレンさんの場合はそうならない。彼女の発言は強烈な説得力を持っています。「この人がそういうなら、そうなのだろう」、そう思った投資家は私だけでは決してないはずです。
ですから、イエレンさんの教えを素直に捉えるならば、トランプの経済政策が頓挫したとしても、経済が失速し、株価が大きく下がることはない、ということになります。なぜなら、そもそもそれは必要のないものだからです。
当ブログは昨年の6月から、アメリカ株はさらなる暴騰を続けると予想しておりましたが、そう書いたのは当ブログだけで、それを教えたのはFRB、イエレンさんだというのは超有名なお話なのです(笑)。
また、「政府が何もしないのが、一番の経済政策だ」なんて言葉もあるみたいです。
必要性のかけらもない経済政策を反対を押し切ってやろうとするなんて、トランプさんは馬鹿なの? なんてことになりそうですが、これがそういうわけでもない。
なぜなら、トランプのそれは経済政策という名を借りた軍事戦略だからです。まあ、それもあまりうまくいっているようには見えないのですが・・。
下がらないのだから、上がるしかない
以前の記事の中で、過去の相場ではドル円が10円レベルで円高になれば、日経平均株価は3,000円から~4,000円下がるのが普通だった、とお伝えしました。今回の調整局面で、ドル円は年初の高値、118円から108円まで10円程度円高に触れましたが、日経平均株価で下がったのは、1,500円弱程度でした。
多くの人は18,000円割れを予想し、それを待っていた個人投資家も多かったようですが、結局そこは訪れませんでした。ちなみに当ブログの下値予想は18,500円で、実際の安値は18,200円くらいでした。
ここから言えること、注目すべき単純なことは、去年までとは全然違う相場だということです。どこがどう違うのかというと、とにかく下がらないのです。この理由を日銀のETF買いに求める解説が多いのですが、そんなものは端から存在しない世界の市場はもっと強いという事実も捉えておくべきでしょう。
日経平均株価もNY株と同じように、暴落リスクより暴騰リスクが高いと書いてきました。4月に訪れた本来、「暴落になるべき相場」はそうなり切れずに終了した形です。暴騰場面はまだ訪れていません。しかし、株価は下がれないのだから、上がるしかないと考えるのは普通ではないでしょうか。それがこれから訪れれると考えるのは、そんなに不自然ではないでしょう。
実際、ドル円は直近高値の118円からまだ4円強も円高なのに、日経平均はすでに高値を抜いて、2万円に近付いてきています。株価はどんどん強くなっているのです。
マネー・スクエアジャパンの吉田恒さんは、ドル円の4月中のトレンド転換を見事に当ててくれました。その吉田さんは、米金利との相関関係から、今後ドル円は6月に向かって115円から118円へ向かう可能性が高そうと解説されています。
ですから、我々はそれを信じて、他のことはさして気にせず、ただ静かに待てばいいということではないでしょうか。そして、この先ドルは短期的に行き過ぎて120円、、トランプさんが余計なことをしなければ、日経平均株価は22,000円という世界が6~7月には訪れていても決して不思議ではない、ということになるのではないでしょうか。