昨今、あまりにも多くの奇妙な出来事が私たちを襲っており、私も分析が追い付かない状態になっています。なんと言っても、重要な国内政治について全くスルーしてしまっておりました。これではいかんと、情報を精査して、こちらの記事を書きました。

結論から申し上げますと、安倍政権の命運は今度こそ本当に尽きるかもしれません。

カネ配り暴露工作

自民党総裁の外交特別補佐も務めた河井克行前法相の逮捕は、支持率が過去最低水準まで沈んだ安倍晋三首相にとって壊滅的な打撃となりかねない。来年9月に迎える党総裁任期前の退陣へと扉を開く可能性もある。

アングル:強まる安倍首相の退陣観測、河井前法相逮捕がさらに逆風 ロイター

河井夫妻が、公職選挙法違反で東京地検に逮捕されましたが、これは毎度おなじみの米国の諜報機関による工作と見ていいでしょう。こちらを読む人でそんなことはない、と考える人はいないと思いますが、東京や大阪地検が動いてきたら、まずそれと疑えばいいと思います。政治の基礎知識みたいなものです。

「オレが実際に運んだカネで、額が一番多かったのは1億円、田中内閣を作る時のことだった。オヤジに言われて5000万円を入れた紙袋を2つ、ある陣営の領袖の事務所に『陣中見舞い』っていう名目で、両手にぶら下げて持ってった。あれは結構、重たいもんだよ」

 と振り返るのは、かつて“田中派七奉行”の1人に数えられた渡部恒三元衆議院副議長(87)だ。

「それで、相手の事務所に着いたら、“田中からです”と言って渡したんだ。まあ、向こうも心得たもので、“はい、どうも”で終わり。こういう時はムダ話はしないもんなんだ」

(中略)

カネを配ったことを暴露されてしまった河井夫妻と角栄。その差はどこにあるのか。政治評論家の小林吉弥氏は、こう指摘する。

「政界では、“角さんのカネは負担にならない”と評判でした。とにかく角さんは口が堅く、札束を渡した相手については一度も口外することがなかったから。カネのやりとりは当事者双方が黙っている限り、外に漏れることはありません。国会議員はことさらに評判や外聞を気にする人気商売。角さんは、そういう議員の心理を熟知していたのです」

ロッキード事件で司直の手に落ちた角栄。目下、司直の手が伸びる河井夫妻。札束の配り方にも良し悪しがあることを教えてくれるようだ。

河井克行・案里夫妻も必読 「田中角栄が教える正しい札束の配り方」 デイリー新潮

政治の現実はこれであって、今更なにをってのが、本当の話のようですね。もらっておいて暴露するような正義感に溢れた正直者が、今回に限ってはいたということなのでしょう。

この話を世間と一緒になって、正義感でもって「河井夫妻はなんて悪い奴なんだ!」と考えていては、そこで話は終わり、奥に進むことは出来ません。

この事件の捉えるべき本質は、政治家なら誰もがやっている悪いことで、安倍政権が重用していた河井夫妻が、このタイミングで東京地検特捜部に逮捕されたということなのです。

過去の二度より深刻

日本の憲政史上で在任期間最長となった安倍首相は、これまで支持率が落ちても立ち直ってきたが、今や身内の支持を失いつつあるようだ。

アングル:強まる安倍首相の退陣観測、河井前法相逮捕がさらに逆風 ロイター

「支持率が落ちても立ち直ってきた」、安倍政権は今までに二度ほど、大ピンチ、支持率が致命的な20%台と言う場面を経験しています。1度目は、第一次森友学園問題の時で稲田大臣の辞任直前、2度目は第二次森友学園問題で、2018年の日米首脳会談の前日です。

何度か書いていますが、私はFacebookページにおいて、この2度とも支持率の底打ちを当てているんですね。他には言っていないので、百発百中なのです。

つまり、この支持率はフェイクであることが私によって証明されてしまったのです。偶然二度当たるなんてことがあり得ないのは、言うまでもありません。

メディアを使った扇動の目的は、一度目は「稲田大臣の辞任」であり、二度目は日米首脳会談において、「何らかの要求を飲ませること」にあったことは、過去にお伝えした通りです。

ですから、彼らの目的達成後に支持率は急回復しましたね。今回も目的達成による安倍政権の復活があり得るかもしれませんが、彼らの目的とは今度は何でしょうか。

さらに記事は、日本は米国の同盟国である一方で、世界の経済や政治における中国の影響力は極めて大きく、「米国の手先となって中国を牽制することは、日本の国益に反するようになっている」と主張。日本は日米関係と日中関係の調整を行っていて、その一環がイージス・アショア配備プロセスの停止なのではないかと考察し、「日本は米中との快適な距離感を探しているのではないか」と主張した。

日本がイージス・アショア配備を停止したのは「米中との快適な距離感を探すためか」=中国報道 サーチナ

日本政府は不可解とも取れるタイミングで、イージス・アショアの配備を中止しましたね。これは、中国に気を使ったためではないか、と言う見方があるようです。そもそも、イージス・アショアはミサイル迎撃が目的とされていますが、実際は「攻撃用」であるそうです。

「イージス・アショア」は、中国、北朝鮮、ロシアから見れば、立派な「攻撃用ミサイル」なのだ。

イージス・アショアに「無力化」の可能性。中国が新開発したミサイル「東風17」の実力 BUSINESS INSIDER

だからこそ安倍政権はそれを中止し、米国の怒りを買ったのではないでしょうか。

今回の彼らの目的とは、日本の米国と中国の間のバランス戦略の放棄にあるのではないかと見ています。トランプ政権からすると俺の言うことだけを聞け、という訳です。だとすると安倍政権の性質上、今回は米国の要請に応えることのは、難しいのではないか?と考えられます。

安倍晋三の本質

記事に纏めていますが、安倍晋三の本質は、世間では全く理解されていないのですが、真の保守である可能性が非常に高いのです。

安倍政権に対しては、ほとんどの人が単なる対米従属政権だと思っていると思います。確かにそれは間違ってはいないのです。彼らは実際に米国のために仕事をし、一部に於いては国を売っています。

国際政治を少々かじった人は、そのことを安倍政権批判の最大の理由に据えるでしょう。しかし、ちょっと待ってください。そんな人には、過去の事例を見て、米国と戦いながら、日本の国益だけを考えながら、日本の首相を続けていけると本気で思っているのですか?と私は問いたいです。

そんな期待を今の日本の総理にする時点で、考えが甘すぎるのではないでしょうか。もし、それを求めるならば、日本国民全員が米国と戦い、首相を守るくらいの気概を持たなければいけません。

私に言わせれば、何の抵抗もせず、ただ不条理な支配を甘んじて受けいれているのは国民の方です。少なくとも、私たちは首相が米国に魂まで売った男なのかどうかを見極める必要があります。私は、安倍晋三は売っていないと信じたのですが、度々攻撃されていること自体がその証拠とも言えるのではないでしょうか。

田中角栄がやられた理由

しかし、キッシンジャー初登庁の日に角栄とメスメルがかわした握手は、日本とフランスで歩調を合わせ米国に対抗軸を打ち出すことを意味した。大西洋を挟んだワシントンの向こう岸で、米一極支配のエネルギー供給体制を突き崩す日本とフランスの構想が動きだしたのだった。

このあと、次第に対立していく角栄とキッシンジャーの関係を考えれば、実に暗示的だった。

ただ、すでにこの時点でキッシンジャーの角栄に対する感情はかなりこじれていた。

「米の虎の尾を踏んだ」(田中角栄のふろしき)
小長秘書官の証言(14) 田中角栄

皆さまは稀代の敏腕政治家、田中角栄氏が、ロッキード事件で失脚させられた上に殺された(一応?を付けますが)ことはご存知でしょう。その原因はここにありました。

そして、最大の直接的要因と言われているのが、こちらです。

伏線は72年8月31日。この日、ニクソンの大統領補佐官を務めていたキッシンジャーは、首相になったばかりの角栄と米大統領ニクソンとのハワイ会談に同席する。そして日本が中国と国交正常化を目指し準備を進めていることを知らされるのだった。

「最悪だ」。ほんの7カ月前までニクソンの電撃訪中を演出、得意の絶頂にあったキッシンジャーだ。その上を行く角栄の素早い動きに中国外交の主導権を奪われ、不満を漏らした。

確かにキッシンジャーが不満を持つのも分からないではない。角栄の日中国交正常化は米国を完全に逆撫(な)でした。

キッシンジャーは、「ジャップは最悪の裏切者!」と激怒していたことが、その後の公文書で明らかになっています。

どうでしょうかね。今の安倍政権の置かれている状況に、かなり似ているでしょう。ロッキード事件も東京地検特捜部が、実行部隊になっています。彼らは売国機関です。こんな組織の正しさを信じる時点で、どうかしていると言えるでしょう。

米国オンリーは自殺行為

しかし、ニセ保守、国際政治かじりは、きっとこうおっしゃるはずです。さっさと中国など捨てて米国に付けばいいと。しかし、これは相当危険な甘ったれた考えであると断言します。

角栄氏と安倍首相がなぜ、中国とのバランス外交を展開しようとしたのか、しているのか、その理由は単に経済的な理由からではないはずです。国家安全保障にとって、米国オンリーになることが非常に危険であることを熟知していたからでしょう。

今回の米中の争いにおけるアメリカの戦略を見ていると、自分たちはさっさと尻尾を撒いて逃げ、アジアの中で戦わせようと言う魂胆が丸見えです。

—まず、金。その次の理由は何が来ますか?
撤退する二つ目の理由が、スタンドオフです。
—なんですか、それは?
敵の先制攻撃圏外にいることです。
米軍は、中国から先制攻撃された時に、被害を最小限に食い止めるために日本から離れ、十分で安全なスタンドオフ距離を保つ必要性があります。

元米陸軍情報将校が明かす「アメリカ軍が日本から撤退する理由」 現代ビジネス

もっと言いますと、米国の主とは国際銀行家であり、彼らはアジア人の命などなんとも思っていない、人種差別主義の偏執狂者です。おまけに死にぞこないのよぼよぼのじいさん、ばあさんばかりな上、卑怯な臆病者でリーダーとしての資質など、鼻から持ち合わせていません。

そんな連中に隷属することが、私たちの幸せにつながるはずがないどころか、自殺行為であることは、馬鹿でも分かります。

つまり、田中角栄と安倍政権のバランス外交は、戦略として完全に正しいのです。正しいがゆえに、彼らは攻撃されたのです。

日本の政治家が、米国の意向に逆らった活動を行うことは、文字通り死の危険が伴います。彼らは、やろうと思えば日本の首相など簡単に殺せるのです。我々は、まずその現実をしっかりと認識すべきでしょう。

本当は、日本の正しい戦略を貫くリーダー、日本の正しい道を守れるのは、国民だけなのです。

今は安倍政権始まって以来の本当の危機であり、それを乗り越えられるかの瀬戸際にあります。そして、それは日本の運命を決定づける重大局面と言えるかもしれません。

しかし、情勢はとても厳しいです。なぜなら、日本国民は眠ったままだからです。起こしてくれそうな人も見当たりませんしね・・。

私は今回の記事の観測は外れてほしいと思っていますが、もし、本当にそうなってしまったとしたら、安倍首相にはこう言葉をかけたいと思います。

「あなたはよく戦ってくれました。感謝しています」と。