気候変動について調べていると、こんな記事がありました。

日射量と二酸化炭素濃度の関係から氷期の開始時期を予測する計算式が導かれ、完新世の地球が新たな氷期への突入を辛うじて逃れていることが裏付けられた。このままいくと、今後 5万年間は氷期に入りそうもないという。

地球は「大凍結」を辛うじて逃れている nature ダイジェスト

こちらの記事によれば、人類を「大凍結」から救ったのは、農業だと言うのです。

農業が人類を救った?

古気候学で盛んに議論されていることの1つに、「大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は果たして、18世紀の産業革命以前に、すでに人間活動に伴って大きく変化していたのだろうか?」というものがある。南極の氷床コアの分析から、産業革命前の大気中CO2濃度は約280ppmであったことが分かっているが、もし農業が行われていなければ、その濃度は240ppm程度であったとする推定結果もある1。今回、気候変動ポツダム研究所(ドイツ)のAndrey Ganopolskiら2は、氷期の開始時期における日射量とCO2濃度の関係性を見いだし、これを用いたモデリング研究から、「CO2濃度が240ppmのままだったとすれば、地球は今頃氷期に入りつつあるはず」であり、「280ppmという産業革命前のCO2濃度でも、氷期は始まり得なかった」との結論を導き出して、Nature 2016年1月14日号200ページに報告した。

これがあっているとすれば、とりあえず、当ブログが最近ぶち上げた「文明」は、人類を氷河期の絶滅から救うために創られたと言う説を肯定する話となりますね。で、文明を創ったのは、きっと我々ではなく「父親」に当たる彼らです。

また、 ホモ・エレクトゥスは大海原への航海術(カヌーを漕ぐこと)を身につけていた可能性もある。 これは想像以上に人間的な衝動だ。これまで見てきたように、ホモ・エレクトゥスは火を手なづけて使うことを覚えた最初のホモ属なのだ。

『超圧縮 地球生物全史』 ヘンリー・ジー

ホモ・エレクトゥスは、今なお、どこかで「子供たち」を監視しづけているのかもしれません。

彼らは、子孫である現生人類がこの地に到達するのを目撃するまで、長く生き延びていたかもしれない。だが、もし両者が出会ったとしても、現生人類にとっては、オランウータンやその巨大ないとこのギガントピテクスなど、この地域に生息するいくつかの猿の一種、つまり、謎めいた大きな森林性の猿にしか見えず、交流することはなかっただろう。

どうでしょう。彼らは、今もインドネシアの森で生きている、という私の作り話も、そんなに突飛なものではないような気もしてきませんかね? だって、「謎めいた大きな森林性の猿」がもう存在しないって、どうやってわかるんですか?

最も心を揺さぶられたのは、オランウータンがカメラをじっと見つめ返した瞬間だった。我々人間に向かって、無言のメッセージを発しているようだった。 ナショナルジオグラフィック

前氷河期のその時

さて、話は少し飛びます。前回の氷河期、我々はいったい、どう対処したのでしょうか?

この新種にとって、アフリカの中心地での状況も決してよくはなかった。実際、氷河時代が進むにつれ、状況は悪化の一途をたどっていた。ホモ・サピエンスの集団は、もともとあまり多くなかったが、ある場所では死に絶え、別の場所ではほかの種類のホモ属と交配し、これらの交配種も消滅してしまった。ついに、ホモ・サピエンスがザンベジ川の北側でほとんど姿を消す時が来た。ホモ・サピエンスは、現在のカラハリ砂漠の北西端、オカバンゴ・デルタのすぐ東にあるオアシスに追い詰められてしまった。

氷河時代の初期、この地域は緑豊かな場所だった。この地域には、最大でスイスと同じ大きさのマカディカディ湖という水源があった。アフリカの乾燥化が進むにつれ、湖は小さな湖や水路、湿地帯、森へと姿を変え、そこにはキリンやシマウマが生息するようになった。

ホモ・サピエンスの最後の生き残りは、約二〇万年前にマカディカディ湿地の池や葦原に避難していた。

貧弱な我々の祖先は、絶滅の危機に瀕しながらも、なんとか逃げ延び、最後のオアシスのような場所で、生き延びたようなのです。その後、気温が回復すると、今度はそのオアシスが枯れました。

マカディカディ湿地帯は、何万年ものあいだ、乾燥した砂漠と塩田という、人を寄せつけな い地形に囲まれたオアシスだった。ホモ・サピエンスがいったんそこに住みつくと、離れるのは容易なことではない。そして一三万年前、太陽は地球を以前より少しだけ明るく照らしはじ めた。偏心、軸の傾き、歳差運動といった天体の時計仕掛けによって、地球が何千年にもわたって経験してきた気候よりも温暖な時期が訪れた。

ヨーロッパは、大氷河に代わって、短期間だが、熱帯に近い気候になった。イギリスでは、 トラファルガー広場にライオンが、ケンブリッジにゾウが、現在のサンダーランド市にカバが 生息していた時代だ。イギリスと同様、アフリカでも気候が穏やかになった。ホモ・サピエン スの最新世代は、マカディカディの向こうの砂漠が草の海になっていることに気づいた。

彼らは獲物たちの後を追って移動しはじめた。やがてマカディカディは完全に干上がってしまった。

その結果、彼らはついに「禁断の地」に到達したのです。

ホモ・サピエンスの一団は、獲物たちを追って南下し、アフリカ大陸最南端の海岸に到達した。そして、タンパク質が豊富な海の幸の恵みにより、全く新しい生活様式を確立した。噛み切ることができないほど硬い根菜類、食べたら死ぬかもしれない果物、警戒心の強い狩猟動物に頼って生きてきた人々にとって、海の幸は想像を超えるごちそうだった。

美が支配する星

その後に何が起きたかについては、散々書いたので、もういいと思いますが、端的に言えば、「美」が人類を支配するようになったのですね。

「アプロディーテー」 愛と美と性の女神, 生殖と豊穣の女神 ウィキペディア

しかし、これが、大問題の始まりだったのです。

マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島の丘陵地帯の熱帯雨林に、セイランという世界でもとびきりの美しさを誇る鳥がいる”ダーウィンはこの鳥を「最も洗練された美が性的魅力としての機能しかなく、他の役には立っていないという確かな証拠を示している」と評している。

『美の進化』 リチャード・O・プラム

なぜなら、残念なことに、「美」は役立たずだったからです。あ、美人は役に立たないって意味じゃないですよ。誤解しないでくださいね。

フィッシャーは、メスが選ぶ特定のオスは他のオスよりも何かが優れているわけではないので、配偶者の選り好みが進化し続けることはないと断言している。実際、性的に成功しているオスのなかには、生存率が低くなったり、健康状態が悪くなるように進化するものもある。誇示形質が配偶者の資質(全般的な遺伝子の質、病気に対する抵抗力、食物の質、繁殖に投資できる能力など) を示す他の外的な評価基準から切り離されると、その誇示形質は恣意的だといえる。恣意的というのは、偶然とか、ランダムとか、説明がつかないとかという意味ではなく、単に誇示形質がその存在以外には何の情報ももたらさないという意味である。その形質は、観察されて評価されるためだけに存在しているのだ。恣意的な形質は正直でも不正直でもない。騙す対象のための情報を何ももたらさないからである。単に魅力的であるとか、美しいとかだけなのだ。この進化のメカニズムは最新のファッションによく似ている。服装の流行の決め手は、機能や客観的な質の違いではなく、魅力的に見える「その季節のスタイル」を求める、束の間の主観的な気持ちなのである。

美人だからイケメンだから性格がいいとか、能力が高いなんて方程式は成り立たないよ、ということです。そして、時に進化は「かわいい」に引っ張られて、生存に不利な形質を生むことがある、ということです。

かわいいだけじゃだめですか? はい、だめで~す!

人類は、もっとも近い親戚の類人猿と比べると、遺伝学的にすでに著しく同質だ。これは、人類史の初期に何度か、遺伝的ボトルネックが生じ、その後、人口が急増したことを示してい る。まさに、何度も絶滅の危機に瀕した過去の置き土産だ。

『超圧縮 地球生物全史』 ヘンリー・ジー

「かわいい」に傾倒しすぎた結果の人類の多様性の喪失は、絶滅に直結する非常に危険な事態だったのです。WWFは、多様性の喪失により、自然が危機に瀕していると警告しているようですが、人の心配をしてる場合か! いや違うな、人の心配をする場合だろ! という状況なのです。

世界の支配者の計画

そんな能天気な我々に代わって、危機を乗り越えるべく”暗躍”する勢力の存在。彼らは、一部の人達から「世界の支配者」と呼ばれていますね。

スーレとノスは、そのような国立公園に広く見られるもうひとつの欠陥は大型肉食動物の著しい欠如で、そのことが生態系を確実に摩滅させている、と指摘した。ジョン・ ターボーが言う「世界を支配する大きな存在」なしでは、公園はやがて草食動物のなすがままとなり、その生態系は崩壊してしまうのだ。

『捕食者なき世界』 ウィリアム ソウルゼンバーグ

彼らは、将来的に遺伝子を変異させるために、人口を増やしたのではないか。

だからこそ、「シカネズミのような種は、例えば、絶滅の危機にあるゾウに比べて、暑さへの適応力を高める方向に進化するチャンスが多い」と米コネティカット州にあるイエール大学の生物学教授であるマーサ・ムニョス氏は説明する。多くの場合、個体数が多いほど、遺伝子変異が大きくなる。

猛暑でも生き延びる 地球温暖化に適応する生物たち
暑くて乾燥した砂漠で暮らすために、どんな進化を遂げたのか

それだけではなく、個体数を増やさなければ、ちょっとした変化で絶滅してしまいそうという切羽詰まった事情もあったのかもしれません。その中で、まず目指すのは、寒さに強い兄弟の復活ではないでしょうか。

ネアンデルタール人は、おそらくホモ・エレクトゥス以上に、環境からの挑戦に生命がどのように適応して進化するかをよく示している。仏頂面のまま、北ヨーロッパの寒く風の吹きすさぶ荒れ地にきわめてうまく適応し、三〇万年ものあいだ、そこで無敵を誇りながら暮らして いた。

『超圧縮 地球生物全史』 ヘンリー・ジー

それには、例えばこんな方法があるようです。

例えば、病気に強いトネリコを人工的に選抜して交配させたり、東アジア原産で病気に強いトネリコの近縁種と交配して遺伝子を導入したりする方法が提案されています。

さらに将来的にはゲノム編集技術を使って耐性遺伝子を強化する方法も検討されています。

また森林の管理方法も重要で、病気が見つかったトネリコを即座に大量伐採するのではなく、できるだけ耐性のありそうな個体を選び、生き残らせるよう配慮する必要があります。

病気がゆっくりと広がる間に生き残った木が次の世代の種を作れば、より病気に強い新たな世代の森が育っていく可能性があるのです。

ある「木」が今急速な進化を起こしていることが判明 ナゾロジー

これが、そのままヒトに適応できるかはさておき、私たちの親は、元々多様性を生み出すことに長けていたようです。

ホモ・エレクトゥスは、実に多様な派生種を生み出す、変幻自在な始祖だった。

そして、『超圧縮 地球生物全史』の中に、非常に興味深い記述がありました。

ネアンデルタール人は、自由気ままにどこへでも歩いていった祖先のホモ・エレクトゥスと は、まさに対照的だった。 ネアンデルタール人とその作品は、ヨーロッパの西端から中東、南 シベリアにかけて発見されているが、個々のネアンデルタール人の集団は、地形的にそれほど 広範囲に広がってはいなかった。それまでホモ属が経験したことのない、極端な気候にさらさ れながらも、食料を求めて短時間だけ屋外に出撃し、H・G・ウェルズの小説に登場するモー ロック族のように、土のなかで明るい精神生活を育んでいた。

こちらでも何度もとりあげてきた、H・G・ウェルズの『タイム・マシン』のモーロックとは、ネアンデルタール人のことだった・・ つまり『タイム・マシン』は、未来の人類が、ホモ・サピエンスの進化版の「イーロイ」とネアンデルタール人の「モーロック」に分岐すると言う話だったのです。なんてこった!

その「夢」を現実化しそうなのは、この男です。

マスク氏がこの計画を推進する目的は、人類を火星に入植させ、「多惑星生物化(Multiplanetary Specie)」させることにある。「どんな文明も単一の惑星に依存するより、多惑星文明であるほうが10倍、あるいはそれ以上長く存続する可能性がある」という考えは、マスク氏が一貫して語ってきた思想だ。またマスク氏は、火星に居住区を建設する意義とシーケンスを以下のように語る。

「初期段階では多惑星生活に必要な知識を学び、スターシップの改良を続けることで、最終的には数十万から数百万人を火星に運べるようにする。火星への渡航を望むなら誰もが行ける状況が理想的だ」

「この計画では、地球からの補給が止まっても、火星都市が独自に成長できる状態を目指す」

「地球に問題が発生すれば火星が救い、火星に問題が起これば火星が救う。双方の惑星が自立し、強靭であることは、文明の長期的存続にとって非常に重要だ」

2029年にヒトが火星に立つ可能性、その障壁は開発遅延かトランプか? FORBES

それを邪魔するのは、トランプだとこの記事は言います。

しかし、6月初旬に2人の罵倒合戦が勃発したことで、この火星計画に対する米政府の支援は縮小される可能性がある。その場合、進行するほど打ち上げ回数が増える同計画は、将来的に資金がショートする可能性が高い。

人類をイーロイへと導くのは、イーロイ・マスク・・いや、イーロン・マスクで、モーロックへと導くのは、トランプって理解であってる? 

どっちを選ぶかは、あなたの遺伝子次第。火星に行く人も、地球に残る人も、どちらも「カミ」に導かれし兄弟。力を合わせて、絶滅の危機を乗り切ろうぜってことだ! うん、間違いない。

さて、そろそろ終わりにしますが、今回ご紹介した『超圧縮 地球生物全史』の中で著者のヘンリー・ジー氏は、数千年後に人類は絶滅するだろうと予想しています。

今後数千年のあいだに、ホモ・サピエンスは消滅するだろう。その原因の一つは、長いあいだ未払いになっていた「絶滅の負債」を返済しないといけないから。

『超圧縮 地球生物全史』 ヘンリー・ジー

そして、最後の結びとして、こう書いています。

不思議なことだが、この闘い、つまり、やがて来る暗闇を前に、一族の運命を少しでも明るくしようとする、ちっちゃな動物の儚い努力に、あきらめず、協力しなくてはいけないという衝動にかられる。

「我々の計画に同意せよ」

当ブログの最新の分析によれば、世界の支配者による「悪魔の計画」とは、「神の計画」である絶滅から人類を救うことだったのです。彼らはそのために、悪魔に魂を売ったのかもしれません。

え? なに? ミイラ取りがミイラになったのかって? どうぞ、ご自由に・・