危険のない世界はとても退屈で、そこに学ぶべきものはほとんど存在しない

ヒーラット・ヴァーメイ

寿命?

前回の続きとなりますが、どうやら人類は絶滅寸前らしい、ということが分かってきてしまったんですね。しかし、それは、巷で騒がれる、気候変動とかAIとか核戦争とかが、理由ではなさそうなのです。

現生人類であるホモサピエンスが誕生したのは、20万年〜30万年前と言われていますが、いずれ種としての寿命が来て、絶滅するときがきます。いろいろな理由がありうるのですが、その一つは生殖能力です。

人間はいずれ種としての寿命が来る? 立命館大学大学院教授・松原洋子氏が予見する人類の未来と生命倫理 メディア環境研究所

生殖の理由から、種としての寿命がつきる、というのです。

大量絶滅の原因には環境の激変が知られているが、特に大きなカタストロフィーがなくても、徐々に衰退し、絶滅に向かうという例も少なくない。例えば、長鼻類に分類されるゾウである。

 現在、アフリカゾウとアジアゾウ、そしてマルミミゾウの3種類が存在しているが、実はこれまでに見つかっている化石種(化石として発見された種)は、170種にも上る。それだけ多様化していたにもかかわらず、ゾウは大量絶滅によって3種類にまで激減しているわけだ。

 生物学者である著者は、その背景にゲノムのシステム自体の硬直があると分析している。つまり、環境の変化などがあったときに、新しい突然変異をする能力が枯渇し、環境に適応する個体を生み出せなくなる。生物は行き着くところまで行くと、遺伝的な多様性を増やすことができなくなり、進化も止まり、やがて衰退、絶滅に向かうというのだ。

 現生人類は、76億もの人口を擁して繁栄し続けているように思われるが、ホモ・サピエンス以外のヒトの種はすでに絶滅し、私たちはヒトの系統としては最後の一種である。種の寿命が尽きるか、あるいは天変地異が起きたとき、700万年前に始まったヒトの系統は、完全に絶滅する。タイトルのように、“もうすぐいなくなる”のは、人間かもしれない。

次に絶滅するのはホモ属最後の一種である人間!? 日刊ゲンダイ

この記事が紹介する筆者は、テレビで有名な池田清彦さんですが、こちらの内容はあっている気がするんですよね。

当ブログは8年近くに渡って、この世界がなぜ、こんな奇妙な出で立ちをしているのか?と言うことを考え続けてきたわけですが、とうとう答えに行きついた感じもしていて、それがこれ。

人類は絶滅寸前であり、それを知っている人たちがいるから

いつ?

竹内:生物多様性が失われるとは、つまり、遺伝的な多様性がなくなる、ということです。

 これの何が問題かというと、一つの致命的な感染症が広まったとき、その集団が絶滅する可能性が、非常に高くなってしまうんです。

 その集団が遺伝的な多様性を持っていれば、その感染症に感染する人と、しない人で、ばらけるわけですね。

――なるほど。みんなが同じ遺伝子だと、一気に全滅してしまうけれど、ばらけていれば、その種全体として、生き残る確率が上がるんですね。

竹内:そのとおりです。気候変動などに関しても同様です。もし、寒さに弱い人ばかりの集団だったら、気候が寒冷化したとき、全滅してしまうかもしれない。

 しかし、寒さに強い個体・暑さに強い個体と、多様な個体がいればいるほど、種全体としては、生き残る確率が上がりますよね。

 つまり、その種が続くためには、「生物多様性」は絶対条件なのです。別の言い方をすれば、多様性がないことが、非常に大きなリスクになるわけですね。

「多様性が排除された集団」に起きる1つの悲劇 ダイヤモンド・オンライン

気づいてみれば、結構シンプルな話で、人類が一種しかいないということが、すでに危機だったのです。で実際、どんな時に人類に危機が訪れるのかと言えば、気候変動が起きた時です。もちろん、昨今のあれ、じゃないですよ。

あったかいって、別に危機じゃないんですよ。地球温暖化にうんざりしている人は、森の中で裸で暮らしてみれば、実は大して暑くないことに気づけるでしょう。

いや、俺は暑がりだからって人は、標高高いところに行けば、自然の中では、むしろ寒すぎて生活しづらいこともすぐに分かるでしょう。本当の脅威は、先程の記事に書いてある通り、寒冷化なんです。

つまり、人類は、次の寒冷期がやってきたとき、絶滅が確実視されるのではないですかね? その時が、種としての寿命となる可能性が極めて高い、ということではないかと。

つまり、地球が温暖化しても次第に寒冷化するというサイクルがあるのは事実ですが、次に地球が寒冷化する氷期に入るのは、5万年後と予測されており、途方もなく長い期間を要します」

地球は自然に寒冷化するってホント? 忘れてはならない「気候変動問題の本質」とは ウェザーニュース

なんだ、まだ5万年もあるのか、じゃあ別にいいや!

なんて考える私とは違って、この5万年後というのがあっているのかはさておいても、数万年後の寒冷化による人類の滅亡を食い止めようと考えた人たちがいたとしたら・・

脆弱な集団

そもそも、寒冷期で本当に人類が絶滅なんてするのかよ? まあ、もちろん個人的な想像に過ぎませんが、私は確実に絶滅すると思います。なぜなら、人類って超弱い存在だと思うからです。

人類全体では、西アフリカのチンパンジーの1部族よりも遺伝的変異が少ないのですから。

 このことからわかるのは、人類は何度か絶滅しそうになったことがあり、生き残った人類はすべて、ある小さなグループから進化した、ということかもしれません。

 つまり、人類は歴史的に非常にもろく、何が原因かはわかりませんが、結果的に遺伝的に非常に似ており、そのために病気の餌食になりやすいのです。

新型コロナウイルスのパンデミックで明らかになった「人類の遺伝的なリスク」とは? ダイヤモンド・オンライン

ここ最近、このことばかり書いてきましたが、現在の私たち、ホモ・サピエンスって、私たちの祖先のなかの「超弱い一グループ」が、世界中に広がった結果の存在だと思うんですよ。

動物と比べて見れば、すぐに分かるじゃないですか。我々が、自然界で生き残るには、肉体的にも知能的にも劣っているということが・・普通に考えて、着る物がなければ生きられないなんて、すでに生物として終わっているじゃないでしょうか・・

プレデター

「弱い種」が「強い種」を駆逐するって、なんでそんなことになってしまったのかと言うと、この絵にすべてが描かれているんです。

アンリ・ルソーの『夢』という絵なんですが、ジャガーみたいなのが、白い女性を見ていますね。そして、その後ろには黒い女性がいるのですが、ぱっと見では、わからないくらいで、ジャガーも気づいていない様子です。

湖北野鳥センターによると、2羽は色素異常で白化したハシブトガラスの幼鳥で、同じ親から生まれた可能性が高い。長浜での確認は十数年ぶり。体が弱く、捕食もされやすいことから、短命だという。

幸運の兆し? 白いカラス、滋賀・長浜で見つかる 色素異常で白化 毎日新聞

本来?であれば、白い存在は、目立ちすぎて捕食されやすいため、種の中で優勢になることはない様なのです。ですが、人類において、白い存在、つまりヴィーナスが誕生した時点で、捕食者を駆逐する術を得ていたのでしょう。

サーレ氏はこう話す。「投げ槍を作って使う行為は、解剖学的な意味での現生人類特有の行動だ。この複雑な特性は、すでに技術を駆使する能力を備えていたアフリカ初期のホモ・サピエンスを遡り、古くは彼らの祖先たちにまでその源が求められるのではないか」。

投げ槍は28万年前に発明された? ナショナルジオグラフィック

そのせいで、おそらく、私たちと共存していた私たちの祖先は、美し過ぎる私たちに、みな「食われてしまった」のです。

もしそうだとすれば、カエルを食べるこのコウモリは熱帯アメリ カの雨林で最初にカエルに遭遇した際には、おそらく 〔通常のコウモリのように〕 反響定位音でカエルを捕まえたが、カエルの鳴き声は聞こえなかったのだろう。だが、進化の過程で耳が改造されたのちに、そして 間違いなく脳もいくらかつくり変えられた結果、彼らはトゥンガラガエルの最大の天敵となり、このカエルの性的な美の進化に何かしらの歯止めをかけたのだ。

『動物たちのセックスアピール』 マイケル・J・ライアン

「捕食者」を失った私たちは、美の進化のタガが外れた格好となり、「生」と「性」のバランスが崩壊したのです。

等身大のバービーは、 現実の世界ではかなり役に立たないだろう。あの極細でやたらに長い首では、頭をもちあげることもできないに違いない。彼女の細いウエストでは、肝臓は半分、腸は数センチしか入らないだろう。 そして、あ の小さな足と細い足首に、上半身が大きい体型では、四つん這いにならなければ歩けないだろう。バービ ーはたとえ機能不全であっても、多くの人はまだ彼女が美しいと感じ、まさに人形のようだと考える! このことは、実在の生きた女性との類似を考えるまでは、奇妙なことに思われるかもしれない。

ヒトは、生殖相手に対し、生きる機能ではなく、性的な美を追い求めるようになったのでしょう。

野生時代の牙は完全に抜かれ、愛らしいペットキツネに大変身を遂げていたのです。

ベリャーエフが始めた家畜化実験は、か弱い個体同士をかけ合わせ続けることで、その種のスタンダードとなる性質を遺伝的にガラリと変えられることを証明した歴史的な研究となっています。

【ソ連の家畜化実験】か弱い個体同士で交配を続けるとどうなるか? ナゾロジー

弱い個体同士が掛け合わされていくと、更に弱い個体になっていくようで、こういったことが、おそらくヒトの間でおきていったのではないか、と私は想像してます。

いや、別にいいんですよ。今の環境が続くと思えば・・一説によれば、後少なくとも5万年くらいは、人類はものすごく楽しく暮らせるはずだったんだと思います。そう、農耕なんて、阿呆なことを始めなければ・・

労働時間も現存のアフリカでの狩猟採集民の場合、週に35~45時間という値が出されています。毎日の採集時間は3~6時間、狩りは3日に一度くらいしか行いません。そこで、皆で語り合う時間がたっぷりあるのです。

感染症の問題もあります。

長い間私たちを苦しめてきた天然痘やはしかなどの感染症は、そのほとんどが家畜に由来するものであり、農耕社会になってから感染が拡大しました。

実は、狩猟時代のほうが農耕時代より豊かだった? 最近の研究で明らかになる、太古の人間の生活 東洋経済オンライン

文明社会が始める直前くらいの時代の地球って、多分、ヒトにとって、楽園だったと思うんですよ。怠惰な息子と娘を楽園を追放して、ブラック企業に就職させたのは誰? おやじ、ですよ。おやじの仕業です。

「頑固おやじ」の目論見がいったいなんだって、いったら、子供たちを鍛えなおすことに決まってんじゃあないですか。

これに受けて、研究者は「現代のトマトでは何百万年も前に失われたはずの「古代の毒」が、環境に合わせてふたたび蘇った」と説明し、進化の巻き戻しが起こっている可能性が高いと指摘します。

研究者はこれを「逆進化(リバース・エボリューション)」と呼びました。

ガラパゴス諸島のトマトが急速に「逆進化」していた ナゾロジー

ヒトが、進化の過程で生きる機能を失ったのならば、それを巻き戻すしかない。

つまり、ガラパゴス西側の過酷な島々に暮らすトマトたちは、生き残るためにあえて失われたはずの遺伝子を“再起動”したというのです。

さらなる実験では、この4つのアミノ酸を人工的に入れ替えるだけで、トマトの酵素がナス型の毒を作り出すようになることも確認されました。

逆にナスの酵素からそれを取り除けば、トマト型の毒に戻ることもできます。

わずか数個の分子スイッチで、進化を巻き戻す――。生命の柔軟さには、驚かされるばかりです。

この発見は、単なる植物の不思議な話では終わりません。

進化とは一方通行だという前提を見直すきっかけとなり、「逆進化」もまた自然な選択の一形態であることを示しています。

もしトマトで起きたなら、人間や他の生物でも、環境の変化次第で“過去の遺伝子”が目を覚ますことはあるのかもしれません。

生命は時に、過去に手を伸ばすことで未来を切り拓く――。

それが、太古の昔から存在する私たちの祖先の科学者たちが、この世界を創った本当の理由ではないか?

彼らは、人類に絶滅という非常な運命を課す神(自然)に逆らうべく、自らが、神となったのです。