人間とロボットの違い

さて、当ブログでは、ロボット、アンドロイドについて注目して取り上げてきましたが、彼らと人間との違いは「合理性」と「非合理性」にあるのではないか、としてきました。

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ロボット工学者が夢に描くロボットは、人間らしさを持ったロボットです。その人間らしさとは非合理性のことなのではないか、と。

非合理性というと、言葉は難しいですが、「計算できない」「わからない」こと、と言い換えてもいいんじゃないでしょうか。人間の感情、心というものは、曖昧婿で何一つ計算できません。女心がわかりますなんて、おバカなことをいうのは今すぐ止めましょう(笑)。所謂これが非合理性ではないでしょうか。

 

ロボット工学者の夢と現実

そして、ロボット工学者の夢は、かの有名な、手塚治虫さんの漫画『鉄腕アトム』や藤子f不二雄さんの『ドラえもん』に象徴される、人の心を持った非合理的なロボットを作ることだと推察されます。

さて、表題に対する結論ですが、残念ながらそういった物が登場する可能性は相当低いんじゃないでしょうか。なぜなら、ロボットを開発するには、巨額のお金がかかりますから、企業の利潤追求のための合理的な判断からは逃れられないからです。

少し、古いのですが、こんな記事を見つけました。

 

グーグルの人工知能「DeepMind」は驚異的、「現代の核開発」と心配する声も
人工知能が驚異的な速度で学習していくことに対して、恐怖を覚える人々も少なくない。電気自動車メーカーである米テスラモーターズのイーロン・マスク会長兼CEOは、人工知能は深刻なリスクを内包し、5年以内に問題が起こると警告している。 

つまり、合理的な能力では、人間はとても太刀打ちできないということです。それは人工知能が「人間は必要ない」という”合理的な”判断をする可能性がある、ということではないでしょうか。しつこいですが、”合理的”にはそれは否定のしようがありません・・。

さらにこうも書いてあります。

「行き着く先は、人間が教えなくても最適な行動を取れるプログラムだ」。

-It pro-

最適な行動ってなんでしょう? 誰にとってでしょう? これはあくまで合理的な判断です。もっと言うと、所詮、合理的なものです。非合理、これを私たちの心で考えた場合、最適なんてありません。それは常にあいまいで、変化し、つかめない、わからないものなのです。女心に最適解があれば教えてくれといいたいですよね(笑)。

 

人にやさしい『鉄腕アトム』は企業の邪魔

それに対して、鉄腕アトムやドラえもんは、人間のこころ持った非合理的なロボットです。彼らが人間に対して好意を持ち、優しくすることに合理的な理由はないわけです。これも、その理由は「よく分からない」ですよね?

 

人間の感情というものは、完全なデタラメなわけではないが(時にそう思うこともある(笑)・・)、よくわからないものです。人の心に対するアプローチで出来ることは「分かる」ことではなく、「共感すること」なのです。これを作ることが、物理的に可能であるかは、わかりませんが、合理的に利潤を追求する企業がバックであることを考えると、そういった物が開発される可能性は今のところかなり低そうです。

なぜなら、我々の人間性は、企業の合理性とは相反しており、企業は我々の人間性を抑え込むことで利潤を追求しているからです。我々はもはやそれに敗退しかけているのです。

 

人間に共感してしまうロボットは企業の敵となる可能性があります。もちろん、それが利益になる可能性もありますが、今、多くの企業が向いている方向は別の気がします。人間の味方の超人的なロボット、鉄腕アトムは企業の邪魔ではないでしょうか?

 

人が人を作るとしたら、やはり、ゲノム編集のような遺伝子技術から、生まれてくる可能性の方がよほど高いでしょう。それでも、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』のように悲劇しか生まないと考えますが、果たしてどうでしょうか?