8月18日、トランプ大統領の最側近と言われていたスティーブ・バノン首席戦略官が辞任とのニュースが流れました。その辞任直前に掲載されたインタビュー記事の内容は私にとって非常に興味深く、撃的な内容でした。
当ブログでは、トランプ政権の戦略について、素人ながら生意気にも独自に、こう解説させていただいておりました。
①トランプ政権の本質は、対EU、対中国軍事戦略である
②北朝鮮危機は、フィクションであり、対中国戦略の一環である
まず、この二点に関して、結構的を得ていたということが、このインタビュー記事から明らかになったのではないでしょうか。そして、最も衝撃を受けたのが、こちらです。
われわれのどちらかが25~30年後に覇権を握る。このまま行けば彼らの勝ちだ
~ AFP ~
北朝鮮危機について
最近大騒ぎとなっている、北朝鮮問題について、当ブログでは、
北朝鮮危機はフィクションであり、アメリカの対中国戦略の一環だと主張してきました。これは、実際かなり非常識な見解で、私個人としては、ほぼ確信に近い感覚を持ちながら、恐る恐る書いてきたというわけです。でも、バノンさんがあっさり肯定してくれちゃった気がします。
米国は中国との「経済戦争」の最中であり、北朝鮮の核開発をめぐる対立は「一つの前座に過ぎない」
私の記事を支持して頂いた方の見解も正しかった、ということかと思います。
北朝鮮危機は余興の意味
では、北朝鮮危機が前座、余興ってどういう意味なの? ってことなのですが、バノンさんの発言の意図を完全に読むことは出来ないので、当ブログなりの見解を記してみたいと思います。そして、意外なことに、これを一番分かり安く教えてくれるのはなんと中国、なのです。
中国の中央テレビCCTVは「安倍は北朝鮮のグアムを狙ったミサイル発射挑発を口実にPAC3を無駄に配備して国内世論を煽り、軍拡目標を達成しようとしている」と批判した。
~ ニューズウィーク 日本版 ~
さて、どうでしょうか。感覚的には、中国がまた馬鹿なことを言っている、という感じでしょうか。この記事の筆者の方も、これは中国側の事実歪曲、つまり嘘だと書かれています。でも、これ、よく考えてみると、「中国の嘘である」とするのは実に難しいです。
なぜかと言いますと、批判するからには、その裏には彼らにとって都合が悪いという事実が必ず存在するからです。これは否定することが出来ません。PAC3の配備や憲法改正は中国にとってかなり都合が悪い、これは紛れもない現実なのです。
中国側の批判を事実歪曲とするならば、中国は別に対して気にもしていないのに、しつこく批判をしている、ということになってしまいます。これはあり得ません。「中国は安倍政権のやることなら、何でも批判するんだ!」 という方もいるかもしれませんが、実際彼らはそこまで暇ではないでしょう。安倍政権を批判することだけが仕事になっている民進党とは違うのです。
北朝鮮危機の結果、日本が防衛力を高めていることが、中国の脅威となっている、それが嘘である可能性はほとんどない、と言っていいと思います。では、安倍政権にその意図がないのだとすると、これはまったくの偶然だということになりますねえ・・。
バノンさんが中国脅威論を唱え、日本の防衛大臣の小野寺さんも、5月にワシントンで開かれた討論会で、本当の脅威は北朝鮮ではなく、中国だと言っていたようなのですが・・。これは当時私がそれを伝えたFacebookページです。十万分の一の偶然でしょうか・・?
トランプ政権の戦略は戦争せずして勝つ
私が題名に、「トランプが理想だった」と書いた理由はここにあります。トランプ政権のブレーンと言われるスティーブ・バノン元首席戦略官とピーター・ナバロ国家通商会議委員長の両名が指南したと思われる国家戦略は、基本的に「戦争せずして中国に勝つ」というものでした。トランプ大統領を含めたこの3名は軍事衝突を極力避け、しかし、勝つために懸命だった様がこれまでに十分見て取れました。
バノンさんはシリアにミサイルを放つことにも反対だったと伝えられていました。しかし、このバノンさん、非常に悪名高いです。トランプさんも下品なおやじで、先日の白人至上主義者の起こした事件に関する対応は明らかな誤りでした。
しかし、トランプ政権が掲げていた「戦争せずして中国に勝つ戦略」は我々日本人にとって、理想だと言えるのではないでしょうか。出来れば中国に勝ちたいですよね、戦争をせずに。彼れは沖縄の領有権も認めていないそうですからね。負けたら、きっと盗られます。
トランプ政権の戦略はうまく行けば、我々日本人にとって多大なメリットがあるものでした。だから、過去にも私は日本人はもっとトランプさんを応援した方がいいと書いたこともありました。しかし、結果は全敗とも言っていい内容です。
トランプ政権は終わった?
「トランプ政権は終わった」、解任されたバノンさんはメディアにこう語ったそうです。これはどういう意味でしょうね。単なる負け惜しみならいいのですが、少々気になります。というのも、トランプ政権の基本戦略が、戦争せずして勝つならば、バノンさんを解任に追い込み、トランプ大統領をも攻撃していると考えられる勢力は、所謂軍産複合体、戦争をしたい勢力だと言われているからです。
シリアとか、中東に侵攻されても我々にメリットは何一つありません。私は中東の見方をしたいくらいです。
中国の被害妄想でなければ、日本の軍拡は進んでいくでしょう。また、韓国の軍拡も同じロジックで進んでいるようです。で、戦争せずして勝つ戦略は完全に頓挫し、代わりに戦争をしたい勢力が米政権の主流となった。これは・・ヤバくないでしょうか・・。まさかの、真正面ガチンコ対決? 実際、トランプ政権は軍人だらけになって来ています。後は国際政治を操るゴールドマン・サックスの面々です。
この組み合わせ、嫌な臭いしかしません・・。ピーター・ナバロ委員長一人で彼らと戦えるとも思えませんし。
我々が取るべき道は・・
では、私たちはいったいどうしたらいいというのでしょうか。PAC3の配置や憲法改正に中国と同じ理屈で反対した方が良さそうでしょうか。安倍は軍拡を進めているぞ!って。
しかし、バノンさんの「アメリカはこのままだと負ける」という言葉。これは私には相当衝撃でした。例えトランプさんが変なおやじでも、そこは世界最強のアメリカ、最後には勝つに決まっている、と盲目的に信じ込んでいたのです。ですから、私の未来の想定にアメリカが負けるというシナリオは、全く存在していませんでした。
でも、そんなこと考えなければならないのかな、と少し怖くなったのです。中国共産党に支配される日本、沖縄や北海道は奪われ、言論統制され、自由にネットを見ることもできない社会。負ければそんなこともあるのかもしれません。
しかし、もちろん、当然中国も万事が整っているということはないでしょう。中国バブルの崩壊は必至、共産党の自滅もあり得ます。戦わずして勝つこともまだ諦めるのは早いかもしれません。
ただ、一つ言えることは、「戦争反対!」「安倍辞めろ!」と叫んでいれば、誰からも攻撃されずに今の生活が未来永劫守られる、というのは幻想もいいところだ、ということだと思います。
また、トランプ政権の戦略について、大筋読んでいたと自負している当ブログですが、これで振り出し、また一から探っていかなければならないなと思っております。今までとは、全く別の方針でことが進んでいく可能性も考えられるのではないでしょうか。