最近、日本の情勢について、明るい見通しの記事を続けて書きました。もちろん、いたずらにそのような記事を書くということはなく、表に出てきた情報を慎重に分析した結果です。
そして今日起きたことによって、その分析が正しかったことが証明されたような恰好になったことを苦々しく思います。
しかし、悲しさと悔しさが入り混じった複雑な感情の中でも、冷静に見ていけば、状況は悲観的ではないと思います。
なぜ起こったか?
言わずもがな、これはテロです。国のトップが国民の目の前で白昼堂々殺害されると言う、日本人が絶対に許してはならない凶行が行われたのです。
それは、なぜ起こったのでしょうか?
ロシア政府は、日本がG7で急にロシア敵視を強め始めたので怒っている。その怒りの発露のひとつが、先日プーチンがサハリン2のガス田の日本などの利権を剥奪していくことを決めたことだ。日本は今後、サハリンからガスを輸入できなくなり、輸入する石油の価格も高騰させられる。日本国民の生活は窮地に陥る。プーチンと親しい自民党の安倍晋三・元首相がロシアに行ってプーチンと話をして和解していくしかない。私は最近の記事でそう書いた。 (日米欧の負けが込むロシア敵視)
そういう流れで、もしかすると安倍晋三は動き出そうとしていたのかもしれない。その安倍の動きを阻止するため、米諜報界が死客を奈良に放ち、7月8日に演説中の安倍を銃撃したのでないか。
「英ジョンソン首相辞任の意味」 『田中宇の国際ニュース解説』
私もこの意見にほぼ、賛同です。しかし、少し違う意見は最後の部分です。なぜなら、「暗殺」は”奴ら”にとっても、最終手段だからです。私はこれまで、世界の要人に対する凶行未遂を何度か目撃してきました。マクロンに対するビンタはその一つですが、最もひどい目にあわされていたのは、元ドイツ首相のメルケル氏です。
ドイツ当局はメルケル首相がアルゼンチンに向かうため搭乗した航空機の電子系統に不具合が発生したことについて、原因を調査している。同機はドイツ国内に引き返して緊急着陸し、首相は20カ国・地域(G20)首脳会合に遅参することになった。
メルケル独首相搭乗機の不具合、犯罪の可能性を当局捜査 ブルームバーグ
最も驚くのは、このニュースが特別騒がれることもなく、サラッと伝わっただけで終了してしまったことです。国家のトップが乗った飛行機の不具合が犯罪かも・・で終わり・・。
まあ、とにかくこれは脅しだったって考えられるわけです。「阻止するため」、だったらですよ。殺さないはずなんですよ。
首相の職権を利用した収賄事件として、メディアは一斉に角栄を叩いたが、この事件に強い疑問を抱いていた私は『中央公論』に「アメリカの虎の尾を踏んだ田中角栄」という論文を書いた。要するに、「角栄はアメリカにはめられた」ということである。角栄の周辺や元検察官などを徹底的に取材して、この事件には隠された疑惑がいくつもあると自分なりの確証を得ていたからである。
ジャーナリストが掴んだ「角栄はロッキード事件で無罪」の根拠 幻冬舎Gold ONLINE
「虎の尾を踏もうとしたから」じゃないんです。「踏んだから」なんです。具体的に言うと、田中角栄は、日中国交正常化を成し遂げたからやられたわけで、「やろうとしたから」じゃないのです。
つまり、安倍さんは、既にロシアから日本国民へプレゼントを持って帰ってきていた可能性があるということです。まあ、それが強奪されてしまった可能性も考えられるわけですけど。
ただ、ですよ。”奴ら”にとっても、暗殺は最終手段なんです。簡単にやることじゃないです。追い込まれた末のことなんですよ。安倍さんは、無残に殺されたのではありません。立派に戦って死んだのです。
そして、あなた方様は、国のトップを殺すと言う蛮行のリスクをもちろんわかっていらっしゃるでしょう? 岸田首相の表情を見ましたか? 怖気づいている顔に見えましたか?
これは明らかな失策です。
恐るべき冷徹さで物事を進めるあなた方ですが、墓穴を掘ったと言えるでしょう。
田中角栄も、小沢一郎も、そして今回の安倍晋三も、米国(軍産、ネオコン)の無茶苦茶な戦略から日本を守ろうとした政治家はみんなやられる。
日本の政治家の覚悟を甘く見てはいけません。そして、日本人を甘く見てはいけません。
あなた方は過ちを犯しました。それは道徳的な意味ではなく。合理的な判断を誤ったのです。それが証明される日が必ず来るでしょう。
安倍晋三の死は、あなた方の戦いのマイナスに作用するでしょう。これは感情論ではありません。
「素晴らしい日本の人々にとって、とてつもない打撃だ」と指摘した。
安倍氏銃撃「衝撃的」トランプ氏 KYODO
いや、違う。打撃を受けたのは、あんたらだ。だからやったんでしょ? 「真の友人」に裏切られた恨みは、大きいでしょうからね。
「日本を、取り戻す。」という安倍さんの言葉に嘘、偽りは全くありませんでした。
ですから、日本人は全員怒っていますよ。ただ、今はその怒りの持って行き先がまだ分からないだけです。でも、そのうち皆、気がつきますよ。
その時をお楽しみに。