ロシアが、ベラルーシに戦術核を配備したとのニュースがありました。

ロシアのプーチン大統領は同盟関係にあるベラルーシに戦術核兵器を配備することで合意したと明らかにしました。これに対してアメリカのホワイトハウスは、現状ではロシアが核兵器の使用を準備している兆候は見られないとして、引き続きロシア側の出方を見極める姿勢を強調しています。

ロシア ベラルーシに戦術核配備へ 米NSC報道官 “影響を注視” NHK

東西冷戦が復活しつつある、という印象を誰もが抱くところとは思います。冷戦とはいったい何だったのか。当ブログでは、過去にも分析を試みましたが、最新の情報を元にアップデートしてみたいと思います。

大失敗の結果

今回は結論から書いちゃいますと、世界最大の軍事諜報派閥「ロンドン」が、第三次世界大戦を起こそうとして大失敗した結果の冷戦だった、という可能性です。

ペスコフ大統領報道官は、ゴルバチョフ氏は冷戦終結に貢献した非凡な政治家だが、その歴史的役割には賛否両論があると発言。「ゴルバチョフ氏は冷戦が終わり、新生ソ連と世界、西側諸国との間に永遠のロマンスが訪れると心から信じたかった」と述べた。その上で、「それは間違いだった。100年のハネムーンも実現せず、血に飢えた相手の本性が顔を出した。このことに気づき、理解できたことは良かった」と語った。

ゴルバチョフ氏、冷戦終結に貢献も西側への歩み寄りは誤り=プーチン政権 ロイター

当ブログが「パリ」と呼び、極右勢力が「グローバリスト」と名付けたハプスブルグ家由来のエリート勢力に政治の実権を握らた末、ソ連は崩壊させられ、東西冷戦は終結。「ロンドン」の第三次世界大戦オペレーションは、大失敗に終わったのではないでしょうか。

ロシア人は長い間、ゴルバチョフ氏を西側諸国にだまされた「弱い指導者」と見なすことに慣れきっている。

ゴルバチョフ氏の悲劇、プーチン氏が破壊した東西融和の理想 日経ビジネス

ゴルバチョフもケネディも安倍も、「裏切者」だったというわけです。

1990年11月7日の革命記念日にモスクワの赤の広場で軍事パレードが行われていたとき、ゴルバチョフ暗殺未遂事件が発生した。労働者のデモンストレーションの最中、行進の列に紛れ込んでいたアレクサンドル・シモノフは、行進がレーニン廟(この講壇上にソ連の指導者が並んでいた)に近づくと、ゴルバチョフめがけて2発の銃弾を放った。しかし、弾は外れた。シモノフがライフル銃を取り出してすぐに護衛に発見され、狙いを定めている間、将校が走ってきて銃身を殴ったため、弾は空に逸れた。

「ゴルバチョフ」 ウィキペディア

しかも、「ロンドン」は、その後の「始末」までをも失敗したような感じがあります。冷戦は「ロンドン」にとって世紀の大失敗だった、可能性が窺えます。

逆襲の「ロンドン」

しかし彼らとて、左折してこのまま引き下がってくれるはずもなく、ソ連が崩壊した約10年後、KGB出身つまり「ロンドン派」のプーチンをロシアの大統領に就任させることに成功したのです。彼は大統領になるなりユダヤ系新興財閥、つまり「グリーバリスト」たちを粛清していきます。

世界の軍や諜報機関の元締めは、同じ。つまり、GCHQもNSAもKGBも違うのはエンブレムだけ、ということです。

こうして、プーチンは新興財閥を屈服させました。プーチンはFSBの長官から「あっ」という間に首相、そして大統領になり、新興財閥をつぶしていった。でもどこまでが「偶然」や「幸運」で、どこまでが「必然」だったのでしょうか。私は、全部「旧KGBが仕組んだ」と考えています。

『プーチン最後の聖戦』 北野幸伯

それは「仕組まれた世紀の大逆転劇」だったのです。だから、ウクライナ危機においても、プーチンの負けはないですよ、と書いているのです。「ロンドン」がプーチンを嵌めるか、彼らごと負けない限り、それはあり得ないのです。「ロンドン」が政治闘争で負けることはあり得ますが、喧嘩に負けることは、万に一つもないことと言えるでしょう。

こうして、欧米の時代は終焉を迎え、アジアの時代が始まるのです。

国際政治アナリストの北野幸伯氏は、2012年発刊のこちらの本で、多極化世界の到来、西側の没落と中露の台頭を予言しています。お見事! という他ないのですが、最近の記事などを見ると、現在の彼はどうもこれとは違う方向の主張をされているようで、個人的には違和感を覚えますね。ちょうど、2020年辺りから、ん?と感じることが多くなりました。

普通のエセ解説者と同じことしか、言わんくなったなあ・・と。まあ、色々書けないようになったんだろうかねえ、とは想像します。

プーチンは悪魔なのか?

さて、最後にこうして「ロンドン」の世界戦略にのっとって、西側の没落を誘発してきたプーチン氏は、正真正銘の「海賊」なのか?という点についてですが、私はそうは結論付けていないことを何度か書いてきました。

その理由はいくつかあるのですが、もしプーチンが「ロンドン」の完全なスパイであるならば、日本政府の外交戦略も意味もなさなく、安倍晋三氏が殺される理由もなかったように思うのです。

とは言え、軍やKGBなど、ロシアの暴力機関が「ロンドン」支配であることに間違いはないでしょう。

現実としても、ロシアと日本の関係発展のために重要な役割を果たした。プーチン大統領が安倍氏の母親と妻に、感情のこもった哀悼の意を表明したのも偶然ではない。実に偉大な政治家で、日本の歴史に道標を残した。

なぜ冷徹なプーチンが遺族に弔電を送ったのか…佐藤優「ロシア政界が安倍晋三を尊敬していた本当の理由」 PRESIDENTONLINE

なので尚更、安倍外交こそが、最強の喧嘩屋に勝ちうる、日本の最高の戦略であることを私は確信しています。