みなさん、これどう思いました?

発表と同時にSNSで大きな話題となったように、これはなかなか破格の特典だ。同社の株主優待券は割引クーポンと同じ4割引きだが、1100株(4月18日時点で約320万円)で年10枚。最低の100株(同約29万円)では、年1枚しかもらえない。

太っ腹すぎるって!JR東日本の「ネット銀行参入」にSNS沸騰、同社の狙いとは? ダイヤモンドオンライン

「うわ、めっちゃ入りたい!」 私も瞬間的にそう思いましたね。申し込みが殺到するのも、当然のことでしょう。しかし、少し経った後にこう思いました。

なんかおかしくね?

お得の裏側

なんで突然、銀行業に? おまけにこんな大盤振る舞いを? 申し訳ないですけど、元々JR東日本は、他の交通会社に比べて「お得」を提供してくれる会社じゃない、というのが私のこれまでの率直な感想です。

「お得な切符」の本当にお得な切符はどんどん減少して、使えないのばかり残った印象で、「お先に特だ値」も以前より明らかに割宛て座席数が減らされていて、事前予約してもほぼ当たりません。コロナ前はもっと取れましたよ、JR東日本さん? それは、このための布石だったんですか?

さて、本題に入りましょう。

後は任せろ

今回、口座開設したい!って思った少し後に、疑心暗鬼の私の頭に浮かんだ連想がこちら。

たった24時間で420億ドル」――。経営破綻した米シリコンバレー銀行(SVB)で起きたこうした急激な預金流出は、金融規制当局が直面する新たなリスクを浮き彫りにしている。すなわち、ソーシャルメディア主導の預金取り付けだ。

焦点:SⅤB破綻に見る、デジタル時代の「取り付け騒ぎ」の構図 ロイター

みんなが、JREバンクを開設したい!って・・・・ヤバくね?

いや、そうは言っても大きな金額を預けているのは高齢者だし、受付はいったん終了だし、実際にそんな大事故がおこるはずないでしょう?

すぐに真面目腐った思考を持ち出すのは、日本人の悪いところ。政治の世界を捉えるのに、そんなまともな考えは必要ないんです。なぜなら、相手はまともではないのですから。

ドノヒュー氏が司法省には選挙結果を変える権限はないと説明すると、トランプ氏は「ただ選挙に不正があったといえ。後は私や共和党議員に任せろ」と答えたという。

トランプ氏、司法省に圧力 「選挙は不正」宣言要求 産経新聞

それが、彼らのやり方なのです。つまり、「取り付け騒ぎが起きそうだと騒げ。後は我々に任せろ」ということなのです。そういう意味では、当ブログも彼らに加担していると言うことですね。まあ、うちはそれを自覚していること、世間に全く影響がなことから、不問としましょう笑。

取り付け騒ぎの犯人

さて、ここからは少し真面目な考察もしていきましょう。米シリコンバレー銀行の破たんの原因ってなんだったのでしょうか。

ボストン・カレッジのパトリシア・マッコイ教授(法学)は、当局側もソーシャルメディアを常に監視し、銀行の対処方法に関する指針の整備が必要になると指摘。「ソーシャルメディアで根拠不明のうわさが出回ってパニックが起き始める兆しがないか、四六時中目を光らせていなければならない」と付け加えた。

焦点:SⅤB破綻に見る、デジタル時代の「取り付け騒ぎ」の構図 ロイター

SNSの噂、つまり「言ってくれ」の部分ですね。これは原因というよりはきっかけですね。流石にこれだけで、実際に銀行を破たんさせることは出来ないでしょう。

日本の地銀もJREバンクのサービスがいくらすごいからって、それだけで預金流出が殺到して潰れるなんてことはないし、もしそんなことになったら、JRは社会的に大きな批判にさらされることは必至です。

ですので、ここにはもう一個の重大なパーツが必要なのです。もうとっくにご存知とは思いますが、それはこちらです。

経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)のCEOだったグレゴリー・ベッカー氏は、16日に開催される米上院銀行委員会の公聴会で、破綻の主因として金利の上昇と多額の預金流出を挙げる見通し。

SVB元幹部「利上げと預金流出が破綻要因」、FRB見解と対立 ロイター

原因は利上げだと、ようは、中央銀行のせいだ! というわけです。これは事実ですね。さあ、これで分かりました。真犯人が、日本でも同じような事態を引き起こしたいとすれば、もう一つの決定的なパーツが欠けていることが。

バブル崩壊の轍

こちらの記事をご覧ください。

バブル経済とは?【バブル景気あるあるからバブル崩壊の原因まで】 

LIFULL HOME’S 不動産投資編集部

長くなるので全部を引用しませんが、バブル崩壊前の状況として、以下があったとありますが、これは、今とクリソツであります。

  • 超売り手市場の就職活動
  • 株式投資で大儲け
  • 空前の不動産ブーム

そして、バブルがなぜ崩壊したのかと言うと、

公定歩合の引き上げ

日銀が公定歩合を引き上げたことも、バブル崩壊の引き金となりました。

他に総量規制と地価税も上げられていますが、利上げがバブル崩壊の引き金を引いたのです。つまり、中央銀行のせい。

そして、なぜ日銀と政府はそのような決定的過ちを犯したのかと言うと・・

旧大蔵省や日銀がバブル潰しというかたちで具体的な行動を起こしたきっかけは、経済政策上の理由に基づくものではなく、むしろバブルは「悪」であるという勧善懲悪的な経済観に基づくものであったと考えられます。そして、徹底的なバブル潰しと、明らかに遅れたバブル崩壊後の政策転換を後押ししたのは、三重野を「平成の鬼平」と持ち上げ拍手喝采したメディアでした。

なぜ、バブル崩壊後の対応は失敗したのか──政策当局に影響を与えた4つのポイント NEWSPICKS

やっぱり、メディアとそれに踊らされた世論だっただろうと。これも今とクリソツですよね。今は「バブル経済ではなく「円安バブル」です。この悪の円安のために、日銀と政府は再び同じ過ちを犯さざるを得ないかもしれません。

「円安が問題だ」問題

そもそも、160円の円安ってそんなに悪いんですかね?

かつて安倍晋三元首相から、アベノミクスで円安になったらどうするのかと、聞かれたことがある。筆者の答えは簡単で「円安上等」だ。

   2年前の2022年4月に開かれた自民党の会合「財政政策検討本部」における安倍元首相の「1ドル300円になれば、あっという間に経済回復」発言がマスコミで取り上げられた。実は、この発言は正しい。

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 円安上等!外貨準備の含み益は数十兆円、国民に還元を J-CAST ニュース

高橋氏はこう仰っていますが、私には分からないですね。自分がそうだから言う訳ではないですが、結局、為替のどの水準が日本にとっていいか?悪いか? なんて誰にも分からないと思います。

なので、円安は悪くないです。

じゃあ、なぜ財務省は円安阻止に躍起になっているのでしょうか。それは毎度おなじみで「問題だから問題だ」とメディアに騒がれて、踊らされた幼稚な民意によって、良からぬ方向へ担がれてしまうことが分かっているからでしょう。

なので彼らは、円安がまずいから円安を止めようとしているのではないのですよ。介入を揶揄している奴らはとっても浅はか、賢さをアピールしようとしているだけの人丸出しで恥ずかしいです。

29日は植田和男日銀総裁が前週末(26日)の記者会見で、円安に明確な懸念を示さなかったことで、投機筋の円売りが勢いづいた経緯があった。「円売りが急増した直後に叩き落された格好で、市場心理の揺れを突く巧妙さを感じた」とある大手銀行の関係者は話す。

アングル:状況異なる2度の介入観測、市場に違和感 米の反応焦点 ロイター

前回の記事で書いた通り、やはり政府と日銀は巧妙な手でもって、円安を阻止しようとしたようです。しかし、敵は単なる投機筋ではないのかもしれませんね。

日銀総裁、円安発言に苦心 4月会見で円急落、首相会談後に軌道修正

朝日新聞

政府と日銀は、戦略を修正せざるを得なくなったようです。このままだと、折れる可能性も視野に入れておいた方がいいでしょう。敵の力は余りに強大ですから。

最悪は「円安バブル」を阻止するために、急激な利上げに動かざるを得なくなるかもしれないと言うことです。

すべては日銀次第?「限界地銀」がSVBの「二の舞」になり得る納得理由

FINTECH JOURNAL

それを決定するのは、テレビと新聞そして、SNSの申し子たち。幼稚な勧善懲悪論に囚われた立派な人に見られたがりの国民たちかも知れません。彼らは「正義の円安退治論」によって、破綻の道を選びかねない。いや、任せちゃったら、必ずそちらを選ぶでしょう。

米銀の破綻と金融不安を引き起こした米国の利上げは、日本にダメージを与えるのだろうか。すでに悪影響が出ているのは地方銀行で、調査によると、地銀99行が持つ外国債券などの含み損は昨年12月時点で1・5兆円に達し、同3月時点から9倍に拡大。金利の急上昇で外債の価格が下落したからで、昨年には山形市のきらやか銀行が公的資金注入申請の検討を始め、今年4月、9月をめどに申請することが発表された。今後、日本銀行が拙速な金融引き締めに走れば、日本国債の含み損も膨らみ、地銀の破綻や再編につながりかねない。

膨張する地銀の「債券爆弾」 日本に襲いかかる米銀破綻の余波 産経新聞

2020年以降に、国民がどんどん悪い方向に導ていくって構図が本当に増えましたよね。コロナ禍とか言うやつでは、政治ではなく世論のせいで酷いことになったことは、もはや誰の目にも明らかになりました。安倍政権に任せておいた方がよっぽどよかったわけですね。ですから、私たちは反省しなければなりません。

社会的判断力が不十分な多くの市民が意思決定に参加することで議論が停滞したり、扇動者の詭弁に誘導されて意思形成を行い、合理的ではない政策執行に至る場合がある。

「衆愚政治」 ウィキペディア

ガンバレ、岸田政権。言うまでもないことですが、あなた方はプロフェッショナルです。