ドラクエやFFシリーズに次ぐ人気シリーズである「聖剣伝説」の最新作が、トンデモナイ内容だと話題になっているようです。
御子が出せなかった村は早い段階で滅んでしまうため御子の犠牲は必須であり、マナの女神の使いであるフェアリーによって御子に選ばれることはきわめて名誉な事だ。ゆえに誰しもが自らが御子に選ばれることを求め、選ばれた御子も意気揚々とマナの樹へと旅立つのだが……この一連の習慣とそれにまつわる人々の反応は、現代人の価値観からするとかなり違和感があるものだ。
聖剣伝説 VISIONS of MANA – レビュー IGN JAPAN
しかし、当ブログ読者の中には、こう考えた人も多かったのではないでしょうか。これは現実世界そのままではないのか、と。
カルト教団が主
「聖剣伝説 VISIONS of MANA 」のamazonのレビューでも同様のコメントがありまして、「主人公の一団(正義側)は、まるでカルト教団の一員」のようだとのことなのです。
御子やマナの樹の直接の関係者ではない人物でこの風習に疑義を唱えるのが、卑怯な悪役くらいしか見あたらないのもすさまじい。
そして、この「カルト」への反抗を示しているのは、敵側だというのですから、この「逆転劇」には、笑うしかありません。IGNのレビューは、更にこうあります。
たとえば現実世界においては太平洋戦争時の特攻隊員の死を必要な犠牲であるとして美化する理路が存在したけれど、それにしても我が子を戦地に送り出す親には大きな葛藤があったであろう。しかしこの世界では御子の供出が明確に意味のある行為なので、その葛藤すらほとんど見当たらない。
やっぱり、現実世界そのものをやん、と私は思いましたね。筆者の方は「葛藤があった」と言いますが、ここ最近の集団の動向を眺めていますと、それにも大いに疑問を感じます。一部の人以外は、名誉のために喜んで子息を差し出したのではないか? と考えてしまう現象をまざまざと見せつけれらてきた、ここ数年だった気がします。
そして、これは最近や日本人だけに限った話ではなく、人間の性質とも言えるい大きな話の可能性の方が強そうです。
例えば、トルストイは、名著『戦争と平和』の中で、このように語らせています。
そして、たくさんの人間が、父、妹、妻が―おれにとって一番大切な人間が―どんなに大切で、どんなになつかしくても、これがどれほど恐ろしく、不自然に思えようと、おれは名誉の一瞬のために、人々に勝ち誇る一瞬のために、自分が知りもせず、知ることもない人間たちに愛されるために、まさにそういう人間たちに愛されるために、父や、妹や、妻を今すぐにでも引き換えにする。
『戦争と平和』 トルストイ
私たちは一集団に属する限り、その中で共有された「教義」に対しては、無批判に信奉せざるを得ないのです。そんなことを教えてくれる「聖剣伝説 VISIONS of MANA 」は、まさにトンデモナイ名作だと言えるでしょう。amazonのレビューの点数は、あまり高くないみたいですけどね・・
「集団」はどこからやってきた?
さて、我々を支配する集団というのは、いったいどこからやってきたのでしょうか。その謎を解く鍵を握るのは、彼らではないでしょうか。
集団同一意識だけならいろんな動物に見られるが、それ以外にヒトとチンパンジーが共有する特徴が二つある。ひとつは、よそ者を毛嫌いするあまり、相手の人間性(チンパンジー性)を否定することだ。自分の集団 とよそ者集団を隔てる溝はあまりに深い。
『あなたのなかのサル』 フランス・ドゥ・ヴァール
その性質は、チンパンジーと共通の祖先から受け継いだものなのかもしれません。他の思考集団を毛嫌いする傾向は、コロナ禍以降に顕著となり、世界的により過激化しつつあります。
世界がそれまでの統一から離れ、多極化へ向かっていることはとっくにご存知ですね?
中国は公平と正義を堅持しつつ世界の多極化を推進する
AFP
それは異なる集団が乱立すると言うことであり、チンパンジーのいや人間の性質から考えると、それ自体がいいこと、とはあまり思えません。我々の持っている性質から考えれば、集団は統一されている方が、平和であると言えそうです。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのカラマール事務総長は24日、複数の激しい紛争などにより脅かされ、第2次世界大戦後の秩序が「崩壊寸前」だと警告した。
第2次大戦後の秩序「崩壊寸前」 国際人権団体トップが警告 AFP
過去記事において、世界史とは世界統一史のことであるとかきましたが、第二次世界大戦を経て、それはほぼ完成していました。
世界統一は「よからぬ輩」の長年の夢であり、コロナもその計画の一部であるとの噂が広まりましたが、どうやらそれは「知ったらしまい」の典型例だったようですね。始まったのは、その「逆転」だったのです。
「第三次世界大戦でどのような兵器が使われるかは分かりませんが、第四次世界大戦はこん棒と石で戦われるでしょう」
Albert Einstein(アルバート・アインシュタイン)
世界の平和を願う人へ。アインシュタインの名言「第三次世界大戦でどのような…」英語&和訳 YAhoo!ニュース
統一されたは、この「リセット」を人類全体にいきわたらせるため、そのために「世界」が必要だったからではないでしょうか。
「崩壊学」の共同執筆者であるセルヴィーニュ氏によると、多くの人命が失われて文明が崩壊する要因は大別して3つあると指摘する。
1つは、「戦争」。
2つ目は、「病気」。
3つ目は「飢餓」だ。これら3つの要因すべてが、人間性に依存するところが大きい。そのため、人間性の持つ概念、良識といったものが消えた途端に、人々が野蛮性をあらわにするため一気に崩壊へと向かうと氏は考えている。
「コラプソロジー(崩壊学)」とは 人類がたどるかもしれない文明崩壊への道筋 ELEMINIST
ある学問によれば、文明は戦争と病気を飢餓により、文明は崩壊し、人類は野蛮人になるかも知れないらしいのです。個人的には、これが「グレート・リセット」なんじゃないかと思うんですけどね。
でも、大丈夫です。文明人の集団には、きちんと移住先が用意されているみたいなので。何はともあれ、近い将来「普通の人」にとって、地球はすごく住みづらい場所になる(そういう話になる)ってのは、間違いなさそうです。
文明化されたサル
最後に、最近、特に感じていたことだったのですが、フランス・ドゥ・ヴァールさんが、ズバリ書いてくれていたのでご紹介します。
実験室のチンパンジーは、実験者が 指さしたごほうびを見つけるといった抽象的な課題をこなしたり、四と五と六のちがいを見わける数 感覚を試されたりする。うまくいかないと、やはりチンパンジーより人間のほうが賢いという結論に なる。しかし、彼らが集団に戻り、生まれたときからいっしょの仲間と過ごすのを見ていると、チン パンジーの知性は人間と遜色ない印象を受ける。
『あなたのなかのサル』 フランス・ドゥ・ヴァール
ええええ、そうなんですよ。私も、本当に強く思います。チンパンジーが賢いと言うよりは、人間って思ってるほど、頭よくないよねって・・。
ある言語博士がボノボに言語を教えて、見事に習得させたらしいのですが・・
カンジは、人間の子どもと同様に言語と触れ合って習得した最初のボノボで、人間が話す英語の音声を認識し、理解する能力がある。記号とそれに対応する反応を理解し、図形的にある種の文章を作り出すこともできるという。
天才ボノボ、類人猿の優れた知能 NATIONAL GEOGRAPHIC
習得にどのくらいの期間がかかったか知りませんが、せいぜい数年でしょう。この教育を何万年って単位で行ったとしたら、ボノボやチンパンジーもパソコンとかスマホを使えるようになると思いません? 個体にじゃなくて、集団に対してですよ。
つまり、私たちは元から特別な存在なのではなく、単に文明化されたサルなんじゃないか、と思うのですね。で、いったい誰が文明を私たちに与えたのでしょうか。
私のyoutubeにしょっちゅう出てくる集団によれば、それは宇宙人らしいのですけどね。私は地球人の誰か、じゃないかと思ってるんですけどね。
別の人類を探す
PLANET OF THE APES 猿の惑星》でアリを演じたヘレナ・ボナム・カーターは、役作りのため にどんな工夫をしたかと聞かれて、自分のなかにいる類人猿を呼びだしただけだと答えた。彼女をはじめとするこの映画の出演者は、「サル・アカデミー」と称して類人猿の姿勢や動きを勉強した。ボ ナム・カーターは、自分のなかにチンパンジーを見いだしたらしいが、小柄な彼女はどちらかというとセクシーなボノボだった。
『あなたのなかのサル』 フランス・ドゥ・ヴァール
残念なことに? 人間とチンパンジー、ボノボは、とてもよく似ていますね。「毛」のことについて、今回は触れませんが、大きな違いはそこですかね。
チンパンジーとボノボ、 この二種類の類人猿の対比は、心理学で言うHE性格とHA性格にも通じるものがある。HEとは「階層強化」の意味で、法と秩序を重んじ、厳しい手段を用いてでも周囲をおとなしくさせようとする性格だ。いっぽうHAは「階層希薄化」ということで、相手と同じ土俵に上がろうとする。大事なのは、どちらの性格が望ましいかということではない。HEとHAがいっし ょにならないと、人間社会は成立しないからだ。私たちの社会は、この二タイプのバランスをうまく 取りながら機能している。犯罪者を裁く司法制度はHE寄りだし、公民権運動や困窮者の救済はHA の色彩が濃い。
フランス・ドゥ・ヴァール氏は、人間社会にはチンパンジー脳とボノボ脳のどちらも必要だと言います。なるほど、確かにそれはその通りでしょう。
しかし、どうも私はここ最近の国際政治の分析をしていて、その策動者は「HEとHA以外の性格」を探しているのではないか? と考えるようになりました。
それはすなわち集団=人間社会に属さない、組しづらい性格。
霊長類では異例 専門家が教える、「孤独」極めるオランウータンの生き様
朝日新聞 GLOBE+
恐らくは「西側」の類人猿チンパンジーとボノボの攻勢により、私たちの中に、極端に少なくなった「東側」出身のその性格。
成功をかちとれなかった遺伝子を排除していった結果、人間のような生きものが誕生したのだとしたら、ダーウィン進化論の説得力はいっそう高まってくる。
『あなたのなかのサル』 フランス・ドゥ・ヴァール
絶滅に近づきつつある「集団に支配されない遺伝子」を、取り戻す。ことが、オペレーション「グレート・リセット」の本当の目的かも知れません。だって、「集団」は、そのうち他の星に移住しちゃうんでしょう?
本当の最後に余談的に『あなたのなかのサル』に、こんな面白いエピソードがあったので、ご紹介いたします。
ヒト科のなかで交配が行なわれ、弱い種が「吸収」されていった可能性も大いにある。 ネアンデルタール人の遺伝子が、あなたや私のなかに息づいているかもしれないのだ。だから、「あいつはネアンデルタール人みたいだ」と冗談で言いたくなっても、気をつけたほうがいい。私はモスクワのある研究室で、ネアンデルタール人の頭蓋骨をもとにした復元模型を見たことがある。だがこの模型は、一度も公開されたことがないという。なぜならその顔は、かの国の指導者に図らずも酷似しているからだ。本人はいい気持ちはしないだろう。
『あなたのなかのサル』 フランス・ドゥ・ヴァール
一説によるとネアンデルタール人は、孤独を愛したために、ホモ・サピエンスより劣勢になったらしいですよ。