前回の記事、ドヤ顔で「神の計画」を暴いてやったぜ! というつもりだったのですが、それからたった一週間・・・なんと・・・
ナチス政権下のドイツで、絶滅したはずの動物を再生させようとしていた兄弟がいた。彼らの目的は「アーリア的自然」をよみがえらせることだった。
「絶滅動物を交配で再生」ナチス政権下のベルリン動物園が進めた危険な計画 PRESIDENT ONLINE
それが、単なる既成事実に過ぎなかったと言うことを知る衝撃に、うちのめされました。ふう~まるで、孫悟空にでもなった気分だぜ。。
「神の計画」の実行者
ナチスで「神の計画」を実行していたルッツ・ヘックさん。
またその言動はナチスを先どりするものであったと、みずから自伝に記している。彼は息子たちから、「父さんはすでに国家社会主義者(ナチス)だったんだよ。この言葉ができる前から、僕たちに国家社会主義的な世界観を説いていたじゃないか」といわれていた。
彼は、ナチスの前からナチスだったとのことです。
さらにルッツが、弟ハインツとともに精力的にとりくんでいたのが、オーロックスやターパンといった絶滅動物を再生することだった。オーロックスは、現在家畜となっているウシの祖先であり、ターパンは家畜のウマの祖先にあたる。また、当時絶滅にひんしていた野牛ヨーロッパバイソンの再繁殖も試みた。彼らは、なぜこれらの種に関心を示したのか。筆者は、この問題を調べてくわしく書いたことがあるが、ここではかんたんに説明しておこう。これら3種の生きものは、中世ドイツの英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』のなかで、ジークフリートが狩ったとされている生きものなのだ。少なくともルッツはそうみていた。
もちろん、前回の記事を書いた時点では、このことを知りませんでした。
つまりルッツ・ヘックらの絶滅動物再生計画は、ジークフリートが生きていたとされる時代の自然、つまり「アーリア的自然」をよみがえらせるものだったのだ。ついでにいえば、彼らの計画は「アーリア的」な形質をもつとされた人びとの子孫を増やして「純血種」を増やそうとする、ヒムラーの人種計画ともパラレルな関係にあった。ナチスは、彼らが「アーリア的」とみなす人種、文化、自然によって統一された帝国をつくろうとしたのであり、ベルリン動物園はその一翼を担っていたのだ。
つまり、私は自らの力で「真実」にたどり着いた気でいましたが、単に「神の手のひら」の上で転がされていただけだったと言う訳です。
こうして、彼らの手でオーロックスもターパンも「よみがえる」ことになった(P1、図版1)。ただ、これらが本物のオーロックスやターパンなのかといえば話は別である。たとえばオーロックスについては、ヘック兄弟は科学的な調査にもとづくよりも、勝手につくりあげた「原牛」のイメージにしたがって交配をくりかえしたことが明らかになっている。ヘック版の「復元動物」は、本来の姿に近いというよりは、彼らが理想とする姿をあらわした生きもの、つまり「本物以上に本物らしい」一種の怪物であった。
しかし同時に、「神の計画」は、現実的にあり得る話であることが確認出来ました。
排除される人々
さて、話を現代に戻します。
ドナルド・トランプ氏は多くの若い男性から愛されている。若者は概して民主党支持の傾向が強かった。しかし今回の大統領選挙では、若い男性(18-24歳)の半数近くがトランプ氏を支持したことが出口調査で明らかになっている。同氏が勝利を引き寄せた要因の一つであり、人種や民族の垣根を越えて若い男性に受けている。
人気の理由は何か。文化的反動の側面があることは間違いない。女性の社会進出や責任拡大といった社会的傾向の一部が男性に疎外感を与え、それをトランプ氏がすくいあげた格好だ。
【コラム】若い男性はなぜトランプ氏を支持したのか-シュレーガー ブルームバーグ
今回の米大統領選挙で、トランプを圧勝させたのは、排除された若い男性だったと言います。前回の記事で文明社会は「無能な人たち」を排除するように、予め仕組まれている可能性について書きました。
旧約聖書の「創世記」では、創世の物語が始まるやいなや、別々の職業を選んだ弟と兄が登場 する。「アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。主はアベルとその捧げ 物に目を留められたが、カインとその捧げ物には目を留められなかった」(創世記4:2-5)。 ことの顛末は誰でも知っている。 天地創造からわずか一世代にして、弟と兄はそれぞれの労働に対して異なる報いを受け、その不平等が引き起こしたふつふつと沸き立つような恨みが、人類最初の殺人につながったのだ。
『遺伝と平等』 キャスリン・ペイジ・ハーデン
今、欧米社会に起きているのは、正にこのようなことです。
たとえば、ある国が、赤毛の子どもが学校に通うことを禁止したとすれば、髪を赤くする遺伝子は、識字能力を低下させると言うことができる。 ……………この状況で、赤毛の人たちの識字能 力の低さを遺伝子のせいにするのは、多くの人にとって馬鹿げたことに思われるだろう。しか し、まさにそれこそは、遺伝率を推定するために従来行われてきたことなのである。
文明社会とは、誰かを排除するために設計されていると考えても差し支えないように思えます。そして、その考えは、もはや特異な物とは言えないのです。
二十一世紀の資本主義において 「成功した」人たちは、主には勤勉な努力家だったから成功したのであって、誕生時の偶然遺伝くじと環境くじの両方――の恩恵を受けたから成功したのではないという神話を永続化させ ているのだ。
その神話は、(日本以外では)もはや、過去のものだと言っていもいいでしょう。「劣った者たち」の怒りが、陰謀論の信奉を拡大させ、トランプの圧勝を生んだわけです。
日本でもコロナ禍以降、多くの人たちが主にSNS上で、「金持ちの計画」に怒りの声を上げ始めました。その大きな象徴が、「ワクチン」でした。しかし、トランプが「神に選ばれた」のであれば、
「トランプは神に選ばれた」信じる人々 分断に橋はかけられるのか
朝日新聞
この話の結末は、まるで映画のように「世紀の逆転劇」を見せるのかもしれません。
トランプ次期米大統領が厚生長官にロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表したことを受け、製薬株が急落している。同氏はワクチン反対派であるほか、米食品医薬品局(FDA)に対して批判的な立場を示しており、製薬会社のワクチン販売への影響が懸念されている。
ケネディ氏登用で製薬株急落 ワクチン反対姿勢に警戒 日経新聞
「陰謀論者」が、厚生長官に指名されるとは、これ以上ない「大逆転劇」。
社会的に価値を与えられるのであって、生まれながらに価値があるのではない
おそらくは他のどんな表現型と比べても、知能 (標準IQテストで測定されたもの)と教育上 の成功という表現型は、劣った人間と優れた人間というヒエラルキーの観点から見られてしまいがちだが、そうなったのはたまたまの偶然ではない。それは周到に作られ、広められた考えなの だ。
『遺伝と平等』 キャスリン・ペイジ・ハーデン
世界を見渡せば、人びとの「価値観」は、見事に逆転しつつあるではないですか。
なぜ世界の大富豪たちは「宇宙」を目指すのか?
MIT TECHNOLOGY REVIEW
なぜか?って、その結果「優れた者たち」は「劣った者たち」に追い出されるから、ではないですかね。そして、これこそが「神のお導き」なのかもしれません。
「神」の候補者
当ブログではここ最近、大変畏れ多いことに、「神」の正体についても、触れておりますが、その第一候補は、やはり、彼らでしょう。
これらを総合すると、当時、ネアンデルタール人はホミニンの頂点に立っていたことがわかる。
『ネアンデルタール』 レベッカ・ウラッグ・サイクス
かつて、”人類”の頂点に立っていたというネアンデルタール人。そんな彼らが、「神」と崇めていた存在があります。
アイヌはヒグマをキムンカムイ(山の神)と呼んで高位の神と位置付け、イオマンテ(熊送り)などの儀式を行った。ネアンデルタール人もクマを崇拝していたとも言われる。自分たちの祖先として、クマを信仰する場合もある。
「クマ」 ウィキペディア
はい、「神」、つまり人類の祖先は、サルではなくクマであると考える人たちもいると。おっと、面白くなってきましたね。
最初に科学的研究の対象となったネアンデルタール人類の化石が見つかったのは1856年で、場所はドイツのデュッセルドルフ郊外のネアンデル谷 (Neanderthal) にあったフェルトホッファー洞窟であった。これは石灰岩の採掘作業中に作業員によって取り出されたもので、作業員たちはクマの骨かと考えたが念のため、地元のギムナジウムで教員を務めていたヨハン・カール・フールロットの元に届けられた。
「ネアンデルタール人」 ウィキペディア
そもそも、ネアンデルタール人を最初に見つけた時、熊だと思ったよ、と書いてありますね。
クマの足跡とみられていた謎の化石、未知の人類の祖先のものか 研究
CNN
非常識上等の当ブログに突如降ってわいた、人類の祖先、実は、熊説。
「ビッグフット」あるいは「サスカッチ」と呼ばれる存在に、人々はずっと以前から魅了されつづけている。大柄で、毛深く、ヒトに似た姿で二足歩行する動物が、米国の大西洋岸北西部やアパラチア山脈の森の奥に潜んでいるという報告は、その存在を信じる人にも、疑う人の方にも、等しく想像力と好奇心をかき立ててきた。
だが、科学者たちがこうした証言を詳しく検討すると、1つの事実が明らかになった。ビッグフットの目撃例に登場するのは、伝説の古代生物などではなく、おなじみのアメリカグマ(学名Ursus americanus)ではないか、ということだ。
北米で目撃される未確認生物「ビッグフット」、その正体を生物学者が解説 FORBES JAPAN
そして・・
また、冬眠中の低代謝状態をどうヒトで再現するのか、そして冬眠からどう覚醒させるかはまだ研究途上だ。ただ、ネアンデルタール人が冬眠していたのではないかという研究もあり(※9)、ヒト(ホモサピエンス)も同様の遺伝子を持っている可能性がある。
ネアンデルタール人も「冬眠」していた? ヒトの「人工冬眠」の可能性を探る Yahoo!ニュース
ネアンデルタール人、冬眠していた。
更に、ほら、この人もこんなことを言ってますよ。
森の中でクマさんに出会ったら、数を数えられるか聞いてみるといいかもしれない。最新の研究によれば、霊長類に匹敵する知能を持つ可能性があるという。
クマも“数”を数える NATIONAL GEOGRAPHIC
争いの根源は、「類人猿」VS「類人熊」なのか?
匂わせニュース
ナチス・ドイツ時代の兵士と、ポーズをとったことも。
クマと通行人 かつてドイツで流行した不思議な写真たち BUZZFEED
↑こちらは着ぐるみですが、↓こちらは本物・・のはず・・
そして・・
自治体に抗議した女性:「当たり前のように馬鹿みたいに(クマが)来たら殺す。それしかできないのっておかしい。みんな野生の生き物って、癒やしてるわけじゃない。クマは怖い汚い恐ろしいというイメージを植え付けられている。悪者じゃないよ、そう思わない?」
「人間がクマのテリトリーを侵している」とテレビ朝日に意見を寄せたのは、北海道や秋田など複数の自治体にクマの駆除について抗議の電話を掛けたという女性です。今回、番組は直接話を聞きました。
クマ駆除に抗議電話30件…女性を直撃「人の責任だ」秋田知事「感情論多い」【詳細版】 テレ朝ニュース
神様は大事にしないとね!
一番の謎
さて、話が取っ散らかってきたので、今回はここらで終わりにしましょう。え? ちょっと待てと、おっしゃる? 最大の謎が、まだ残ったままだぞって?
では、最後の最後に当ブログ読者の大多数を占めるであろう、(中年?)男性の最も高い関心を引いたことに疑いの余地のない、内容に全くそぐわない、キャッチアップ画像の「謎の美女」の正体を明かしましょう。
コロナウィルスの脅威が、アメリカと世界にさざ波のように広がり、学校も店も休みになるなかで、社会的責任を感じている人たちは、自分のコミュニティのなかでもっとも弱い立場にある人たちを守るために、自分は何をする必要があるだろうかと自問している。パンデミックの収束後も、われわれはそう自問していかなければならない。
『遺伝と平等』 キャスリン・ペイジ・ハーデン
(遺伝的に)弱い立場にある人たちを守る社会を作るために、自分の出来ることを考えなければならないと力説するのは、キャスリン・ペイジ・ハーデン、テキサス大心理学教授。前回と今回で、ほんの一部を紹介した『遺伝と平等』は、初の著作で「ニューヨーカー」、「ガーディアン」など各媒体で絶賛された上、「エコノミスト」ベストブックに選ばれたそうです。
「最強の遺伝子」があらわれた! コマンド? オレサマはにげだした(ドラクエⅠ風)
いい加減にしろ! トランプばんざーい!