「生きづらい世の中」という言葉をよく聞くようになりましたね。つい最近「文明社会とは、監獄だ」というようなことを書きまして、かましてやったぜ、というつもりだったのですが、これは、取り立てて特別な考えでもなかったようです。

なぜ?

しかし、現代の日本社会が「生きづらい社会」になることは、実は100年以上前から予測されていたのです。

100年以上前に予言されていたこととは?

予測したのは19~20世紀に活躍した経済学者のカール・マルクスと社会学者のマックス・ウェーバーです。マルクスは、資本主義が進むとさまざまな場面で人との関わりや個人の楽しみよりも利益が優先され、一人一人が「疎外」状態になると予測しました。またウェーバーは、規則順守を重視する官僚制が広がると、個人の思考や行動に対する自由が抑制され、社会全体が「鉄の檻(おり)」のような状態になると予測していました。

100年以上前に予言されていた現代の「生きづらい社会」 夢ナビ

それは100年以上前に、高名な学者によって言及されていたことだったのです。しかし、なぜ、そうなったのか?に関する予測では、当ブログは、特異性を維持出来ているでしょう。

私たちの文明社会は、蟻の社会をモデルに設計されているとは、誰も思わないでしょうから。

アリと人間。似ても似つかぬ存在だが、実は両者には共通点が多い。7千万年も前から地球上に存在するこの小さな昆虫は、農業も行えば仕事の分業も行い、我々人間社会のあり方を先取りしていた。

アリ、人間によく似た存在 農業もできる SWI

私たちの社会が蟻の社会に似ているのは、たまたまではなく、目的をもって、そう設計されていると思います。

大規模な群れでは、全面戦争が行われます。モフェットさんの観察によると、人類もアリも群れの数が1万を超えたあたりから、儀式的な戦闘から本格的な戦争に移行しだし、群れの数が数十万を超えると、戦争の過激さは最大化するそうです。モフェットさんによると、世界の侵略的外来種ワースト100にもノミネートされるほど凶暴な性質を持つアルゼンチンアリは互いの群れを標的として、何百万の犠牲者を出すような大規模戦争をサンディエゴ近郊で毎週行っているそうです。

「アリの戦争は人類の戦争とよく似ている」のはなぜか? GIGAZINE

生きづらい? そりゃそうやろ!

つまり、現代人は、蟻の世界を正しいと信じ込んでいるのです。そして、これらの構造が、人類史のごく最近の一部だけのことであるという事実が、その奇怪さを示しています。

誰が?

文明社会が、蟻のコロニーに似ていると言う話はいくらでも見つかります。

アリについて考えるときに、ずっと面白く感じてきたことがある。人間と似ている一方で、一緒にはできない異質性もあることだ。

似ているのは、社会を営むことだろう。しかも、アリには全員に仕事がある。毎日せっせと根気強く仕事場に通ってもいる。

半面、アリの暮らしには、理解しがたいことがいかに多いことか。

みじめなほどに「私」は存在せず、個は集団に組み込まれている。指導者もいなければ、調整役もいない。彼らの暮らしは本能とアルゴリズムに支配されながらも、そこから集団としての知性が生まれている。

この惑星を支配するのはアリだ!農耕・建築・民主主義…人類が見習うべきその社会 GLOBE+

しかし、もちろん「人間と蟻は全く似ていない」のです。なのに、なぜ? 私たちは「私たちの」ではなく、蟻の社会を志向しているのでしょうか。

およそ5000年前、最初の文明が発達し、それとともに最初の都市が出現し、それらが集まっていくつかの帝国ができた。同じころ、どの帝国でも共通の技術が発展し、社会も同様に進化した。人々は組織的な農業を始め、次第に分業が始まり、最後には1つの仕事に専念する手工芸職人や商人が誕生した。経済と貿易が盛んになり、初めて蓄えができた。支配階級が誕生し、壮大な建築物を建て、石に自らの権威を刻み込んだ。

同時に筆記、計算、計画などといった文化的技術が新たに花開いた。村の市場が貿易網に拡大し、複雑な物流が可能になった。そこに芸術が加わる。画家、彫刻家、モザイク職人の需要が高まった。まるで目に見えない力が働いているかのように地球のいたるところで同様の発展が同時に進行した。20世紀の考古学は、これらの発展をヴィア・ゴードン・チャイルドにちなんで「チャイルドの基準」と名付けた。

「文明」が全世界的に「同時」に発生した理由…人間社会に“不平等”をもたらした、人類が一同揃って刻んでいた「一定のリズム」とは 現代ビジネス

それは、誰かに仕組まれたからだ、と考えてはいけないのですか?

これらすべての地で、陶芸、建築、都市開発、宝石や装飾品の生産、植物の栽培、動物の農業利用、国家権力を称える儀式の痕跡が見つかっている。まるで、場所に関係なく、全人類が一定のリズムに従って生きているようだ。このリズムが最初の高度文明を生み出したと同時に、支配者も誕生させ、社会に前例のない不平等をもたらした。

その「誰か」の正体を、私は「カミ」だと考えたのです。

近年注目されているのは、心理学者のアラ・ノレンザヤンが提唱した「ビッグ・ゴッド仮説」というものです。人類史では、紀元前10000年頃の新石器時代のはじめに急激に人間の集団が発達して、農耕革命が起こったことが知られています。しかし、一体どうしてそんな急激な変化が起こったのかはこれまで謎に包まれていました。

ビッグ・ゴッド仮説では、これに宗教が関係していると考えます。通常、集団が大きくなると、人々の結束は弱くなり統制が取れなくなってきます。そこで、大きな神、ビッグ・ゴッドが上空から人々を監視していると考えるのです。

研究者の質問バトン(4):宗教はどうして生まれたの? ほとんど0円大学

宗教は文明と同時に、スタートしたと考えていいでしょう。ようは、その頃から、ヒトは現実ではなく、空想を生きるようになったのです。だから、私はこう考えます。ヒトが夢見がちであるのは、決して生物学的な特性からではないと。

――「副産物」説の話に戻るのですが、認知能力のバグが宗教的体験のはじまりならば、人間以外の動物でも起こりそうですよね。宗教が人間にしかないとすれば、それはどうしてなんでしょうか。

いい質問ですね。これに関しては、ハトを使った古典的な実験があります。ボタンを押すとランダムに餌が出てくる装置を設置すると、ハトは餌を出すために試行錯誤して、そのうちボタンを押す前に変な動きをするようになるんです。特定の動きをした時に偶然餌が出てきたので、それを繰り返して餌を出そうとするんですね。これは因果関係の認知の誤りから生じる「迷信行動」と呼ばれ、さらに発展したものが人間でいう迷信や呪術、例えば雨乞いの儀式なのだと言われています。

我々は決して、元から特別な存在ではないのですよ。このハトと同じように「誰か」が我々に、科学的に「迷信」を信じ込ませたと考えれば、辻褄はあうのではないですか?

相手の気持ちを想像することができてはじめて、神様が怒っているだとか、お祈りをすれば願いを聞いてもらえるだとかというふうにも想像できるわけです。

――認知の誤作動だけでなく、相手の気持ちを察する能力があってはじめて神様が生まれたと。

いや、動物にも相手の気持ちを察する能力はあると思うよ。

目的は?

では、その目的はいったい何なのか?

しかし、群れの働きアリたちはすべて、女王の子ども。そのため、女王アリの死が意味するのは、群れに「新しいアリ」が生まれなくなることです。

それぞれの働きアリが命尽きると同時に群れは衰退して、「日常」には間もなく終わりがくることが分かっていました。

その様子は「まるで社会を見ているようだ」「とてもエモい」と話題になりました。

「女王アリが死亡」展示が終了 来園者が見た「強さ」と「変化」 withNEWS

その心は「女王様」の隔離にある、と読みます。アリと違って、ヒトは女王でなくても繁殖できますから、滅びてしまうということはないでしょう。ただ「女王様」がいなくなれば、それ相応に、繁殖力は衰えるのではないですかね。

ですから、文明社会では「女王様」たちが、ピラミッドの上に集まってくるように予め設計されているのですよ。

安藤 そもそも組織内に「似た考え方の人材」が増えるのは必然かもしれません。企業はリクルーティングや配属にあたって、「組織やカルチャーにフィットするか」という視点で人材をジャッジしますよね。

【行動遺伝学】職場には似たもの同士が集まる?個性が輝く組織づくりとは pot

「女王様」は、「カミ」が指名したのでしょう? 王、皇帝、教皇、天皇、ユダヤ人、などがそれらにあたるのでしょう。

で、気づいてしまいました。

しかし意外にも、人々の関心を引いたのは、TOP20にランクインしなかったこの一枚でした。これは、リトアニアの写真家、オイゲニウス・カヴァリアウスカス(Eugenijus Kavaliauskas)氏が撮影した、オオアリ属 (Camponotus)の顔のドアップ写真です。

氏によると、このアリは、リトアニア中西部の都市タウラゲ(Tauragė)にある自宅近くの森で捕まえた、ごく普通のオオアリだそうで、別に悪魔に取り憑かれているわけではありません。

まるでホラー映画! 顕微鏡写真コンテストの「アリの顔面写真」が怖すぎる ナゾロジー

悪魔の正体は、蟻だと。

人間の企業でも似たようなことが起こっています。グローバリズムの名の下に、人件費をコストとみなし削減し、システムを効率化しようとする動きが強まっています。

働かない働きアリに意義がある KDDI

アリは、グローバリストだった!

現代の人間社会で一般的になった「グローバル経済」がアリの社会でも起きているのではないか。今はそれをテーマに研究しています。

人間と同じ?「働きアリは早死にする」衝撃事実 アリの社会でも経済学の理論が見出せる 東洋経済オンライン

そう、悪魔の秘密結社に属しているのは、他でもない我々です。

かつてない規模で進む自社株買い。専門家からは企業が株主を意識した経営を行うことは評価できるとしつつも、ここまでの規模に膨らむと、企業の分配のバランスが崩れているのではないかといった見方も出始めています。

空前の買い戻し 勢いはいつまで【経済コラム】 NHK

「女王様」への「上納システム」を、ただひたすら正しいと信じるヒトは、まさにアリです。

ニュンペー(古希: Νύμφη、古代ギリシア語ラテン翻字: Númphē、英語: Nymph)、複数形ニュンパイ(古希: Νύμφαι、古代ギリシア語ラテン翻字: Númphai)は、ギリシア神話などに登場する下級女神(精霊)である。 山や川、森や谷に宿り、これらを守っている。 一般に歌と踊りを好む若くて美しい女性の姿をしている。 ギリシア語の普通名詞としては「花嫁」や「新婦」を意味する。

「ニュンペー」 ウィキペディア

ギリシャ神話の精霊、英名で「ニンフ」は、シロアリの女王候補生のことを言います。

ここまでシロアリのニンフの特徴についてご紹介してきましたが、そもそもニンフ自体どうして存在するのでしょうか。

それは生殖行動のためです。

先程、シロアリのニンフは生殖虫になる一つ前の段階で、ニンフが成長したその後の姿が羽アリであることをお話しました。

しかし、実はニンフにはもう一つ形態が存在していて、羽アリにならない道をたどることもあります。

では何になるかというと副王や副女王です。これらの階級のことを「副生殖虫」といいます。

シロアリの「ニンフ」って?特徴や役割について紹介 シロアリ一番!