2020年のパンデミックが世界への広がりを目の当たりにし、世界中の誰もが恐怖を感じ、これからとっても悪い未来が到来することを予感したことでしょう。それから5年後・・・その予感は見事に外れ、「とっても悪い世界」の代わりに姿を現したのは、「クソどうでもいい世界」だったのではないでしょうか。
クソどうでもよくなったパンデミック
「(世間では)コロナは過去のものになっているし、コロナはただの風邪だと言う人もいる中で、コロナ後遺症で闘っている人も忘れないでほしい」
「コロナ後遺症で闘っている人も忘れないで」青春を奪われた19歳 『終わらないコロナ』後編 コロナ5類移行2年の今、思うこと【長野】 マイチャン.テレビ信州
象徴的な現実として、あれだけの騒がれたパンデミックは、「クソどうでもいい」扱いになっています。そして、同時に大騒ぎとなっていたこちらも・・
一方、ワクチン接種率は下降の一途だ。国は21年、無料でワクチンを打てる「特例臨時接種」を開始。県によると、県内の初回接種率は80.9%、2回目は79.6%だったが、徐々に低下。6回目は21.3%、7回目は13.8%だった。
新型コロナ死者 3年連続で650人超え 鹿児島県内 23年の5類移行後も高止まり、ワクチン接種率は低下続く 南日本新聞デジタル
もはや誰も興味がない、という状況になっています。少し前のことですが、私が医療機関を受診した時に、「コロナワクチンを打っていますか?」と聞かれたので「打っていません」と答えると、「え? 一度も? なんでですか?」と、ちょっと訝しむ感じの反応でした。私はそこで、「興味がないからです」と答えたのですが、今になって見て見れば、最新のトレンドを先取りした名回答だったと自負しています笑。
ヒトそれぞれ
で、この「クソどうでもいい」現象は、感染症だけに留まりません。最近ですと、その劣化具合から、「神」から「クソどうでもいい」存在になりつつあるのが、芸能界でしょう。他にも、政治、メディア、学校などの「神」的存在が、どうでもいい存在に貶められています。
トランプ米大統領は15日、ハーバード大学が政権から要求された方針の変更を拒絶したことを受けて、同大学を政治団体とみなして課税する考えを示した。
トランプ氏、「政治団体として課税すべき」 要求拒絶のハーバード大に CNN
これらの現実を目の当たりにして、人々はどう考えるでしょうか。もちろん、捉え方は人それぞれです。
リベラル派の人は「ヒトラーの再来だ!」と憤慨し、極右派の人は「トランプ、いいぞ!」と大興奮していることでしょう。
また「ディストピア派」の人は、世界は週末に向かっていると、達観した悲観論の中で、世界を眺めていることでしょう。さて、皆様は何派でしょうか?
私に至っては、冒頭で書いた通り、そんな「世界」がどうでもいい存在になりつつあるわけです。
「クソどうでもいい世界」の未来
当ブログがある程度、世間を先取りしてきたことは、ある程度認めて頂けることだと思います。ですから、人それぞれではあるのですが、コロナが多くの人にとって「どうでもよくなった」ように、今後、「世界」が多くのにとって、「どうでもよくなる」可能性があると思います。
もし、そうなった先にはどんなことがあるのでしょうか。
このようにして、子どもたちが学校を拒否するように、国家に対して一体感をもたないひとたちが増えていきます。テクノロジーを使えば、国家の制約から離れて、自分にとってもっとも快適なネットワークに「移住」することは簡単なのです。
だからといって、現在の領域国家がすぐに消滅することはないでしょう。それでも近代的な学校制度が徐々に解体していくように、近代国家は治安や安全保障など最低限のインフラを提供するプラットフォ―ムになっていくのではないでしょうか。
そして、国家がGAFAMのようなプラットフォーマーと競争・競合する未来がやってくると予想しておきましょう。
国家がネットワークになる未来 週刊プレイボーイ連載 橘玲公式ブログ
国家がネットワーク化する、これはあり得ると思いますね。「世界」の価値が揺らぎ流動化していく訳ですから、もっとずっと「人それぞれ」になっていくわけです。
遠距離の出張が多いプロジェクトにアサインされ、出張先で上司や同僚と食事をする機会が増えたのだが、その席の会話で芸能人やタレントの話題を彼らが持ち出すことがある。その度に私の中の色メガネが発動し、彼らに対する見方と距離感が少し変化するのを感じる。「あ、この人たちも、私には理解しがたい/私とは異なるタイプの人間か」と。そして案の定、私はその話題についていけないのである。
なぜ?全くの他人である芸能人に興味を持ち、楽しげに話題にする人々 trill
そう、「クソどうでもいい世界」では、異なるタイプの人間に別れていくのです。
コータ:NPOで活動してたときは、社会への怒りとか疑問とかがあって、それが原動力だったんだけど、そういうのが薄くなってきたのは感じますね。
(中略)
コータ:コロナのせいとか病気のせいだとしても、自分の好きなものや楽しいことがわからなくなると、なんだか拠り所がなくて。ずっとこのままだったらどうしようって思っちゃいます。
人やものごとに興味が持てなくなってしまった。それどころじゃないときは、向き合わずに波をやり過ごす<木曜日の相談室vol.2> マイナビ
こちらは少し古い記事なので、今はどうかは分かりませんが、こちらの方はその変化に戸惑いを感じているようですね。パンデミックをきっかけに、「世界」がどうもよくなったと。うん、わかるよ。わかる。
サク:この期間が長すぎて、コロナのせいだって思えなくなって、「これが本当の自分」と感じちゃうんだろうね。
(中略)
コータ:そう考えると、自分はそういう奴になっちゃったんだって決めつけないほうがいいですね。
まあ、決めつけなくていいと思うけど、別に否定しなくてもいいんじゃね? って思うけどね。彼は本当の意味で、目覚めた、醒めた、冷めただけに思えますけどね。せっかく「たった一つの世界」が壊れつつあるのだから、若者よ、好きに生きろ。
繰り返しになりますが、20200年以降に誰もが想像した「悪い世界」はやって来ずに、代わりに「クソどうでもいい世界」が到来しました。その結果起きたことは、異なるタイプの人間が増えていくと言う現実だったのです。
歴史上、これまでも度々既存の「世界」が否定され、新しい世界が構築されてきました。ここから先も、それが繰り返される可能性はもちろんあります。古い陰謀論で言われるような、今が壊れた後に、新世界秩序が構築される可能性です。しかし、私はそれは西暦2,000年を境に終わったのではないか、という気がしています。
つまり、これから先は「確固たる世界」はもう今後構築されることはなく、「あやふやな世界」のなかで、”ヒト”は、異なるタイプに分化していくのではないでしょうか。
引っ越し大作戦
なぜ、そんなことになっていくのか、という部分に関しては、非常に面白い(と自分では思っている)仮説を提唱させてもらっています。
ニュージーランドの北島と南島を隔てるクック海峡にノースブラザー島という岩の小島があり,そこにすむムカシトカゲという爬虫類に異変が起こっている。集団の性別が急速にオスに傾いているのだ。このアンバランスに科学者たちが初めて気づいた1990年代末の時点ですでに62.4%がオスだったが,事態は急速に悪化し,現在では70%以上がオスになっている。研究者によると,原因は気候変動だ。
Home off the Range 絶滅危惧種の移住を手助け 生物の引っ越し大作戦 日経サイエンス
その昔ヒトは、気候変動が原因で、危機に陥りました。
現在,世界の人口は70億に近づきつつあり,ホモ・サピエンスがかつては絶滅危惧種だったとは想像しにくい。だが,現代人のDNAの研究から,その昔,私たちの祖先の人口が劇的に減った時期があることがわかっている。
人類がいつ誕生し,いつ絶滅しかけたのか,正確にはわかっていない。だが化石記録から,人類の祖先は19万5000年前より少し前にはアフリカ中に広がっていたと推測できる。そのころは気候が穏やかで食物が豊富にあり,生活は快適だったようだ。だが,約19万5000年前に状況は悪化した。地球は「海洋酸素同位体ステージ6」(MIS6)と呼ばれる長い氷期に入り,これが約12万3000年前まで続いた。この時期の気候は寒冷で乾燥しており,アフリカ大陸のほとんどは,住むのに適さない土地になっただろう。
祖先はアフリカ南端で生き延びた 日経サイエンス
その「危機」乗り越えるため、ヒトは変身する必要に迫られました。
人類の祖先はこの氷期をいったいどこで生き延びたのだろうか? 狩猟採集民を養えるくらいに豊かな天然資源があった地域は,ほんの少数だったはずだ。古人類学の世界では,どこが理想的な場所だったのか,盛んに議論されている。私は,厳しい氷期にもアフリカ南端の海岸ならば優れた“避難所”になりえたと考えた。年間を通して貝類や食べられる植物が豊富にあるからだ。誕生以来,森と草原で暮らしていた人類を救ったのは,海の幸だったのだ。
私たちの祖先を救ったのは、海でしたが、その際に、海は私たちの姿を大きく変えたのです。
特に妊娠中に潜水するという特殊な慣習が、進化的淘汰圧となりうる点は非常に注目されます。
もし妊婦が繰り返し息を止めて潜ることで高血圧症や低体温症を引き起こしやすいのであれば、生存と出産に有利な遺伝的変異が子孫へ伝わりやすかったとも考えられます。
(中略)
海女さんたちが体現する人間の適応力には、まだ私たちの知らない秘密が数多く残されているのではないでしょうか。
海女さん、本当に進化した人類だったことが判明:DNAまで特別 ナゾロジー
その結果として、ムカシトカゲとは逆に、ヒトは「美女だらけ」になってしまった。人類の祖先のうちの天才科学者たちは、この状況をどうにかしなければと考たのです。
ムカシトカゲをはじめ気候変動に脅かされている多くの生物種をどうしたら救えるのか。かつて生息したことのない場所へ移す「生息地移動アシスト」しか選択肢はないと考えられるようになってきた。
その解決方法が、「生息地移動アシスト」でした。
この方法をいち早く検討し始めた研究者で現在はミネソタ大学にいる生態学者のヘルマン(Jessica Hellman)は,「本来なら,もう少し自然な方法が望ましい」という。つまり,従来の場所がすみにくくなってきたら,自然のコリドー(生態的回廊)を通って生物が自分で新たなすみかを見つけ,生息域をシフトするのがよい。
その方法のうちの、最も重要な要素、「自然のコリドー(生態的回廊)」こそが、インフォメーションだったのです。
だが,生物保護手段としての生息地移動アシストは激しい批判を招いた。移転した生物と移転先の生態系の両方に大混乱を生じる恐れがあるためだ。
しかし、移住先が地球のどこかでは、問題の解決は不可能だったのです。
これに比べ,将来にわたってすむことになる新たな場所を見つけてあてがうという方法はいかにも異端に思える。しかし気候変動による悪影響が明らかになるにつれ,批判はいつどのように生物種を移動させるかの指針に変わり,不安を感じながらも移動支援を受容する科学者が増えている。オンライン専門誌のElementa: Science of the Anthropoceneに掲載された生物多様性研究者2300人を対象にした調査では,ほとんどの回答者が条件つきでこれを支持した。特に,絶滅を回避できる場合や,移転先の生態系に及ぶリスクが小さいかゼロである場合には,生息地移動アシストは有効であるという見方だ。
そういうわけで、移住先に選ばれたのは、他の星だったのです。
ここに、世界の二大富豪がいる。2人は、どうしてこれほどまでに地球を離れたがっているのか――そこから、考えてみたい。
世界の二大富豪は、なぜこれほど宇宙にこだわるのか GLOBE+
彼らを導くのは「金」・・
しかし、気候変動リスクがこの惑星に突きつけている問題を考えれば、もっと大きな図を描かねばならない。
総じて「恐怖」へとつながる、”インフォメーションテクノロジー”だったのです。
パーサビアランスが、火星に下降していくときのパラシュートに託したNASAの技術者たちの秘めたメッセージを忘れずにいてほしい。そこには、(訳注=赤と白の二つの)色を使い分けた2進コードで「あえて困難に挑戦を」と記されていた。
広大な宇宙空間のかなたから届いたこのメッセージは、ベゾスとマスクの2人だけにあてられていたのではない。われわれみんなに向けたものだった。(抄訳)
もちろん「自然のコリドー(生態的回廊)」は、みんなものものです。ただ、もちろん、どのコリドーを選ぶかは、あなた次第です。それが神の思し召しなのですから。
作戦コードネーム、「Great moving operation」