少し前にタイトルの記事が各経済ニュースに出ていました。
管理職を役職名でなく、「さん付け」で呼ぶことにより、社内の風通しを良くし、部下が意見を言いやすい職場環境にしようということで、液晶への巨額投資の失敗の反省からだそうです。
これは、シャープと東芝、凋落の本当の理由は『リア王』に書いてある
のようなことだと思うのですが、つまりシェークスピアの『リア王』でいうところの、コーディリアの意見を聞こうということになるのだと思います。
『リア王』では真心で厳しいことを言ったコーディリアにリアは激怒し、追放してしまいます。結果、一家は破滅となったのです。
人の意見を聞けばいいのかというと、私はそうは思いません。聞く相手は甘言ばかりのゴネリルやリーガンではだめだからです。それを見抜かなくてはなりません。それにそもそも優秀な上司は判断を誤りません。どんな社風であれ、優秀な上司は常にアンテナを張り巡らせ、いいアイデアを探しているので、優れた部下の意見があれば当然取り入れるでしょう。その結果、判断を誤らないのです。
優秀な人が社内の命運を握る決断をするポジションにいない、つけない、そのことが一番の問題だと思います。
重大な決断とは色んな人の意見を聞き、優れたものは取り入れ、しかし、最後には孤独の中で自分ひとりで決めるものです。そして、その結果にはついてきた人の多くの運命が握られています。だからこそ、真のリーダーとは皆に認められ、尊敬され、支持された人である必要があるのです。上司のわがままを黙って聞いてきただけの人にはとても勤まらないのです。
強いリーダーとは自然の法則から生まれてくるのです。それの逆をやっては、うまくいかないのです。シャープもその自然の法則にのっとる第一歩を踏み出したのかもしれませんが、それはまだまだ長い道のりとなるのでしょうね。