北朝鮮が、10月18日付近に再び、ミサイルを発射するのではないか、というニュースがに伝わって来ていますね。トランプ大統領が、軍の高官との会合の前に、「嵐の前の静けさだ」と発言し、軍事行動を示唆したのではないか、との憶測を呼んでいます。
また、一部メディアでは、「12月に米国が北朝鮮を攻撃する」と安倍首相に伝え、解散総選挙が前倒しされたと伝えられています。「いよいよ戦争か」、冷や汗が、背筋を通り・・う~ん・・でも・・、こんな重大な軍事情報が、一般庶民の我々に、マスコミを通じて、3カ月も前に流れてきますかね?
トランプ大統領の「嵐の前の静けさ」発言も、今日初めて映像を見たのですが、トランプさんの雰囲気は悪戯みたいでした。劇場型の彼がいかにも喜んで言いそうなものです。
私はそれをワイドナショーで見たのですが、ゲストの三浦瑠璃さんは、「アメリカに軍事オプションはない」とはっきり明言していましたが、私もそう思います。私たちが本当に心配しなければならないことは全く別のところにあるのではないか、北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける可能性を持っているのは、米国ではなく中国だという根拠、それが今回の主旨です。
トランプ政権のブレーンは先制攻撃はないと言っている
「北朝鮮への米国の先制攻撃」ですが、なにしろ、大統領自らが、それを示唆するような発言をしているため、日本のマスコミの多くが、実際に起こると伝え、不安に感じる方が非常に多いようです。
しかし、トランプ大統領のブレーンと呼ばれたスティーブ・バノンさんは、それを「意味不明」とまで言っていましたし、同じくブレーンと呼ばれるピーター・ナヴァロ委員長も、その著作の中で、「地上戦に訴えれば初めから負け」との見解を紹介しています。
彼らは、米国による北への先制攻撃は、メリットとデメリットが全くかみ合わないと主張しているのです。それでも、まだアメリカによる先制攻撃を信じるでしょうか? 確実なことは何もありませんが、少なくとも私は、トランプやマスコミの言葉は信じられません。
不可解な現実をどう解釈する?
さて、私は、今年に入って、随分不可解なニュースが増えたなあと思っています。「ロケットマン」と呼ばれるアジアの弱小国の独裁者、金正恩さんが、世界最強のアメリカ相手に、非現実的な命知らずの傍若無人を発揮したかと思えば、国内では、実に不可解なタイミングで衆院解散が発表され、民進党の前原さんが、野党を自ら解体して、自民党を援護射撃。
まったく人気があるとは思えない小池百合子氏が、風が吹いていないのに旋風を巻き起こした挙句、森友加計学園問題で致命傷だったはずの自民党は、最近の世論調査で300議席を超える勢いと伝えられています。
世間の皆さん、こんな矛盾だらけの現実をいったいどうやって消化しているのだろう? と不思議に思うところですが、当ブログでは、これらすべてに対して仮説を用意し、今のところ、矛盾なく推移していると思っています。読まれた方に、すべて本当のことだ、と言うつもりはありませんが、少なくとも、何らかの仮説が必要になることは間違いない、と思っています。
流れてきているニュースをそのまま違和感なく受け入れているという方は、あまりに純粋すぎるとしか言いようがありません。
とは言え、どこの誰ともわからない、お前の言うことは信用できない、と言うのはまっとうなご意見かと思いますので、こちらの記事をご紹介したいと思います。ここに書いてあることは、当ブログがこれまでお伝えしてきた内容に非常に近いものです。
誰が首相になっても、総選挙後に必ず起こる「2つの重大な出来事」
~ 現代ビジネス ~
筆者は、著作の評判もとてもいい方のようです。どうでしょうか、こちらを読んで頂けると、今年の不可解なニュース達がだいぶ理解出来るようになるのではないでしょうか。ちなみに、当ブログを読んで頂いても、かなり分かると思いますよ!
選挙後に本当に起こること
筆者の矢部さんが、「選挙後に必ず起こる2つのこと」として、挙げるのが、こちらです。
① 全自衛隊基地の米軍使用
② 核兵器の陸上配備の2つである。いずれも以前からアメリカの軍産複合体のシンクタンクで、集団的自衛権とともに日本の課題とされてきたテーマだからだ。
今回の解散総選挙は、安倍さんが訪米し、トランプさんと会談を持った直後に発表され、まさかのタイミングでした。冒頭で紹介した噂通り、今回の選挙はアメリカ主導で行われていることは間違いないのではないでしょうか。
しかし、その理由は、「米国が北朝鮮を攻撃するから」、というものではなく、矢部さんのおっしゃる2つである可能性の方がはるかに高そうではないでしょうか。
その理由は
ではなぜ、これがアメリカ主導で、行われるのでしょうか。その理由も矢部さんの記事に書かれています。
ここが問題の本質なのだが、北朝鮮対策という名目で沖縄に核が配備されたとき、それは自動的に、中国との間で核を撃ち合いかねない「恐怖の均衡」を成立させてしまうのである
「北朝鮮対策という名目で沖縄に核が配備」、ちょっと偉そうに書きますが、皆さん、これが最重要ポイントです。当ブログが、今年の政治記事の最重要項目として、繰り返しお伝えしてきたことは、「トランプ政権は中国と戦うために作られた政権である」「北朝鮮危機は米国の軍事作戦である」という2点です。
なぜ中国が北を倒すのか
ここまで来れば、今回の記事のタイトルの理由がほぼ分かったと思います。中国側に立って考えれば、これ以上、北朝鮮危機が続けば、対中国の核包囲網をアメリカに作られてしまうことになります。矢部さんはこれを「必ず起こること」、とまで言っています。当然、中国もアメリカの意図に気づいているはずです。
さらに中国は、北朝鮮危機の結果、アメリカに経済制裁までかけられているのです。狡猾な習近平さんがぼうっと見ているはずがないのです。
中国の北朝鮮への侵攻については、このような見解があります。
~ JBpress ~
こちらの記事によると、すでに、中国の人民解放軍が北朝鮮との国境周辺に集結しているようです。
中国軍が主導して金正恩一派を制圧する結果、北朝鮮や朝鮮半島での混乱状態は極小化され、中国は“国際的調停人”としての名声を勝ち取ることになる
こちらの通り、大半の日本人はそう思うのでしょうか。「中国が北朝鮮を倒してくれるなら、儲けものではないか。習近平さんは英雄だ」。しかし、果たして本当にそうでしょうか?
中国軍が北朝鮮を占領してしまうことで、朝鮮半島での軍事バランスが圧倒的に中国に有利な状態となることだ。北朝鮮全域の占領は一時的であるものの、その後も中国軍は「核関連施設の管理」等の名目で北朝鮮各地に進駐を続け、米韓側を圧迫することになる
ここまでくれば、今回の記事のタイトルの根拠ははっきりとわかったと思います。中国が北朝鮮を倒せば、アメリカ主導の対中国核配備はなくなり、アジアでの軍事バランスは圧倒的に中国に有利になる、と言うことです。そして、日本を含めたアメリカ側にとっては、まったくこの逆になる、と言うことです。
これが、アメリカが北朝鮮を先制攻撃する可能性がなくても、中国が先制攻撃する可能性が考えられる根拠なのです。
仮に、本当に中国が北朝鮮に攻め入ることを決断した時、アメリカはどう出るのでしょうか。この予想は難しいですが、この時だけは、アメリカが北朝鮮に侵攻する可能性があるかもしれません。しかし、これは一般的に思われている以上に、我々にとって、非常に悪いシナリオだと言うことです。