早々に利上げに踏み切るのは当ブログの読み筋

昨日のFOMCでFRBが年内の利上げを示唆し、ちょっとしたサプライズとなったようです。

来年へ先送り、という見方の多い中、当ブログでは予てから、イエレン、FRBは早々に利上げに踏み切ってくる可能性を指摘していました。

VW排ガス事件」は株価暴落の主因、利上げ延期の原因だったかもしれない

しかし、それそのものよりも、驚くのは、これも前から指摘してきたことではあるのですが、マーケットにネガティブな材料であるにも関わらず、株が高騰するということです。今回も終わってみれば、200ドル近く高くなったのです。これは本当にすごい、特筆すべきことです。
ECBのドラギ総裁よりさらにすごいと私は思います。

 

「ジャネット・イエレン」のすごさ

このジャネット・イエレンという人は、自らの発言で株を下げてしまったことがほとんどありません。いつも彼女の発言は好感され、株が上がるのです。象徴的だったのが、緩和縮小の発表をした時の高騰劇です。これもマーケットには相当ネガティブとされていた材料なのです。

マーケットは間違いなくイエレンを信任し、好いています。

 

「彼女がそう言うのだから、大丈夫だ」

 

マーケットはそう言っているように聞こえます。なぜそこまで彼女は信頼されるのか? いろいろあると思いますが、非常に大きい理由は、それは今までイエレンがマーケットに対し、非常に丁寧な愛情ある対応をしてきたからだと思います。つまり、相思相愛なのです。だから、その関係が崩れない限り、マーケットはイエレンに恥をかかせるような動きにはならない、と私は見ています。

 

マーケットに”愛された”イエレンが失敗するはずがない

イエレンは、マーケットに愛された稀有な人物です。
その彼女、FRBは速やかな利上げが適切と判断しているようです。9月の利上げ見送りの発表、その後の会見は私の眼には、それまでの彼女の姿からはどうにも違和感がありました。いつもの的確な彼女の姿ではなかったのです。事実、それ後には彼女が議長になってから初めてといってもいい、批判的な記事も目立っていたのです。

それにはやはり、見送らなければならない特別な理由があった、と考えるのは邪推ではないように思います。それは”分かっていた中国”ではなく、”隠れていたVW問題”だった可能性があるのではないでしょうか。もちろん、証拠はありませんが。

ですが、彼女、FRBは今回で再びイニシアティブを取り戻しました。
これまでの彼女が築いたマーケットとの信頼関係から、利上げという一大仕事の成功は、もはや約束されたようなもの、と思うのは、私だけでしょうか。イエレンの華麗な利上げが見られるのは、年内! という可能性がにわかに高まってきたようです。それは「利上げ期待」という言葉で表現されるようになったようです。