難民受け入れ制限法案がアメリカで可決

「難民受け入れ制限法案」が、アメリカの下院で可決したというニュースが出てましたね。

欧州各国でも、そういった動きが多く出ているようです。まあ、当然と言えば当然の流れかもしれませんが、テロとISが悪いという常識的な話は、おいておいて、私はここに大国の欺瞞を感じたので、今回の記事を書きました。

 

人助けの覚悟とは?

題名にした、人助けに顔の半分を上げる覚悟ってなに? ってことなんですが、これは、知っている人も多いと思いますが、国民的アニメ、『アンパンマン』の作者「やなせたかし」さんが、アンパンマンというヒーローを誕生させた発想に基づく話から引用しています。

 

「スーパーマンは何のリスクも負わず、人助けをしている。でも、そんなことが出来るなら、誰だって、人を助ける。でも、本当の人助けには、身を削る負担が生じる。だから、アンパンマンは顔の半分を上げて、ヘロヘロになる」

やなせたかしさんが、このように語っていたのをテレビで見た記憶があります。

 

まあ、アンパンマンは新しい顔がすぐに出来てしまいますが・・、それはとりあえずで、つまりは、人を助けるってことは自分の身を半分削るくらいの覚悟がなければ出来ないってことです。

こんなことは、誰しも知っていることとも思うのですが、アメリカや欧州各国の難民に対する言葉、今回の流れを見ていると、その覚悟には甚だ疑問を感じざるを得ません。

 

「難民受け入れ宣言」の理由 それを道徳だという欧米

そもそも、まず、なぜ、「移民を制限なく受け入れる!」と言う無謀なことを大々的に世界中に宣伝しているのか、その理由がさっぱりわかりませんでした。移民を制限なく受け入れる、ということは、国家の将来的な存亡に関わるほどの問題となる可能性のあることです。

そんなリスクを押しのける、なにか、合理的な理由でもあるのか? と不思議に思いながらも、見てました。

 

しかし、今回のフランスのテロ事件後において、今度は受け入れ拒否の流れが出てきたことによって、ああ、やっぱりかという感じもして、改めて、調べてみようと思いました。なぜ「アメリカ」や「ドイツ」や「フランス」が移民受け入れ宣言をしていたのか? その理由はというと、どうやら、「人道主義」のためだというのです。

 

これを聞いて、普通の感覚はどうなのでしょうか。「素晴らしい!」というのが、正解なんでしょうか。私は正直なところ、お叱りを受けるのかもしれませんが、「は? 本気か?」と思いました。

これで国が保てるのなら、苦労はないと思いますが、キリスト教文明社会の欧米国家にとって、どうやらこれは本気の価値観らしいのです。そりゃあ、難民が助けられるなら、助けた方がいいとは思いますが、でもねえ、半分どころか、全部食われてしまうかもしれません。

 

「文明国家への挑戦だ!」

 

と、今回のテロに対してオバマが言っていたようですが、これはどういう意味でしょう? キリスト教文明国家の彼らは、今回の「人道主義」も含んだ彼らの価値観が世界で一番なのだと信じています。それが所謂、正義です。そして、それを常に押し付けてきます。しかし、イスラム国家の価値観とは合わない、だから争いが絶えません。

テロという手段が悪いのは当然ですが、この言葉は傲慢だと私は思います。彼らの価値観に挑戦することは、なにもいけないことではないではありませんか。

 

難民を受け入れなければ、文明社会の一員である日本も国際社会から非難を受けるという記事も散見されましたね。

私たち日本人は、戦争に負けたことによって、この西洋文明の価値観をだいぶ押し付けられています。我々はある程度、おとなしくそれを受け入れていますが、もし、元来の日本にイスラムの様な絶対的な宗教、価値観が存在していたとしたら、シリアのような惨状に日本もなっていた可能性も十分あるのではないでしょうか。まあ、島国なので、また別なのかもしれませんし、それがいいか悪いかはわかりません。文明のおかげで平和なのでまあ、いんでしょうかね・・。

 

「文明国家」にその覚悟は本当にあるのか?

で、話は戻って何が言いたいかというと、今回のテロによって、移民受け入れをすぐに覆すようであれば、「難民を助ける」というそれは、元々、文明国家の単なる欺瞞であるだろうということです。

本気が「価値観を掲げる」だけではなく、「行動」も伴うのだったら、大したものだと感動も出来ますが、難民の流入に困る人たちがテロを起こした? なんて変なことを思ってしまうような流れが出来つつあるのが現実です。

いくら、自分たちの価値観を自慢するにしたって、広げた風呂敷が大きすぎるのではないでしょうか。控えめな日本人からは、考えられない感覚だと思いますが、どうでしょうか?

 

欧州からは一緒にするなと言われそうですが、スーパーマンはおそらく、彼らの理想そのものなんでしょう。対して、しつこいですが、「人助けには自分の顔を半分上げるくらいの覚悟が必要」ということを、当ブログでの常識としたいと思います。