これが昨今の株価暴落の主因?

年初からの株価の暴落が止まりませんね。リーマンショック級の暴落だということです・・。

昨年の夏にも同じような暴落があったのですが、この隠れた原因はVWの排ガス事件であった可能性が高いというのが、専門家の間での見方のようです。

参考→「VW排ガス事件」は株価暴落の主因、利上げ延期の原因だったかもしれない

だとすると、今回の悪材料はなんでしょう? 「中国問題」、「原油安」はずっと前から言われていたことであり、リーマンショック級の暴落が起こる理由には弱いのではないでしょうか。

そんな中、気になる記事を見つけました。

欧州の「命運」はこの1年の動向で決まる ~英国のEU残留の成否が栄枯盛衰を占うカギ~

イギリスがEUの離脱をかけた国民投票を今年、行うそうです。もし、仮にイギリスがEUを離脱をする、ということになれば、これは一大事です。相当なショックが株式市場を襲うでしょう。国民投票は6月くらいで、五分五分の情勢と言われているようですから、半年先を見るマーケットがこれを織り込みにいっていたとしても、不思議ではないでしょう。

事実、英ポンドは急落しています。

 

イギリスのEU離脱論が高まる理由

まあ、今回の暴落の原因がこれかどうかはともかくとして、なぜ、イギリスのEU離脱を推す声がこれほど高まってきたのでしょうか。その大きな理由として、「難民問題」があるようです。

「難民を無制限に受け入れる!」という宣言はドイツから発せられましたが、これに対する不満がEU各国内でも相当あるようで、大国イギリスもそんな国の一つのようです。簡単に言ってしまうと、あんまり難民を受け入れたくないということです。私の感覚から言って、これは当然でしょう・・。参考→「難民受け入れ宣言」は文明国家の欺瞞!?

ドイツがなぜ、こんな無謀とも思える宣言を大々的に行っているかと言うと、「人道主義」のためなんだそうですが、これはもう勝者の理屈です。経済的な勝者であるからこそ、そんなロマンに浸っていられるんですね。

ドイツ、メルケルに対する不満がEU内で爆発!?

ドイツは現在、経済的にEU内で独り勝ち状態なのですが、その独り勝ちを世界各国がよく思うはずがなく、メルケルは今後わざと負けを選択しなければならなくなる場面に出くわす、と以前の記事で記載させてもらいました。

ギリシャ情勢、ドイツ完全勝利だが・・・ ~国際情勢も負けるが勝ちが重要?~

 

そんな状況が今、やはりやってきたということなのではないでしょうか。

フォルクスワーゲンの排ガス問題は、だいぶ前から秘密裏に知られていたようですが、中国へすり寄るドイツへの制裁のためにアメリカから、暴露されたと言われています。

また、フランスパリでのテロ事件後、積極難民受け入れ姿勢を貫くメルケルの支持率はかなり低下していると聞きます。それは、メルケルの独走に対して、世界中からの圧力がかかり始めたことを示唆しているかもしれません。

道徳に加勢するものは一時の勝利者には違ないが、永久の敗北者だ。自然に従うものは、一時の敗北者だけれども永久の勝利者だ

~夏目漱石 『行人』~

当ブログらしく、夏目漱石のこんな名言を添えておきます。

 

メルケルの勝利には「負け」が不可欠! 長嶋さんを見習おう!

Mom's clown collection.

日本のバブルが崩壊したのは、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われ、独り勝ち状態になったから、世界(アメリカ)から、つぶされたのだと言われています。難しそうな世界情勢だって、本当は”非合理的な心”で動いています。独り勝ちがつぶされるのは、いつでもどこでも一緒の、誰でもわかることではありませんか。

これに対する適切な対応は、昔からある言葉、「負けるが勝ち」まさにこれに尽きるでしょう。

「長嶋茂雄さんがわざと三振をして、ファンの心をわしづかみした」というエピソードを甘く見てはいけないのです。彼はそういう点でまさに天才だと思います。

 

「鉄の女」メルケルは、そのプライドを捨て、長嶋さんのように、果たして世界の面前で”道化”になることが出来るのでしょうか? それが、今後の彼女の命運を握る鍵、と言っても間違いはないのでないでしょうか。

そして、EUという”理念”で構成された合理的な組織は、人間本来の”非合理な心”によって、将来的に崩壊に向かう可能性には注目しておくべきではないでしょうか。

SF小説『タイム・マシン』はEUの崩壊を示唆?

追記 2016年6月25日

6月23日に行われました国民投票でイギリス国民は離脱を選択しました。これにより、ドイツ、メルケルはとうとう態度を軟化せざるを得ない、負けを選ばなければならないことになるのではないでしょうか。で、なければEUは一気に崩壊に向かってしまう危険性をも帯びて来るのでしょうから。