なぜ? どうして? 昨今の”無名”ショック

年初から、株価の暴落が止まりませんね。昨年の8月の時も同じような暴落がありましたが、その時には隠れた「フォルクスワーゲン問題」がありました。

しかし、今回、日経平均株価はそんな昨年の8月の安値をあっさりと割ってしまいました。なぜ、こんなことになっちゃうのでしょう? 何もないのに、リーマン・ショック時並みの暴落って「なんでやねん!」というのが、投資家の気持ちでしょうか。

 

原油安と中国の景気減速、この二つがよく言われるのですが、これだけでリーマン・ショック級の暴落が起きるというのは「?」と言うのが、普通の感覚ではないでしょうか。

前回私の書いた、イギリスのEU離脱問題も書いておいてなんですが、違っているでしょう(笑)。なぜなら、今の時点でイギリスのEU離脱を本気で心配している投資家は、ほとんどいないと思うからです。私もそれはないだろうと思っています。

 

日本独自の要因

世界的に見ても、NYダウは昨年の安値には届いておらず、このことからも、更なる悪材料が存在する可能性は低いと見ておいて、いいのでしょう。

では、なぜ、こんなにも「日本株」だけが、売られてしまうのでしょうか。それには、日本独自の要因がある、と考えるのが自然ですが、よく言われるのが、下記の2点です。

  1. 通称「5頭のクジラ」の買い支えが無くなった。
  2. 日本市場はヘッジファンドが野放しでやりたい放題

1、我々の年金資金を運用する「GPIF」を初めとする、公的資金の株式組み入れがほぼ終了したようで、そこを突かれて、売られてしまうということです。

事実、投資家主体別売買動向をみると、昨年の暴落時にはせっせと買い向かっていた公的資金が、年初からの下げには、買い支えとしては、まったく機能していないことがうかがえます。

2は、超高速取引を得意とする私募ファンド、「ヘッジファンド」の傍若無人を東京証券取引所が野放しにしており、やりたい放題で売られる。これもよく聞く批判です。

 

私の思う”特別な要因”  株高を日本政府が阻止

私が、この二つ以外に、日本株が売られている特殊要因として思うのは、あまり言われていないですが、政府、日銀が株高の動きを無理に止めてしまったからということです。

これには「?」と思われる方が多いと思います。日本政府は株高を作り出したいはずなのに・・、いえ、確かに政府は昨年、株高を意図的につぶしたのです。

 

少しだけ、古い話になりますが、昨年の春頃からですが、日経平均株価が突如として、暴騰を開始、ほとんど下げることなく、アッという間に2万円超えまで上昇しました。その様相はまさにバブルへの突入を予感させるものでした。

そんな中、日経平均株価と強い相関関係を示す、「ドル円」は125円を超える動きになっており、個人投資家は完全に置いてきぼりで、過去に例のない巨額のドル売りで対抗しますが、あっけなく敗れてしまいました。

「ミセス・ワタナベ」巨額をかられる・・・

そして、そんな円安をよく思わなかったのが、その当時の日本政府です。

 

理由は、定かではありませんが(私は利上げを控えたアメリカへの配慮、もしくは圧力だと思いますが)、彼らが120円以上の円安を望んでいなかったことは明らかです。政府の要人の円安牽制発言が経済ニュースに目立つようになっていたからです。

そんな中で、日銀の黒田総裁が「これ以上の円安はありそうにない」と発言、これを機にドル円は急落したのです。そこが、昨年のドル円の高値です。まあ、バブルを止めるのが、中央銀行の役目なのですが、この傍若無人なやり方には、専門家からも批判が続出していましたね。

 

今のところ、円安と株高は一体です。円安を止めれば、当然株高も止まります。私は、相場はもっと上へ行くエネルギーがあったのに、それを政府の都合で無理に止めたたため、逆噴射の形で暴落に繋がったのではないかと考えています。根拠は、空売り比率の異常な上昇です。

少し前であれば、30パーセント超えで異常だったのが、今では連日の40パーセント超え。余り余った資金が行き場所を失い、無理矢理の下げを主導している様がここに見て取れます。

 

日本株は中国株と同じ運命をたどる?

では、肝心のこれから先はどうなるのでしょうか。

専門家の間でも、円高株安を予想する向きが増えてきています。しかし、私は、当然のように再び株高へ向かうと思います。NYダウの暴落の予想も多いですが、それはきっとイエレンが許さないはずです。彼女は景気を”気”で支える真のリーダーシップを持っていると思います。暴落はいつもイエレンのいない間に起こるのです。

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乱暴な言い方ですが、日本株はこれだけ資金がじゃぶじゃぶなのですから、政府が余計なことをしなければ、いや、したとしても、勝手に株高に向かうのが当然です。最近の情報から、政府はドル円130円を容認したとも思われるため、参院選くらいまでには、ドル円は、135円を目指す動きが出てくるのではないでしょうか。当然、日経平均株価の直近高値更新です。

そして、最後に、現在ひどいありさまの中国株でありますが、程度の差こそあれ、自分たちの都合で株価を無理矢理に操作するという、やっていることの本質は我が日本も変わらないため、日本株のなれ果ての姿と思っていて損はない? ような気がしています。

行き着く先はバブル、史上最高値の更新とその後の大暴落、この予想を現在も維持したいと思います。