イラン、48時間以内にイスラエル攻撃か

WSJ

2,3年前当ブログは、イランとイスラエルの争いで悪いのは、イスラエルだと書きました。当時はイスラエルと言えば、批判の許されない国際政治上の正義の化身でした。

しかし、あっという間に極悪国家に転落。つまり、世間の常識が、当ブログに追い付いてきたわけです。しかし今考えれば、イランが正義なわけではなく、彼らは隠れ「ロンドン筋」だっただけであり、”正しくなった”だけなのです。

さて、これを序として、今回はついに、追い求め続けてきた世界史の最深部に迫ります。これを読まないと人生損します。

戦う”先住民”

先住民族らは宣言文で、「植民地国家が成立するはるか以前から、各地域において伝統的、慣習的に使用する土地や資源に対する集団的権利を有している」とし、各国政府に対して、先住権の実質的な保障を求めた。

世界の先住民族が共同宣言 「連帯して闘う」アイヌ民族がきっかけ 朝日新聞

政府は、”先住民”から土地を奪った泥棒だ!

気候対策の送電線建設で追いやられる
ノルウェーのトナカイと遊牧民

ロイター

政府は、ろくでもない政策で先住民族を虐めている! なんて悪いやつらなんだ! ああ! どっかに先住民の味方をする、力を持った政治家でもいないのだろうか!? あ、いた。

トランプ氏は出席者の男性らを「特別な人々」と呼んで感謝の意を表し、「皆さんは私たちのだれよりもずっと前からここにいた」と語り掛けた。

トランプ氏、先住民を称える行事で「ポカホンタス」に言及 CNN

ところで、「ずっと前からいた人」っていったい誰のことなんだろうなあ。

大先輩の出身地

ラピタ人は、人類史上初めて遠洋航海を実践し、太平洋の島々に住み着いたと思われる民族。

「ラピタ人」 ウィキペディア

もったいぶっても仕方ないので、結論から申し上げますと、この「ラピタ人」こそが、文明と世界史を創って我々に与えた”先住民”ではないかと思います。

つまり「ロンドン筋」の源泉は、彼らであると言うことです。

これらの島から発掘された文化的にラピタ人とされる人びとは、ゲノム解析の結果から台湾にルーツを持つことが証明され、彼らはメラネシア の人びとと混血を行うことなく、リモート・オセアニアに展開したことが明らかになったのです。

『人類の起源』 中公新書

ラピタ人のルーツは、台湾。

この言語は、台湾から東南アジアの島嶼部、ニュージーランドやハワイ、イースター島など の太平洋の島々、そしてアフリカ大陸東岸に位置するマダガスカルまでの地球上のおよそ半分を占める広大な地域で話されています。その中で、台湾の先住民の使うオーストロネシア語がもっとも古く、台湾内部の先住民の各グループ間での違いが大きいことから、言語学の研究か らは台湾が源郷であり、さらにその祖先は、中国南部の海岸地域に居住していた集団であると 考えられています。

地球の半分以上の地域の言語の発祥が台湾だった、なんて知ってました。なんだか、台湾って非常に重大な地域みたいですよ。

じゃあ、残り半分はどうなってんの?

拡散の時期と規模を考えると、ヤムナヤ集団がインド・ヨーロッパ語の祖語を話していたと考えるほうが合理的です。

「ヤムナヤ集団」とやらが、残りの半分の言語の発祥に絡んでいると。

この地域は、中央ユーラシア西北部から東 ヨーロッパ南部まで続くステップ地帯です。 およそ四九〇〇~四五〇〇年前に、その中のハンガリーからアルタイ山脈のあいだに広が る地域で、ヤムナヤと呼ばれる牧畜を主体とする集団の文化が生まれました。その中心は現在のウクライナになりますが、彼らは馬や車輪を利用することで瞬く間に広範な地域へ の拡散を成し遂げ、ヨーロッパの農耕社会の遺伝的な構成を大きく変えることになったのです。

で、ヤムナヤ文化の中心はウクライナと。台湾とウクライナは、世界史の超重要地域だったのです!

で、話はちょっと飛ぶんですが・・

先ほど、ペストの一度目の流行が東ローマ帝国で起きたと述べましたが、実はここに挙げた 三回の流行以前に、ペストがヨーロッパを襲った可能性も指摘されています。ヤムナヤ文化が 流入したころ、ヨーロッパの農耕社会はペストの流行で人口を大きく減らしていた可能性が、 古代ゲノム解析によって指摘されています。これまでに解析されている一〇一名のヤムナヤ集 団のゲノムの七パーセントから、ペスト菌のDNA断片が検出されているのです。

彼らはヨーロッパ進入以前からこのペスト菌を保持していたために、ある程度の免疫を持っていたと考えられます。ペストはヤムナヤ集団とともにヨーロッパに入り、免疫を持たない農耕民の社会に大打撃を与えた可能性があるのです。ペストがすべての原因とは断定できません が、そう考えるとヤムナヤの牧畜民が、ほとんど集団の置き換えに近い形でヨーロッパに広が ったことも納得できます。

もはや、説明不要!でしょう。疫病の発生に関して、彼らが一枚噛んでいることに疑いの余地はないように思われます。過去、現代、そして、未来においても。

破壊の神と最強の人類

そのなかで、「海の民」は、東地中海を舞台に神出鬼没の活躍をくりひろげる。彼らの攻撃の対象となったのが、ヒッタイト、シリア、エジプトと並んで当時繁栄の余光を保っていたギリシア人の諸王国であった。「海の民」は北方からこれらを襲い、重要な拠点をつぎつぎに攻め落としていく。しかし彼らは、略奪し、火を放って破壊のかぎりをつくしたものの、侵入地に定着し、そこで新しい天地を切り拓いていくという地道な生き方を選ばなかった。彗星のごとくきたり、去っていく――のこるは破壊の跡だけである。

「海の民」 世界史の窓

太古の昔にギリシャ王国の破壊つくした集団がいたそうですが、そのイメージは、まるで現代の「ロンドン筋」。それとは関係ないこととして、、ラピタ人の遺伝子は、最強だったって知っていましたか?

ポリネシア人は体重に対する筋量と骨量の比率が他のあらゆる人種を大きく上回る。こうしたことから、『地球最強の民』(最も強い身体を持つ人々)などと称されることがある。

「ポリネシア人」 ウィキペディア

ラピタ人の末裔と考えられる、ポリネシア人は最強の肉体と技術を持っていました。

古代において特筆する航海術を持っており、南極大陸に最初に到達した民族の可能性がある。

現代のポリネシア人には申し訳ないのですが、彼らの祖先一部が、世界の人々にとって、恐怖の存在だったのではないか? と考えられる伝説が各地にあるのですね。

ようは「鬼」とは、彼らをイメージ化したものではないかと思うのですね。そう、つまり、それは”先住民”です。

ゴリアテは「さあ来い。おまえの肉を空の鳥や野の獣にくれてやろう」と嘲ったが、ダビデは「お前は剣と槍を頼りに戦うが、私はお前がなぶったイスラエルの戦列の神、万軍の主の名を頼りに戦う。戦いは剣と槍の力で決するものではないことを人々は知ることになるだろう。これはイスラエルの神の戦いである」と返答した。

「ゴリアテ」 ウィキペディア

ゴリアテってポリネシア人(ラピタ人)、私にはそうとしか見えない・・。聖書では、ゴリアテはペリシテ人で「我々の奴隷になれ」と襲って来たらしいです。パレスチナとは「ペリシテ人の土地」という意味で、ペリシテ人は「海の民」の一派なんだそうです。

次に日本の「鬼」を見てみましょう。

「『日本書紀』が示すように、外部からの漂着者を鬼と認識したことは注目すべきです」と小山氏は指摘する。「また、たとえうわさ話だとしても、鬼の出現は朝廷に報告され、公の歴史書に詳細を書き留めなければならなかったほど、恐るべき事件だったのです」

(中略)

1172年7月、伊豆国に「鬼形者(きぎょうのもの)」たちが船でやって来た。そう記すのは、関白藤原兼実の日記『玉葉』だ。言葉が通じず、結局争いになり、島民に多大な被害を与えた末に、船で去ったという報告書を、国司が公文書で朝廷に提出したと日記は記す。兼実は、実際には鬼ではなく「蛮夷(ばんい)」(外国人)の類だろうという見解を示している。日本人が言語や容貌、体型が異なる外国人を鬼とみなして、いかに恐れていたかが読み取れる。

鬼とは何者か―差別、偏見、排除の日本史 nippon.com

ゴリアテと日本の鬼は、「同筋」な気がするなあ~。あ、そうそう『ゼルダの伝説』のライネルとガノンドロフもだなあ~。

それらの研究によると、狩猟採集民と青銅器時代に進入したステップの遊牧民では、身長が高くなる方向への選択が働いていることがわかりました。現代のヨーロッパ人集団では、ステップ由来のゲノムの割合が大きいほど、身長が高くなっていることを示した研究もあります。

『人類の起源』 中公新書

一応書いときますけど、差別的な意味にはならないですよ。後述しますが、もしこの仮説があっていたとしても、その遺伝子は日本人にも受け継がれていますので、「鬼」の正体は私たち自身、とも言えるのです。

日本の”先住民”

さて、次に世界から日本に視線を移しましょう。日本の”先住民”と言えば、縄文人ということは学校で習うので、誰でも知っていますよね。

まず、日本列島を含む東アジアの現代人が縄文人とゲノムを共有しているかどうかを調べて みると、もっとも多くのゲノムを共有するのは日本のアイヌ集団、次が沖縄の人たちで、その あとに本州・四国・九州の日本人(本土日本人)が続きます。

『人類の起源』 中公新書

”先住民”の遺伝子を多く受けついでいるのが、アイヌの人々ということですね。

世界の先住民族が共同宣言 「連帯して闘う」アイヌ民族がきっかけ

朝日新聞

これ冒頭で紹介した記事ですが、なるほどってなるでしょう? 彼らを最初に侵略したのが、弥生人だったと言う世界史。

菅官房長官時代には「先住民族」と法律で初めて明記した、アイヌ施策推進法が施行され、ことし7月にはアイヌ文化の発信拠点=「ウポポイ」を整備するなど、共生社会の実現に向けた取り組みが進みました。

「アイヌの人々が尊厳を持ち多様な価値観共生の社会を」 NHK

私たちの大先輩、”先住民”を大切にしよう! 菅ちゃん偉い! ウポポイ、3年くらい前に行ったけど、めちゃよかったですよ! ま、なんで今更こんなの作ったんや?って思ったけどね。今は完全に合点してます。

で、更に興味深い仮説を紹介しましょう。

エミシ、アイヌ民族はスキタイ、バルカリアンの末裔か : アイヌの墓標から見た北方騎馬民族の刀剣と日本の上古刀との関連性の研究

CINII

アイヌはスキタイの末裔。あ~揃っちゃったね。この論文を書いたのは、学者さんではなく、合気道の先生みたいなんですけどね。題名で検索していただければ、中身を読めますが、結構本格的です。

文明の起源

話は佳境に入ります。

以前、こちらの記事で人類の定住化の歴史について触れました。この時に私の頭にはあったものの、書いていないことがあります。

門脇さんは「農耕牧畜は現代の人類社会の基盤になっている。これまでの歴史の理解では、狩猟採集からの変化は自然な発展過程として当然視されがちだった。しかし、当時の人々からすればこの一大転換はリスキーなことで、両手を挙げて採用したものでもなかっただろう。彼らがどんな生き方をし、どんな事情で変化を受け入れたのかを、細かく解明していきたい。

牧畜の世界への普及、最初期から多彩だった 同位体分析で解明 SCIENCE PORTAL

なぜ、我々はわざわざ定住化を選んだのか、ということです。先の記事では自然的にそうせざるを得なかったから、という安心な結論に落ち着いています。しかし、この時点である疑惑がすでに私の頭に浮かんでいました。

しかし文明が発達したことで、人類の生活水準は上昇したと言えるのでしょうか? 実は、文明が発達し始めてからかなりの長期間、人類の生活水準は狩猟採集時代よりも低下していたと考えられているのです。

 にもかかわらず、人類の労働時間は増大したのです。明らかに人類が勤勉になったのは、農耕牧畜生活をはじめた時のことだったのです。

定住生活で人類の生活水準は低下し寿命も縮まった JBPRESS

私たちに文明(農耕)を与えて定住化させ、移動の自由を奪ったのは”先住民”ではないのか?

これをどうして書かなかったと言うと、彼らが文明社会を創ってのだとすると、なぜ自らそれを破壊するのか? という疑問の解決が、その時点でできなかったからです。

しかし、新たな文明創造には、破壊が不可欠だということ、所謂「破壊と創造」、そして彼らが本当に壊しているのは「文化」だと考えれば、十分に説明は可能だと気づきました。

建築への攻撃からもあきらかなように、過去を再構築もしくは再表現するために歴史的記録を利用したり悪用したりする例はひじょうに多い。ホブズボームはまた、手を加えた過去と現在とのつながりを示すには新たな伝統の創出が不可欠であり、それは往々にしてナショナリストの忠誠心を醸成する目的でおこなわれるという。ホブズボームによれば、国歌を斉唱したり、固有の工芸品を復活させたり、埋もれていた歴史的シンボルや旗を振ったりする行為は、繰り返すことで「作為的な連続性」を強化する。このような形でイデオロギーを生成していく場合、新たな建築物の価値は、レンガや石に永続性がそな ているように感じられるところにあるといえよう。建物や公共の空間は、さまざまなグループがつどって経験を共有する場となる。

『なぜ人類は戦争で文化破壊を繰り返すのか』 原書房

文化は人の記憶の繋がりとも言えますが、戦争の度にそれが破壊され、新たな文明に創り変えられてきたのではないでしょうか。

”先住民”は、言語と農耕という文明の基礎を創り、人類史を創った、それが当ブログの分析の集大成とも言える、”ホント”の世界史になります。彼らはこの先に一体、どんな文明社会を創ろうと言うのでしょうか。また、彼らの試みの全てがうまく行くとも限らないず、興味は尽きないですね。

最後に念のための断りとして”先住民”とは、文字通りのみではなく、当ブログのコードネームであります。

更に最後の余談として、政治とか歴史を見るときに分けて考えない方がいいですね。それは創った側がそう思わせるために区分けしているだけなので、具体的には、国とか組織で分けて考えると、どんどん誘導されて、知ってるだけで理解していない状態になります。学者は、ほぼ全部これですね。

世界はもう完全に一つの組織です。世界で一つの株式会社の経営計画を巡って、激しい派閥争いが起きている、そのイメージが近いです。

その中には、ろくでもない上司だけではなく、最悪以外の選択肢を勝ち取ろうと命を懸けるとっても立派な上司もいるのです。そんなことを一切考えもせず、ただただ、所属しているだけで死んでいくなんて悲しいと思いませんか。