こんな記事が話題になっていましたね。

Go To論争に「何度も何度も蹴られこの業界は死ぬ」「先が見えません。助けてください」 関係者名乗る匿名ブログ話題

J-CAST ニュース

「こんな状況の中、旅行なんて考えられない!」 それは十分理解できる一つの考え方で、私は否定しません。しかし、私たち全員がそれに同調する必要は全くございません。発想を転換すれば、今ほど旅行をするのにベストなタイミングはないのではないでしょうか。

政府に期待するべからず

現在のコロナ感染の拡大に伴い、国民の政府への不満が高まっていますが、私個人は全くそんなことはありません。私は期待をしていないからこそ不満もたまらないのですが、それを別にしても、安倍政権が元々計画していたコロナに関する対応に、特に否定できるようなものは見当たりません。

アベノマスクとか動画の問題とかは、別にどうでもいいですしね。

重要なのは、上で指摘したように「勤労者世帯で経常収入が減っていない」という事実である。 すると、特別給付金は少なくとも全体として見ると、必要なかったと言える。 もちろん、それは、「勤労者世帯を平均として見れば」ということだ。実際には、すべての人が同じであるわけではない。

「一律10万円給付」はやはり過剰だった?コロナ第二波に残る課題 ダイヤモンド・オンライン

私はこのブログでも、全員への10万給付は全くの無駄であるどころか、害悪ですらあることを散々書いてきました。全員に配ったのでは、弱者を助けることにはならないのです。

ただし、過半数の人々が、実際には収入が落ち込んでいないにもかかわらず、かなりの額の特別給付金を得たことは、間違いない。 そうした人々に給付金を与えるのではなく、本当に困っている人々に救済を絞るべきだ。これが正しいことも間違いない。 問題は、それらの人々を識別するのが難しいことだ。

ですから、最初の案の30万円の給付の方が、よっぽどよかったことになります。しかし、筆者の方も言う通り、「本当に困っている人」は、その線引きが難しいと言うよりも無理なのです。ですから私は、

政府は補償なんて出来ませんよ

と訴えてきたわけです。無理にやろうとすれば、それは差別にならざるを得ない、ということなのです。

文句の大合唱

そんな中で出てきたのが、「Gotoキャンペーン」です。

「なぜ旅行業界だけなんだ」「なぜこのタイミングなんだ」「ズレている」

国民はこれに対しても文句の大合唱ですね。もちろん、言っていいんですよ。でも、みんなが同じ意見だとは思わないでくださいね。少なくとも、私はそうは思わない。

このキャンペーンはいい、タイミング的にも悪くない、と私は思っています。その理由は、最初に紹介した記事に書いてありました。

「その予算を直接補助に回せばいいと言うあなたへ。この業界に携わる人間は400~500万人(※編注:観光庁の調査によれば2018年時点で、観光産業への就業者数は673万人)。1.3兆を全員で割ったら1人30万円前後。あらゆる補助を受けても1年は暮らせない。そして観光に携わる人々は一元的ではなく業務の全てが対観光からほんの一部まで広範に渡る。受け取るべき人々の線引きはどうやって決める」

そうそう、補償の線引きは出来ないのです。

「キャンペーンが業界への補助ではなくあなたへの補助なのは、あなたの助けを何より必要としているからだ。けれど助けを求めたはずのあなたに口を塞がれ、何度も何度も蹴られこの業界は死ぬ」

私たちが旅行をすれば、死にそうだと言っている人を、助けることが出来るのです。最高ではないですか。

自分が楽しいだけではなく、誰かのためになる旅行が出来る機会なんてそうそうないですよ。そんな状況ですから、当然空いているでしょうし、旅館やホテルの方は、いつも以上に私たちをもてなしてくれるでしょう。さらには、お金も半分近くが返ってくる上、誰にも言えないのだから、お土産を買ってくる必要もないのです。

これを旅行の最高のタイミング、と言わずにおれますでしょうか。

そしてもう一つ、こちらの投稿者さんが言っていたこちら、こちらは今の問題の本質を表しています。

「キャンペーンが業界への補助ではなくあなたへの補助なのは、あなたの助けを何より必要としているからだ。

そうです。今の日本社会を救えるのは日本政府ではなく、私やあなたなのです。日本国民は、そろそろその気概を持つべきです。

政府を頼るのは止めにしましょう。それは権力に強権を発動させるきっかけになります。政府は無能に見えるくらいが丁度いいのです。

科学者に頼るのもやめよう

そして、あなたの行動を決めるのは、科学者ではありません。そもそも科学とは何でしょうか。私はそれをこう書いてきました。

目的の最短成就の方法のこと

科学はこれ以外のことは、非常に苦手なのです。

「感染しないように生活する」という速度の関係ない、曖昧な状況に最適解を見つけることは不可能とすら言えるでしょう。

AIは、人間に代わって最適な判断をすると言いますが、それは彼らがあなたに代わって勝手に目的を見つけ、その最短ルートを見つけると言う話に過ぎません。

そう、それは科学の中でもテクノロジーと呼ばれるものです。科学にはもう一つ別の意味もありますね。それはサイエンスです。

「科学」(science)という語はラテン語の scientia (知識)に由来する。science という語は、17世紀の科学革命のころまでは、体系化された知識や経験の総称という意味で用いられてきた。

科学 ウィキペディア

その意味では、私たち全員が科学者ということになりますね。だから、コロナに対する科学的な見地は、各自バラバラであって、誰かが正しいということはありません。

多数派ではない、以下のような科学的な見解もあります。

「集団検査が行われていない神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の8府県について、新規感染者数の推移をK値モデルで計算したところ、7月9日ごろにピークアウトする。いつ感染したかで考えると、2週間前の6月25日ごろにピークアウトしていたことになります」

 つまり、「第2波パニック」はミスリードの疑い濃厚である。むろん、今後も気をつける必要はあるが、「新しい生活様式」なんて言われても、食事中も会話をしないなど非現実的な内容で、その根拠もわかりにくく、守られていない。

新型コロナはピークアウトしている? ウイルス学権威が説く「必要な予防策はこれだけ」 デイリー新潮

コロナは既にピークアウトしており、マスコミは第2派を無駄に煽りミスリードしているとのことです。

非常にシンプルで、マスクをしていればソーシャルディスタンスも要らない。

この方はマスクさえしていれば、それだけでいいと言います。

さらに、宮沢准教授はこんな仮説を披露する。

「新型コロナ関連ウイルスは、中国のキクガシラコウモリから見つかっていますが、国内の同種の保有状況は調べられていません。ただ、国内のユビナガコウモリからは、新型コロナと同じベータコロナウイルス属のウイルスが見つかっているので、国内のキクガシラコウモリも、新型コロナ関連ウイルスを保有している可能性は十分ある。コウモリとの長い共存関係のなかで、感染を重ねてきた結果、日本人にはある種の耐性があるのかもしれません」

それに、コロナは元々あったでしょうにとこちらの教授はおっしゃいますが、私もそのように思います。やたら、「新型」を強調し、とあるパソコン関連会社の元会長さんで世界的大富豪の方などは、「これから新しいパンデミックが次々やって来て、それが人類の脅威になる」と脅していたようですが、私に言わせれば、そんなことが言える合理的な理由などほとんど感じられません。

だって、私たちはずっと共存してきたじゃないですか。なんで今更?

国際政治学者の三浦瑠麗さんが言う。

「新型コロナの脅威が強調されてきた一方、緊急事態宣言を再度出すことの怖さが、まだ理解されていません。帝国データバンクの調査にもとづく試算では、2カ月にわたった緊急事態宣言の結果、8月までに失業率が2ポイント上がる。それだけで今年の自殺者が8千人増えると見込まれ、感染症の犠牲者をはるかに上回ります。

このまま経済を棄損し続けると、いつか必ず恐慌に陥ります。その恐ろしさは、きっとコロナの比ではありません。

また、本来は現役層が経済を回し、高齢者の防護に対策を集中させるべきですが、彼らがまったく歩かなければ総合的な意味で寿命が縮まってしまう。そういうことも考え比較考量すべきです」

私たちが歩かなければ、困る人たちがたくさんいるのですから、社会を救えるのは、唯一私たち自身なのです。そのことを忘れてはなりません。

それに、経済的損害は目に見えてくるまで、タイムラグがあります。みんなが気づいたときには、おまえはもう死んでいる、という時である可能性はとても高いのです。

その点から考えて、今旅行をすることは決して悪いこととは言えず、結果的に社会貢献になるとも考えられるでしょう。

それを判断するのは、個々一人一人です。そして、その考えは決して他人に押し付けることは出来ません。自分で考えた結果だと責任持って言えるならば、押し付けは出来ないと自ずとわかるでしょう。

「ファシズム」をやっている人は、人の意見を神格化して、絶対的だと持ち上げているからたちが悪いのです。自分の意見を絶対的だと主張できる人なんてこの世に一人もいないのです。

人間は神を滅ぼして、我意を信じておきながら、最も完全な意味において、この我意を主張する勇気のあるものは、我が地球上に、果たして一人もいないのだろうか。

『悪霊』 ドストエーフスキー

専門家?

私たちが生きること、生活することに対する専門家など存在しません。あるとすれば、それは神様です。

だから、それは一人一人の責任で決めなければいけない、それ以上でもそれ以下でもないのです。

安倍政権の悪いところ

コロナ感染拡大で所得が大幅に減少する人々がいる半面で、勤労者世帯の収入が給付金によって4割以上も増加するというのは、いかにも奇妙なことではないだろうか?

実際、当初案では、一律支給ではなく、所得減世帯を対象に30万円を給付することとしていた。そして、その方針で補正予算が組まれた後に、公明党からの要求に屈して、一律給付金へと唐突に変更した。

なぜこのような変更が必要だったのかの理由は、説明されていない。政治的な要求によるとしか言いようがない。

これまでのコロナ対策には確固とした方針がなく、そのときどきの政治的な要求に突き動かされているだけだった。そのため、施策に一貫性がなく、混乱した。

いまそのことが、「Go Toトラベル」で繰返されている。

安倍政権も大混乱…国民の命にかかわる「Go To トラベル」の恐怖 現代ビジネス

安倍政権の悪いところは、「弱いところ」です。メディアとそれに同調する世論に簡単に屈してしまいます。しかし、民主主義と言う面においては、それも悪くはないということになりますよね。

GoToキャンペーンはとてもいいアイデア、これが許されないのであれば、政府は本当に何一つ施策を行うことが出来ないでしょう。東京や若者の団体旅行を除外すべきではなかったと私は思います。

そして、今は旅行のベストタイミングであるという奇妙な考えを持ち、それを表明することも、私たちの世界では許されています。

そのことは、とても重大なことだと私は考えますが、いかがでしょうか。