「緊迫の1年」は、のっけから凄まじいですね。空想してみるに、これらの一連の事件には、”歴史の覇者”からの非常に重大なメッセージが隠されています。

本当は、年初に書きたかったテーマはこれです。

(※前回の記事で、不同意性故意罪には時効がないとかフェイクニュースを書いてしまいましたが、延長になっただけで、時効はありました。お詫び申し上げます。)

匂わせ投稿

こ・こ・こ・これは・・・!! スマホに目ん玉がぶつかってしまう程の衝撃でした。

能登半島地震で被災した住民らが避難する石川県輪島市や能登町の小中学校に12日、断熱性や遮音性に優れ、短時間で完成するウレタン製の簡易住宅「インスタントハウス」が設営された。2次避難所への移動が呼びかけられる中、地域での学校再開に向け、避難生活を快適に過ごしてほしいと願いが込められている。

避難生活にほっとできる空間を インスタントハウス、発泡スチロール製シェルター 優れた断熱性 中日新聞

ゲゲゲのゲルですやん! 「ゲル」とは、モンゴル式の移動式住居のことです。はい、これです↓

さっきの記事で最も奇妙な点は「インスタントハウス」が、どっからどう見ても「ゲル」を模したものであるにも関わらず、そこの言及が一切ないことですね。

パージ型は大人4人が寝られる広さがあり、子どもたちは厚さ10センチの壁を触ったり、寝転んだりと楽しんだ。児童の遊び場や女性の休憩所として活用される。幸田さんは「子どもが大きな声を出して思いっきり遊ぶのにもいい。必要なところに供給していきたい」と語る。 同社の共同代表も務める開発者の北川教授は「避難所にはぬくもりやコミュニケーションが足りていない」と指摘する。

読めました? このメッセージ。特にコロナ禍において、我々文明人が犯した過ちに対する「当てつけ」ですね。

彼らは、堂々と匂わせ投稿を始めています。

 冬の雪原で跳ね回るシベリアノロジカたちは、その明るい活気だけでなく、人間と自然が共存する美しい生態系を形成している。

動画:内モンゴルの自然奇跡 雪原に舞う野生ノロジカの姿 AFP

こちらは一見、なんのこともない記事ですが、最近の野生動物出没騒動とかけ合わせれば、「お前らは、自然とうまく共存できないだろう?」と言われていることは分かります。

コロナ禍で行けなかった旅行をしたくてたまらない」「ドライブで遠出するとスカッとする」。そんな思いは、人間の脳に埋め込まれた本能かもしれない。人は移動するほど幸せを感じる――。こんな研究成果を2020年、米マイアミ大アーロン・ヘラー准教授(40)らのチームが国際科学誌ネイチャーニューロサイエンスで発表した。

「人は移動するほど幸せを感じる」という研究成果 「遠出するとスカッ」は本能かも GLOBE+

彼らが、なぜ私たちを家に閉じ込め、そしてそこから解放したのか、その理由も明らかです。すべては、定住民への「当てつけ」だったのです。

死者名、新たに20人公表 死因は全員「家屋倒壊」 能登半島地震

毎日新聞

つまり、彼らから我々への熱~いメッセージは「定住するな、遊牧しろ!」

そして・・恐らく、移動でも飛行機はダメってことなんだろうね。

ロシアの航空業界で、緊急着陸や故障による遅延といったトラブルが相次いでいる。

運航停止か、50年前の飛行機か ロシアの航空業界を制裁が直撃 麻氏新聞 朝日新聞

ロシアだけのことじゃなく、それは世界中で起きていますが、またもやその狼煙は、日本。世界的な航空禍の蔓延が始まったのです。

遊牧民と軍事の人類史

さて、少し時事を離れて「遊牧」の歴史に触れてみます。

霊長類が長い進化史を通じて採用してきた遊動生活の伝統は、その一員として生まれた人類にもまた長く長く受け継がれた。定住することなもなく、大きな社会を作ることもなく、希薄な人口密度を維持し、したがって環境が荒廃することも汚物にまみれることもなく、人類は出現してから数百年を生き続けてきたのである。

『人類史のなかの定住革命』 講談社学術文庫

人類の古い古い祖先は、皆遊牧生活を営んでいましたが、遊牧を捨て、定住生活を始めたのが、約1万年とされています。現在もその遊牧文化を保ったまま生きる人たちもいますが、ただし、彼らの文化は「定住民」によって、駆逐される方向にあるようです。

ヨーロッパから見て遊牧民とは、例えば西アジアのように、文明の中心としてオアシス都市があり、それを支える農耕地帯が周辺に広がり、さらにその外側にいる人々のこととして位置付けられてきました。つまり、遊牧民と言えば、秩序ある世界の外側の存在なのです。

小長谷有紀「モンゴル遊牧民の先進性」 NHK

しかし、どうも世界には「秩序の外側」を支援する強い力あるということに、当ブログは気がついたわけです。

ユーラシア乾燥地帯の東部においては、遊牧民は、その軍事力を生かし、政権に協力するなり、政権を自ら樹立するなり、秩序を作ることに貢献してきました。例えば、モンゴル帝国時代にユーラシアを貫いて整備された駅伝システムは、公的な証明を持った通過者に対して、遊牧民が馬と食事を提供することによって広域的な通信網を確立する制度です。マルコポーロなどヨーロッパからの旅行者は皆、これを使って安全に旅することができました。言語が異なり、文化が異なる人々も相乗りできるプラットフォームを提供するのが文明であり、遊牧はその一端をになってきたのです。

その姿は、まさに当ブログが正体を追い求めてきたイメージにばっちりあっています。遊牧の騎馬民族、彼らの末裔が現代社会においても、その軍事力を保ったまま支配的な立ち位置に存在するのではないか? その仮説は、当ブログの国際政治分析のブレイクスルーとなりました。

ロシア軍が遊牧民型の戦法で著しい戦果、ウクライナ軍壊滅は間近か

JBpress

だから、ウクライナの勝ちってのは、100%ありえない。それに、ウクライナは歴史上、西側の領土ではないですね。最初の遊牧民と言われているのがスキタイは、ウクライナの辺りに住んでいたそうですから、そこは元来、騎馬民族の居住地だったのです。

プーチンが代弁しているのは、そう言うことです。専門家連中のいってる歴史とは、いったいなんのことですか?

歴史上「遊牧騎馬民族」と「定住民」は、協力関係と対立を繰り返してきたようです。残念なことに、2024年において、その関係は「対立」が激しくなっているようです。

定住生活の基礎となっている農耕の発祥が、中国やメソポタミア、今のイスラエルの辺りであることは、非常に興味深いですね。

黄金の戦士

遊牧の戦士は、黄金を司っていました。

ロシア皇帝を魅了した黄金の民-
ウクライナを駆け抜けた遊牧民戦士スキタイ

『ウクライナの至宝展』 スキタイ黄金美術の煌めき

黄金の価値の復活は、新世界秩序の基軸です。

ロシアが目論む「金本位制の復活」。BRICS共通通貨は本当に米ドル支配を終わらせられるか

business insider

つまりは、西側の「ゴールドに裏打ちされることのない貨幣経済」はダメだ、ということなのでしょう。

探し求めた真実

再び、「緊迫の2024年」に戻りますが、元米財務長官のサマーズ氏の言及です。

サマーズ氏は2017-21年のトランプ政権と、今年の選挙で勝利した場合のトランプ氏の違いを説明。前政権のアドバイザーはムニューシン元財務長官ら共和党の「主流派から集められた」が、今回のトランプ氏は「過激なレトリック 」を駆使しており、「エスタブリッシュメントを打ち壊すことにコミットした人物」に囲まれていると述べた。

  サマーズ氏はトランプ氏が勝利すれば「冷戦に勝利して以来、第2次世界大戦に勝利して以来、米国が持っていた道徳的権威の喪失を意味する。そうなれば、世界の安定性は大きく損なわれるだろう」と話した。

トランプ氏返り咲きは危険、サマーズ氏が経済界に警告-前より過激に ブルームバーグ

彼のこの懸念はあっていると思いますが、「エスタブリッシュメントを打ち壊す勢力」は何故、ここまで過激に文明社会を破壊しようとするのでしょうか。

それは文明の発展が、遊牧文化の撲滅と直結するからでしょうか。

ところが、遊牧社会が崩壊し始め、伝統文化の継承が断片的なものになったことで、遊牧文化における本来の大切な思想が薄れてきた。露骨な利潤追求が強まり、若い世代にとっての家畜は、単なる財産になったように感じることがある。

遊牧社会崩壊、遊牧民の本質変化。家畜はパートナーから単なる財産になった Yahooニュース!

そう言えば、ペットを物扱いするな!という匂わせ投稿があったばかりですね。だから戦争を起こしてまでも、徹底的に文明を破壊するのだと考えれば、すべての辻褄が合います。彼らは究極の保守である、ということになりますね。「遊牧民」が存続の危機にいることは確かで、何もしなければ歴史から忘れられた存在になることは、必至です。

個人的には文化よりも、血の問題ではないかという気がしますけども。

ただ、モンゴルの乾燥して貧弱な草原に最も適し、その自然環境を保護し、そして最大限に活かしてきた遊牧文化の再認識と再評価は必然のことになるだろう、と思うのだ。

やはり、彼らは「遊牧を捨てて定住し、我々を虐げてきたお前らが悪い」ということが言いたいのでしょう。

しかし、言われ放題もなんなので、ちょこっとだけ反論させて頂きましょう。

およそ一万年前の中緯度地帯において、あるいは、現代の低緯度地帯においても、その原因が気候変化か、あるいは侵入者による環境破壊であるかの違いはあるものの、いずれにしても、環境の大きな変化が起こり、遊動生活を維持することが困難になった状況において、遊動生活の伝統が放棄され定住への移行が起こっているのである。

『人類史の中の定住革命』 講談社学術文庫

我々だって、好き好んで定住を選んだわけではないよ!

 労働時間の増加は、定住し、農耕生活を選んだ必然的結果でした。農業とは、毎日たくさん働かなければならない産業なのです。

定住生活で人類の生活水準は低下し寿命も縮まった JBPRESS

『人類史のなかの定住革命』の筆者の西田氏によれば、農耕の発明が定住生活を生んだわけではなく、温暖化により多くの地域で草原が森へと変化して、遊牧が不可能になった結果、定住せざるを得なくなったと言います。

つまりは、自然に逆らっているのは、あなた方じゃないの!? 温暖化は、あなた方が言う通り、本当は我々のせいじゃないでしょう?

定住生活出現の、このような過程を見、定住生活を営むことが、このように多様な困難を抱えていることを認めるなら、定住以後の人類の異質な歴史は、未だこの困難を完全には克服していない人類が、定住生活へと向かうギクシャクとした適応過程ではないかと思えてくる。

『人類史の中の定住革命』 講談社学術文庫

そうだ、違いない。私と読者様は、現代に表出した”ギクシャク”に気がついて、その正体を求める知の遊動を始めたのは、いつ頃のことでしたでしょうか。そしてとうとう、求めたていた場所、真実にたどり着いた、2024年1月20日現在は、そう考えております。