最近マーケット記事ばかり書いていますが、今更ですが、当ブログは投資予想ブログではありません(笑)。副題にありますが、世の中の本当を見極めようと言う、なんとも小生意気な趣旨のブログなのです。その一部としてマーケット情報を扱っていると言うスタンスです。単に2つのブログに分けてしまうと、閑古鳥が鳴いてしまうからと言う理由だったりもします(笑)。

マーケットは今年初めてと言っていいくらいの好調です。今後は、全てが政策次第となるのでしょう。好調だと逆に記事は書きづらいものですね。

対して世の中は荒れていますね。世界的にテロや物騒な事件が多く、これには社会的な要因がもちろん多く関係していると思うのですが、しかし、そこにはもっと根源的な理由も潜んでいそうです。今回はそんなお話を書いてみたいと思いました。

差別ではなく、”悪いこと”は男性が起こす可能性が高い

まず、こちらの記事をご覧ください。私もその見解をよく参考にさせてもらっている橘玲さんのブログ記事です。

治安とは「とんでもないことをする若い男」を管理すること

~ 橘玲 公式BLOG ~

ここに書いてあることは、一つの真実と思います。当ブログでも戦争は男性の動機によって引き起こされる可能性が高いと書いたことがあります。戦争とテロと犯罪、これは人を殺すと言う点では同じですが、一色単にしてしまうと見落とすことも多いだろうと思います。

しかし、これらを引き起こす根本の動機はやはり同じ性質であることが多いのではないか、と考えられます。それは男性の異性獲得競争における欲求です。

はっきりと言わない男性が多いのですが、男性は女性にもてるために生きています。すべての活動は女性を多く得るために行っていると言っていいのです。それが生物的に男性に仕組まれた宿命です。

ですから、それがまっとうな方法でうまくいかないとなると、男性は自分の人生をかけて一発形成逆転を狙うのです。これが犯罪やテロの動機となっている可能性は非常に高いと考えられます。

現代の予言書、『罪と罰』

社会が高度化し、管理された組織のなかで秩序が求められるようになると、「とんでもない」男は厄介者とされ、生きていくのが難しくなりました。治安問題というのは、社会からドロップアウトした「若い男」をいかに管理するか、ということなのです。

橘さんの記事にこの一文がありますが、このような状態をものの見事に表した現代の予言書と呼ばれる小説があります。それがドストエフスキーの『罪と罰』です。

天才はどんなことをしても許される

主人公のラスコーリニコフはこんな自分勝手な思想を夢想し、それを元に金貸しの老婆を殺害してしまいます。彼を犯罪に駆り立てたのは貧困でした。ラスコーリニコフはまさに社会からドロップアウトした「若い男」だったのです。このままでは、自分は一生うだつが上がらずに死んでいくだけ、そんな絶望的な状況に危機感を抱いた彼は自分の思想に一発逆転を賭けました。

自分は特別、何をしても許される、それを世に知らしめるため、強いては世の女性たちに知らしめるため。それは少なからず男性なら誰もが持っている自己顕示欲だったのです。

これは現代のテロの思想に非常に通ずるものがあります。彼らは、なにをやっても許されるという自分勝手な思想の元に残忍な犯行に及びます。自分は特別、何をしても許されるという承認欲求を、神の名のもとに利用するのがテロ組織と言うことになるのでしょう。

『罪と罰』では、物語の最後に、ラスコーリニコフを救ったのは信心深い献身的な少女だった、と言うのが象徴的です。

恋は罪悪?

時には犯罪も引き起こす男性の”とんでもない恋心”はやっかいです。これをはかなく美しく表現したのは夏目漱石です。

しかし、しかし君、恋は罪悪ですよ

女性を取り合って、親友を死に追いやってしまった『こころ』の主人公の先生はこう言います。

恋に上る階段なんです。異性と抱き合う順序として、まず同性の私の所へ動いてきたのです。

師と慕っている私に先生はこう言います。お前は女性獲得競争に勝つための手段を教わりにここへ来たのだと。そして、私はそれを教えることは出来ないのだから、いずれお前はここを去ることになると静かに告げます。

戦争は

戦争がこれらと違うのは、私利私欲ではなく、自分が生まれ育った国家のために戦うと言う大義名分があることでしょう。それは自分たちの住む土地、そこに住む女性と子供達を守ると言う意味合いがあります。少なくとも、最前線で戦う兵士は誰かのために犠牲になっているはずで、これを単に愚かと扱うのはあまりに無情と言えるでしょう。

未来は・・残念ながら・・

これらを踏まえて未来を考えてみます。残念ながら、文明的な面を発展させればさせるほどに貧富の差は広がっていくと考えられます。合理性を追求する社会ではそうなっていくのは、当然のことです。競争ではより優れた合理性が利益を独占していきます。それが合理性の本質だと思います。

ですから、これから社会からドロップアウトした「若い男」はより増えていく可能性が高いのです。そして、彼らは形勢逆転を狙ってとんでもない行動に出る。それが世界最高の文学の予言です。おそらく、それを同じ文明、科学の力で監視する方向に進むのだと思います。

犯罪者を瞬時に見抜くような高度な監視システムが最近話題となることも多くなったようです。しかし、私は文明が原因で起こっている問題の解決は、同じ文明には決して果たせないと思います。

そして、最後にこれだけ男性を悪く書いたのですから、少しくらい女性に責任を転嫁しても許されると思うのですが、男性が相応のリスクを冒してわざわざとんでもないことをしでかす、と言うことは、その先にはリターンが見込めるという打算があるということになります。

つまり、とんでもない悪いことをする男性に魅力を感じる女性もまた普通に存在していると言う事実があるということです。

女性の皆さんは、男性をそうにまでしてしまう魔力を持っていることをご存知でしたか? そんなことは知りたくもなかった? それともそんなの当たり前でしたでしょうか。

実際日本でも

このような形の犯罪は実際日本でも起こっています。記憶に新しいのは、黒子のバスケの作者を脅迫した事件だとか、パソコンの遠隔操作事件だとかはこれらの典型です。

そして、多くの死傷者を出すまでの悲惨な事件となったのが、秋葉原の無差別刺傷事件です。ネット上に被告の支持者がいたことが、テロとしての被告の思惑の成功を物語っています。だからこそ、この事件は決して許せない事件だと言えるのです。