米株価指数のS&Pが昨日、史上最高値を更新し、ダウもこの記事を書いている現在、史上最高値を更新しました。当ブログでは離脱後にも史上最高値を更新しそうだとしてきましたので、これは的中! とさせていただければと思います。

米株が怖いほどに強いことはしつこいくらいに書いておりますので、今度は日本株がどうなるのかを考えてみたいと思いました。そして、そのカギを握るのが言わずもがなのドル円です。

突如動き出した円売り

今現在、104円50銭ほどになっていて、水準から言えば大したことないのですが、驚くのは圧倒的な上昇スピードです。先週金曜日の終値は100円台後半だったのですから、たった2日で4円近くも上昇しております。そして、ドル以外の通貨も同時に上昇しており、円売りが強まっていることは間違いありません。その理由は、政府が策定していると言われている10兆円超の財政出動で、同時に日銀が金融緩和を行う手法は何か月から前から噂になっておりました。

それが、先日の参院選挙の自民党の圧勝によって、一気に顕在化し始めたと言うところです。今の動きは長続きしないと言う方も多いようですが、私には素直に見るにこの相当強い動きがすぐに折れるとは思えません。少なくとも、今月29日の日銀会合までは続きそうです。しかし、ここで追加緩和が出るかと言われるとどうでしょう・・。政府とセットで出してくる可能性が高いと考えられるので、フライングとはいかない気がするのですが。

もし、出なかったとすると、前回の暴落の記憶があるので怖いですが、期待は繋がるはずですので、そこで終焉と言う訳ではないのではないでしょうか。

 

ここ数年稀に見る総悲観

今週頭から、突如始まった急激な円安株高の動きですか、先週までのマーケット環境は私が最近見ていた中で、こんな時あったかな?と思うくらいの総悲観状態でした。イギリスのEU離脱から来る不安感にマーケットは支配されており、これから円安や株高が来ると言うよように言う人はほとんど皆無と言っていい状態になっていました。

そんな中、ドル円と日経平均は底を打った可能性もあるのではないか、そんな記事を書きましたが、これはもちろん、今回の動きだけで当たったなんて言いません。しかし、こう予想すること自体ははむしろ普通のことだと思っています。なぜなら、イギリスの国民投票はずっと前から実施が決まっていて、今年の最大の悪材料の一つとされていたのです。ですから、その結果によって悪材料出尽くしで底値になると言うのは、株の動きとしてはむしろ基本的な素直な動きだと思うのですが、今回はなぜかそれを言う人は、ほとんど誰もいませんでした。

 

もう一つの悪材料

そして、今年のイギリスの国民兆票に匹敵するもう一つの大きな悪材料と見られているのが、トランプ大統領です。アメリカ大統領選は11月に行われるのですが、それまでに、この悪材料を織り込みに行く可能性があるでしょう。とすると、今のリスクオンの円売りの勢いがいくら強くても再び円高方向へ押し戻されるのは必至です。

しかし、仮にトランプが大きく失速するようなことがあれば、このままドル円は大きく反発していく可能性もあるのではないでしょうか。個人的には失速するんじゃないかと思っています。トランプ氏はあまり革命を起こせる感じの大物には見えないんです。顔もあまり格好良くないですし・・(笑)。しかし、選挙がどうなるか分からないのは、イギリスの結果で思い知らされたので、楽観は出来ません。

例え失速しなくても実際に誕生しなければ、いえしたとしても、大統領選挙直前直後辺りで株価もドル円も底打ちとなるのじゃないかと思うのですが。

 

もし、この仮説が正しければ・・

過去の円高局面では最低でも1年以上続き、値幅は最低で25パーセント程度円高になっていたという吉田さんの解説をお伝えしてきましたが、もし、ドル円が6月24日につけた98円台で底を付けていたとすると、昨年の8月から円高が始まったとして、まだ一年未満、値幅も最低未満と言うことになります。

今が円高時代の円安調整局面なのか、円安時代の円高調整局面なのかは、値動きからはまだ判断できないと言うことを書きましたが、この過程通りと言うことがあるとするならば、それは長期円安時代を強烈に裏付ける証拠になるかもしれません。

政府は所謂ヘリコプターマネーを行おうとしているようです。それは強烈なインフレを引き起こしかねない政策です。どんなに乱高下しようとも、悲観が広がろうとも株価とドル円は結局は上へ向かっていると考えておくべきなのではないかと思うのですが、いかがでししょうか。