非常に残念ながら、一つ前の私の記事は外れました。なぜ外れたのでしょうか? そこには、私の願望が入ってしまったから、ということになるのでしょう。

「コロナを感染症2類相当」から外す。それを国のリーダーが国民に説明する、それは私が今、最も求めることだったのです。

しかし、その求めはかなわず、代わりに出てきたのは、「現実」でした。それは少しの夢もない、正に現実。彼は、なぜ辞めたのでしょうか?

答えは簡単、辞めろと言われたからです。

誰に? それは「上司」に、に決まっています。

ホワイトハウスに逆らったら辞めるしかない

戦後日本において、米ホワイトハウスの方針に逆らって成功した首相が嘗て一人でもいたでしょうか。いえ、いません。彼らは辞めさせられ、時には殺されてきました。

ですから、安倍晋三が、不幸の病で辞めるなどと本気で思っていては、話になりません。彼は上司の方針に逆らったから、首になったのです。

安倍の今回の突然の辞任は、トランプと安倍の関係、もしくは日米の安保関係が終わりになったのでないかという疑念を抱かせる。安倍は、トランプに何らかの形で日本との関係を切ったので辞めるのでないか。そうでなければ辞める必要などない。従来の日本にとって最重要なことは、米国との同盟関係だ。病気がちでも、トランプからの電話を受けられれば首相をつとめられる。

田中宇の国際ニュース解説

上司(米ホワイトハウス)の方針とは、何だったのでしょうか。それは完全な親米反中姿勢に傾くことです。しかし、彼はそれに逆らいました。

日米の安保関係は、今年6月に安倍政権が米国から買った地上イージスのミサイル防衛システムを途中でやめることにしたあたりから、ぎくしゃくしている。

米国が、これに対し強い嫌悪を抱いていることは、複数のソースから確認できます。特に米国の悪名高きシンクタンク、CSIS(戦略国際問題研究所)から、7月中に公表された報告書の中身は、象徴的でした。

 ・米国の有力政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)が米国務省の支援で7月下旬に作成した報告書に安倍晋三首相の対中政策を大きく動かす人物として今井尚哉首相補佐官の名前が明記されていることが明らかになった。報告書は、今井氏が長年の親中派とされる自民党の二階俊博幹事長と連携し、「二階・今井派」として首相に中国への姿勢を融和的にするよう説得してきたと指摘。米側の日本の対中政策への認識として注視される。

・米側がこうして日本の中国への政策や認識に強い関心を示すのは、トランプ政権が対中対決を強める中で日本に共同の対中姿勢を求めていることにも起因する。この報告書の作成を支援した国務省「グローバル関与センター」は、中国の対外的な影響力工作や政治宣伝への対応を任務としている。(ワシントン駐在客員特派員 古森義久)

米有力研究所が安倍首相側近を「対中融和派」と名指し 古森義久 産経新聞

ずっとトランプの傀儡だと見られていた安倍晋三は、ここで突如として、その意向に反旗を翻しました。なぜ、彼はそのような「暴挙」に出たのでしょうか。チャイナマネーに目がくらんだ? いやいや、そんなはずはありません。彼は、13年前に一度「解雇」された経験を持ちます。

こうなることがわからなかったわけないのです。つまり、彼は、そうせざるを得なかったのです。

安倍首相が親中に傾いた理由

トランプ政権にとって最も有望な米軍地上発射型ミサイルの配備先は日本である。なぜならば、中国に対する地理的位置、政治的安定性や良好な治安情勢に加えて、アメリカの“治外法権”が世界中で最も幅広く認められている日米地位協定の存在、それに上記のように「病理的」といわれるほどアメリカに対する依存度が強いといった好条件が揃っているからだ。

このままではトランプの“捨て駒”になる日本 JBpress

米国、いやトランプの捨て駒、これこそが日本に課せられた役割であると安倍晋三は知っていたのでしょう。ですから、彼は自らの政治生命をかけ、日本を守ろうとした、その可能性は頗る高いです。

日本の国際政治かじりは、米国のプロパガンダに踊らされ、親米ニセ保守と化し、中国、韓国叩きに誇りを感じています。

彼らは、まさにカモです。その先には、恐ろしい現実が待っていることなど知ろうともしません。

しかしその一方、日本の状況は悪化する。同じく制空権を失った、すべての自衛隊基地と米軍基地のあいだで共同使用が進み、そこにやがて対中国・ロシア用の中距離核ミサイルが配備されることになる。そして米軍の主要部隊はグアムその他へ撤退するが、「共同基地」に配備された核ミサイルの発射ボタンは米軍が握り続けるのだ……。

たんなる悪夢だと思われるだろうか。そうではない。すでに何十年も前から、「全自衛隊基地の米軍共同使用」と「日本の陸上基地への核ミサイルの配備」は、アメリカの軍産複合体が具体的な目標としてきた現実なのだ。

なぜ日本は、アメリカによる「核ミサイル配備」を拒否できないのか 現代ビジネス

これが、その最悪の未来です。

河合夫妻事件は、最後通牒だった

河井夫妻の事件は、安倍晋三への最後通告だったのでしょう。

辞めなければ、次はお前だ。

そもそもこの事件は、「官邸VS検察」の構図のなかで始まっている。

前代未聞の大事件…なぜ検察は「河井夫妻からカネをもらった罪」を立件しないのか 現代ビジネス

東京地検特捜部が、米国のスパイ機関であることは、歴史上明らかと言ってもいいでしょう。

「官邸VS検察」の勝負のターニングポイントこそ、「#検察庁法改正案に抗議します」だったのです。あれで、官邸の最後の砦が陥落してしまいました。

河井事件は検察にとって、「負けられない一戦」だった。

そのような戦いは、起訴するもしないも検察官の手に委ねられているから許される。起訴便宜主義と呼ばれるが、この検察に与えられた権力を、「検察の独自性を守る」という自己都合で使ったのが、今回の事件だった。

それは歪みであり、不正であり、不法である。国民はそこまでの権力を検察に与えた覚えはない。

国民は検察に加担。それは、官邸の権力の暴走だと一斉に非難しました。

なぜ、選挙に選ばれていない機関に、選挙に選ばれた人間を排除する権力を与えるのです? しかも、それは外国の諜報機関の影響力を強く疑われている機関なのですよ? なぜ、検察が暴走しているとは、だれ一人考えないのです?

日本人どうかしてんだろ、と私は思います。誰が本当に悪い人間なのかの見分けもつかないのでしょうか。

お友達がどうとか、マスクがどうとか、動画がどうとか、そんなに大した問題なのでしょうか?

日本に米国の核ミサイルが配備され、彼らの代わりに中国と戦争させられる

それが私たちの未来の最大の問題であり、それを避けることが、私たちにとって、最も重要なことなのではないのでしょうか。

そのためには、安部晋三は必要な男だったと私は思います。国民は、安倍首相を守るべきだった、それが私が強く思うことです。

日本の首相が例え本当に悪かったとして、それを正すのは、東京地検特捜部の役割ではなく、それは明らかな越権行為です。

それを出来るのは、私たち国民だけであるべきです。

蛇足

最後に蛇足的に、次期総裁の予測でも書いてみようと思います。私は過去何度か、安倍晋三の後釜には石破が用意されているのではと書いています。

石破茂・元防衛相

 北朝鮮が潜水艦から核が撃てるようになると、状況は全く変わる。その時に(非核三原則のうち)「持ち込ませず」をどうするかは議論する価値がある。

非核三原則「持ち込ませず、は議論の価値ある」 石破氏 朝日新聞

私に「北朝鮮危機シナリオ」の結末、つまり、米国の核配備の計画を教えたのは、矢部浩二さんではありません。

私に教えてくれたのは、石破茂だったのです。私は、それを聞いたとき、北朝鮮危機の結末はこれだと確信しました。

ですから、彼は適任です。