皆さん、お待たせしました! と言うべきですかね・・。ついに、とうとう、あれがやってまいります。それは、

合意なき離脱

当ブログの読者の方はみんな知っていると思いますが、私は2018年から、この結末は100パーセント、それになると断言してきました。

万に一つも合意はない

タイムズ紙によると、英首相官邸は、欧州連合(EU)と通商協定を締結できる可能性が30-40%しかないとの見方を示している。国家補助金を巡る交渉が行き詰まっているという。

 英国は今年1月末にEUを離脱。現状を維持する「移行期間」は今年末で切れるが、EUとの通商交渉は現時点でほとんど進んでいない。

EUとの通商交渉、合意の確率30-40%─英首相官邸=タイムズ紙 ロイター

「万に一つも合意はない」、私はこのセリフを何度吐いたことでしょう。ですから、2019年末の「合意」と言うニュースを聞いたときは、このブログの執筆を始めて以来の混乱状態に陥りました。絶対にあり得ないことが起きたのです。

私は総選挙にはブレグジット党が勝ち、その約束は破棄されると予測せざるを得ませんでした。

英ブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首は1日、ジョンソン英首相が自身の欧州連合(EU)離脱合意を撤回し、強硬離脱を支持する政党との選挙協定に同意しない限り、12月12日の解散総選挙において全議席を争う意向を示した。

英選挙、離脱合意撤回なければ全議席で争う=ブレグジット党党首 ロイター

結果、保守党は選挙に圧勝し、私の混迷は頂点を極めました。

ところが年明け、ふたが開いてみれば、なんのことはありません。ジョンソンはファラージの要求に従いました。つまり「選挙協定」は結ばれていた、というわけです。

私たちに示された真実、それは「合意」自体が嘘という、あられもない姿だったのです。

ジョンソン英首相は昨秋、FTAに関する事前協議の結果をEUと共同でまとめた「政治宣言」を公表。EUの基準などに依拠する形で「貿易・競争の歪曲(わいきょく)を防止する強固で包括的な枠組み」を構築すると明言した。

 しかし、その後の総選挙に大勝して国内のEU残留派を駆逐すると、経済面でEUからの独立を重視する方針に転換。「EUのルールには縛られない」と、国際的な約束を白紙に戻した。

約束ほごなら「合意なし」 EU、英に警告―FTA交渉 jiji.com

なぜ「合意なき」なのか

それにしても、なぜイギリスは約束を破棄してまで、EUを脱退しようとするのでしょうか。それは、

「EUをぶっ潰す!」

が、アメリカ、イギリス、イスラエル連合、当ブログ通称「保守的なグループ」の戦略だからです。

また、テリーザ・メイ英首相の退任発表を受けて始まった与党・保守党党首選をめぐっては、合意なしブレグジットを支持しているボリス・ジョンソン前外相が「すばらしい」次期首相になるだろうと話した。

トランプ氏はこの記事で、メイ首相を長年批判してきたファラージ氏はEUとの交渉における「提案をたくさん持って」いるため、交渉に参加すべきだと話した。

「もし(ブレグジット党が)交渉に参加していたらどれだけうまくやっただろう」また、「要望どおりの協定、公平な協定が得られないなら席を立つべきだ」とも述べ、ブレグジット交渉で要求が通らない場合には交渉決裂も辞さないべきだとも発言した。

トランプ米大統領、「合意なしブレグジットも視野に」 ファラージ氏を支持 BBC JAPAN

私は、そのことを知っていました。ですから、結果は100パーセントだと豪語したのです。しかし、一つの誤算は敵の力が想像以上に強かったことです。

「ロンドンの政治エリート達」が2016年の国民投票の結果に背くことをEUと画策しているため、10月31日の離脱期限に疑問符がついているという。

ファラージ氏は、英国は17世紀のイングランド内戦以来最大の紛争状態にあり、ジョンソン首相はメイ前首相がまとめた合意を蒸し返そうとすることで保守党に崩壊のリスクをもたらしていると指摘。

EU離脱、再び延期される見通し=ファラージ氏 ロイター

同じ国際政治の支配勢力である「エリート」たちは、離脱自体を無くそうと必死の抵抗を見せました。しかし勝ったのは、やはり「保守的なグループ」でした。

トランプの当選と英国のEU脱退の国民投票、そしてヨーロッパ全域での極右の台頭には間違いなく共通点がある。 ナイジェル・ファラージ、マリーヌ・ルペン、オルバーン・ヴィクトルといった、極右のリーダーたちは、すぐにトランプの勝利を祝福し、彼を”仲間”と認識した。この展開には恐ろしいものがある。

『誰が世界を支配しているのか』 ノーム・チョムスキー

「保守的なグループ」の戦略は、自分たちの仲間(極右勢力)を、EU内に増やし、彼らを内側から破壊することでした。

「エリート」側であるジョージ・ソロスは、EU崩壊への懸念を表立って表明するまでになっていました。

ビリオネアの投資家ジョージ・ソロス氏は、欧州連合(EU)は5月の選挙の前に反EU勢力と戦わなければ、「気付かないうちに危険な状況へと向かい」、ソビエト連邦のように崩壊する可能性があると指摘した。

目を覚ませ! そうでなければ、EUはソ連のように崩壊する —— ジョージ・ソロス氏が警告 BUSINESS INSIDER

ほとんどの人は、彼らは上手に離脱するために交渉していると思っていたでしょう。「合意なき離脱も辞さない」は、交渉を有利に進めるためのポーズだと。

しかし、これは初めから、交渉などではなかったのです。

これは、何が何でも離脱を目指す者と、何が何でも離脱を阻止しようとする者の戦争だったのです。ですから、「合意のある離脱」と言う選択肢は、初めから存在していなかったのです。

もちろん、離脱選挙自体がその抗争でした。ですから、民意は全く関係ございません。ちなみに年末の「ブースター」総選挙、「保守党圧勝」のカラクリはこちらです。

小選挙区制の奇妙な点は、過半数の票すら獲得しなくても「地滑り的」勝利が起こり得るということだ。ボリス・ジョンソン首相が今回安定過半数を得たのはまさにそんな一例だが、興味深いのは、テリーザ・メイ前首相の下で保守党が「惨敗」し、不安定な連立を組む羽目になった2017年の得票率(42.4%)と比較して、ジョンソンがそれを多少上回る程度の得票率しか得ていないことだ。実際、彼はメイよりほんの33万票上回る票を獲得しただけだが、労働党の票が崩壊したために、保守党圧勝につながった。

数字から見る英総選挙の結果とイギリスの未来 Newsweek 日本版

そして、最も恐ろしいことは、この選挙結果によって、

早期の離脱=合意なき離脱は、国民の意志であるということになったことです。全ての責任は、国民に押し付けられてしまったのです。

これらの分析が三流の安全パイ常識解説とうちとの違いで、結果の差はここから生まれるのです。これらはまさにマジックであり、「この帽子からハトが出てくるんですよ」と言うのは解説と言うよりは、狂言回しです。

・とはいえ、ここまで徹底して細部にわたって欧州各国を相手に文言や表現にこだわり、自分の主張を貫いた例は過去にあまりない。それだけトランプ政権の「反欧州」の空気が強いことを表している。

・しかし、米欧がどれほど対立しようとも、アメリカと英仏独など欧州の主要国は、戦後の世界秩序を創り上げ、維持・発展させてきたという自負と責任感を持っていた。ゆえに決定的な対立を回避するという知恵も併せて持っていた。

ところが今回の米欧対立はこれまでとは根本的に異なっている。トランプ大統領という特異な人物の登場がこれまでとは次元の違う米欧対立を生み出したことは否定できない。

・つまり、欧州の側にもアメリカに向き合い、問題解決を図る力がなくなってきているのである。

トランプの「欧州嫌い」はここまで深刻だった 東洋経済オンライン

「保守的なグループ」と「エリートグループ」は、元は同胞でしたが、2015年に分裂が決定的となり、その後、最終戦争に陥っています。

私たちはその世界大戦を今、見ているのです。

本物の脅威

ですから、これは本物の脅威です。コロナなどは単なる詐欺であり、本当は全く大したことはないのです。私がこの話題にこれほど、記事を割くことになったのは、思った以上に日本人が○○だったからで、コロナ自体はどうでもよかったのです。

しかし、「合意なき離脱」は、間違いなく人類がこれまで一度も経験したことのない未曽有の事態です。金融市場的にも何が起きるか全く予想できません。

しつこいですけど、コロナはインフルより下だから、未曽有でも何でもありません。

つまり、本当の危機は、これからだということです。更には、このタイミングで、「保守的なグループ」がドイツ銀行を潰しにかかる可能性も全く否定できず、もしそんなことが本当に起これば、日経平均は前回の安値を割れ、12,000円~最悪10,000円割れ、なんてことも十分考えられるでしょう。