米大統領選で、支配層同士が熾烈な戦いを演じる間に、世界を見渡せば、民主主義運動が勢いを増しているように思えます。

ところで、民主主義とは何だと思いますか?

私は、自分たちのリーダーを自分たちで選ぶことだと思います。

「リア王」は破滅した

私は、学級委員長を選んで以来、久しく自分のリーダーを自分で選んでいません。皆さんもそうではないですか? 会社の上司はもちろん、「上から与えられた人」ですよね。

これは自然界から見ると、奇妙なことです。

例えば、動物社会のアルファが、「お前の上司はこいつだ」と触れて回ったという話は聞いたことがありません。

さて、この「αオス」、どんなふうに決まるか、知っていますか?

たまーに、大きな音を出しながらガラスや壁を叩いていたり、モノを放り投げたりしている姿を見たことありません? これはオスのチンパンジーがとる「ディスプレイ」という行動で、自分の力をさまざまな方法で見せつけるものなんです。この「ディスプレイ」が上手くできるかどうかが、群れの順位を決める要素となります。

ただ、「ディスプレイ」が上手いだけでは「αオス」になれません。他のチンパンジーから認められ、信頼を得ることも重要なのだそう。人間も同じですね…。

現在2派に分かれる旭山動物園のチンパンジー、さて「強いオス」ってどう決まる? ウォーカープラス

いや、全然同じじゃねえし・・。

上位者が自分の言うことを聞く人間を上位に引き上げる、私たちの社会はそういうシステムになっています。しかし、このシステムが最終的には、破滅に繋がることを見事に表現したのが、あの世界文学の最高峰です。

ブリテンの老王リアは、甘言を弄した長女と次女に領地を与え、素直な物言いをした三女を怒りのあまり追放してしまう。しかし、信じて頼った長女と次女に裏切られ、流浪の身となる。やがて三女の真心を知り、フランス王妃となった彼女の力を借りて2人の軍勢と戦うも敗れ、三女は処刑、狂乱と悲嘆のうちにリア王も没する。リア王に従う道化の皮肉に満ちた言葉は現世の不条理を深く突き、四大悲劇中最も壮大な構成の作品との評もある。

「リア王」 ウィキペディア

シェイクスピアは、人間社会の普遍性を世界最高の芸術レベルで表現しました。彼の予言通り、現代において、この不自然、不条理なシステムは限界を迎えたのです。

リーダーの資格

さて、では、本当の真のリーダーに相応しい資質とは「上の言うことを聞く」ことではなく、いったい何でしょうか。

ニッキーは最高位に就ついていたが、あまり権力はなく、コロニーは彼の支配を日頃から拒絶した。実際には、采配を振っていたのは、コロニーの最年長のオスとメスであるイェルーンとママだった。二頭にはとても大きな威信があったので、彼らの決定に反対する者はいなかった。

ママは抜群の縁故と仲裁能力を持っていたから、並外れた影響力を振るった。大人のオスはみな、公式には彼女よりも序列が上だったが、いざというときは、誰もがママを必要とし、彼女を尊重した。

彼女の意向が、すなわちコロニーの意向だった。

『ママ、最後の抱擁 わたしたちに動物の情動が分かるのか』 フランス・ドゥ・ヴァール

霊長類の社会的知能研究の第一人者であるフランス・ドゥ・ヴァール氏によれば、それは腕力ではなく、「縁故と仲裁能力」だと言うことです。

現れ始めた新時代のリーダーたち

そして、実際にこの能力をもった新時代のリーダーが、私たちの目の前に現れ始めていると私は思います。

ドナルド・トランプはひっきりなしに嘘をつく大統領だが、そのなかでもいちばん突飛なのが、彼と彼の政権はわが国の労働者階級の友という嘘だ。

本当のところ、トランプは億万長者たちを歴史上のどの大統領よりも多く政権に起用した。熱烈な反労働組合の議員たちを全国労働関係委員会(NLRB)に送り込んだ。大金持ちと大企業には大幅な減税を施す一方で、教育、住宅、栄養計画の予算の大幅な削減を打ち出した。

バーニー・サンダースがバイデンに叱咤「立つんだジョー、労働者の味方に!」 COURRIER JAPAN

「トランプが民の味方だというのは大嘘だ」

私も全くその通りだと思いますが、この記事の筆者は、サンダース上院議員その人です。

サンダース氏が米国の若者の間で絶大な支持を得ているのは周知の事実ですが、残念ながら彼は次世代のリーダーには向いていません。なぜなら、御年79歳! さすがに、ジジイすぎる!(失礼)

しかし、心配はご無用。米国には彼の意志を継ぐ(まだ死んでないって)、彼以上の人気者が台頭しているからです。

アメリカ大統領選に合わせて行われている連邦議会選挙で、若者を中心に熱狂的な支持を集めている民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏が下院に再選を決めた。

若者に熱狂的な人気。アレクサンドリア・オカシオコルテス氏が下院に再選、どんな人物? HUFFPOST

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員。彼女はいいですね。新時代のリーダーの資格ばっちりです。

2018年5月、ガザ地区とイスラエルの国境沿いで抗議活動を行ったパレスチナ市民に対し殺傷力の高い武器を使用したとしてイスラエル国防軍を非難、「虐殺だ」とツィートした。

2018年7月、PBSの番組『Firing Line』のインタビューで「(イスラエルとパレスチナの)2国家共存案に賛成します」と述べ、ヨルダン川西岸地区にイスラエルがいることは「パレスチナを占領している」と発言した。この「占領 (occupation)」という言葉は、数多くの親イスラエル団体やコメンテーターらの反感を買うこととなった。

「アレクサンドリア・オカシオ=コルテス」 ウィキペディア

弱冠31歳でありながら、世界最強ヤクザのイスラエルを公然と批判するとは、その勇敢さは、元来の米国政治家の枠を大きく超えるものです。「勇敢さ」はリーダーの資質として、とっても重要なものです。

しかし、それ以上にいいのは・・

ルックスです。と言ったら大非難を浴びそうな気もしますが、私が言いたいのは、単に美人だということではなく、彼女は表情がとてもいいのです。人を安心させる表情を有していますね。それは私が、リーダーにとって最も重要な要素と考えるものです。

ママは抜群の縁故と仲裁能力を持っていたから、並外れた影響力を振るった。

フランス・ドゥ・ヴァール氏の言葉を、もう一度思い出してみましょう。笑顔が素敵とは、そういうことです。逆に最悪なのが、環境少女グレタね。いったい誰に指導されたんだか・・。

私たちの知っている政治家は、どいつもこいつもしけた爺さん婆さんばかりで、たまにイケメンや美女もいますが、いつもしかめ面で、全く魅力を感じませんよね。オカシオ=コルテス氏は、一目で政治家に対する既成概念を吹っ飛ばし、「ああ米国の若者が自分たちのリーダーに選んだんだな」とはっきり感じさせてくれる存在です。

トランプやバイデンを米国民がリーダーに選んだ? そんなわけなくね?

私のリーダー

さて、最後にもう一人のリーダーを取り上げて終わりにしましょう。彼は知名度という点では全く劣りますが、すでに私のヒーローです。

それは「世界医師連盟」のハイコ・シェーニング氏です。

「我々は世界中に敷かれたマフィア的犯罪の最中にいると言うことをこれ以上見逃してはならない」

記者会見でこう発言する彼に、私は心を鷲掴みされました。その言葉には精悍さがあるとともに、私が最も魅力を感じたのは、やはり表情です。語っている深刻な内容とは裏腹に、彼の表情の中には、微かな微笑みが見られるのです。

つまり、彼にもリーダーにふさわしいと私は認めました。

そして、皆で声を揃えて言いましょう。「新しい日常なんか嫌だ」と。しかし、「以前の日常」に戻るのも嫌です。なぜなら「以前の日常」が「新しい日常」と言う状況を生み出したからです。私たちは「よい日常」を望みます。

それを皆で共に求めましょう、そう、あなたと一緒に!

「世界医師連盟」「啓蒙医師団」 ハイコ・シェーニング医師

だから私は、彼と一緒にそれを求めると決めました。

ついていきますぜ、兄貴! 

これが私の考える本当の民主主義だ!

「日本人じゃないじゃん」という突込みは取りあえず置いておきましょう。日本には、まだ登場していないのでね。(私の知る限り)

それにドイツと日本は昔から、親友なんでしょう?