さて、今まで書いてきた記事を完全に覆すようで申し訳ないのですが・・、今日のニュースを見ていて表題のような考えが浮かびました。

チプラス首相がトロイカの提唱する緊縮政策に「NO」へ投票するように国民に呼びかけたというのです。

これ、普通に考えても意味がまったく解りません。

EU側も矛盾していると強く非難しているようです。私は国民投票が行われると聞いた時、自分たちの交渉が行き詰まり、匙投げ、つまり国民への責任転嫁をしたと思ったのです。

ですが、それだと国民へ「NO」と投票しろと言う意味が説明できないのです。自分たちがNOと言っているのですから、改めて国民にNOと言わせてたところで、交渉が進展するはずもなく、結果は最悪ユーロ脱退だと予想されています。まったくもって矛盾しています。

 

しかし・・・実はこれを視点を変えて、
チプラスははじめからEUへの残留など望んでおらず、ユーロ脱退とドラクマへの回帰を目論んでいる!
と考えると矛盾が吹っ飛んでしまいます。この事実は我ながらちょっと衝撃でした。もし、そうなると、

チプラスは単なる馬鹿でも駄々っ子でもなく、相当な策士である

ということになります。

(ドラクマの準備をしているというニュースを「空想に過ぎない」と即座に否定したそうですが・・・)彼ははじめから交渉しているように見せかけているだけで、本当はそんな気はまったくなく、ひたすらユーロ脱退へと国民を誘導している。

国民、EU、世界中すべてが騙されていることになりますが、こう考えると彼の一連の言動には矛盾がありません。そうだと思ってみると、たまにいる政治家のように、彼は一目で見てそうわかるようなお馬鹿な顔はしていませんね。

 

もし、これが私の妄想ではなかったとしても、チプラスがそれを認めることは決してないでしょう。

「痛みを伴うが、ドラクマに戻って我々の尊厳を取り戻そう!」

と正直に言ったところで誰もついて来ないのです。

 

ユーロ脱退の大義名分を得るため彼は国民投票を行おうとしている!

 

国民投票を行うという宣言をした時、ユーロ側は「裏切られた!」と言ったそうです。これはいったい何を物語るのでしょうか!? ユーロ側はチプラスが本当は交渉する気などないことにその時気が付いたのではないでしょうか!?

 

ユーロを脱退し、ドラクマに戻る、その道は険しいが、最終的にはそれが国民の幸せ、そう考える専門家の方は多いようです。

もし、それが本当だとしたらチプラスは国民の真の救世主なのかもしれない、そんな神話的な妄想を持って、この歴史のドラマを眺めるのも非常に面白いんではないでしょうか!