2月28日に発表、と噂されるアメリカの驚異的税制改革を控えて、アメリカの株価3指数は揃って絶好調、ダウは30年ぶりの10連騰となっています。対して我らが、日経平均株価というと、下がりこそしないものの、毎日上がったり下がったりの繰り返しで、アメリカ株に引き離されるばかりです。
そして、驚異的税制改革の発表は相当織り込んでいると考えれらること、またドル円相場が直近の底に近付いていることもあり、発表後の下落を見込んでいる声も大きくなってきたように思います。しかし、毎度へそ曲がりの当ブログでは、発表後にもとうとう225もバブル化していくのではないか、という記事を書いてみたいと思いました。
とは言え、ただ闇雲にみんなと逆のことを書こうというのではありません。というのも、最近の日経平均株価の動きが、ちょうど10カ月も前のダウの動きに似てきたと感じるからです。
発表後の材料出尽くしは極めて常識的
アメリカのトランプ大統領が、2月9日「今後2~3週間のうちに驚異的な税制改革案を発表する」と述べてから、アメリカの株価は騰勢を強めました。そして、その発表は今月28日の講演の中での可能性が高いと予想されているようです。
そして、さすがに材料出尽くしで株価は一服し、下落局面に移るだろうという見解が多くあるようです。普通に見ていくと、確かにそれはそうに違いないと私も思います。ダウは10連騰ですし、チャートを見てもいつ崩れてもおかしくない形状だと思いますし、崩れたら大きなものになりそうだと怖くもなります。
しかし、ダウがそんなおかしなことになり始めたのは、なにも最近のことではありません。原油安に苦しんだ産油国のファンドの売りと言われた2016年の初め以来、ダウは大きな下落が全くありません。
2016年が順風満帆だったかというと、そんなこともなく、6月にはイギリスのEU離脱が選挙で決まりました。これは残留だろうと投資家が踏んだところで、まさの離脱という結果で、ショック安こそ出ましたが、すぐに戻って史上最高値を更新しています。
常識的に考えれば、2016年最大のリスク要因と見なされていた離脱選挙が近づくにつれ、株価はそれを織り込む形で下落するはずなのですが、ダウは一向に下がる気配を見せませんでした。当ブログではこれをずっと「変」、「ドーピング状態」と表現してきましたが、その理由はきっと、債券から行き場を失った資金が株に流れ始めている、所謂グレート・ローテーションが起きているからではないか、とお伝えしてきました。
そんな非常識者になってしまったダウ君に、材料出尽くしという極めて当たり前の読みで通用するかは、私には疑問に思うところがあります。
日経平均株価にも起きていたグレート・ローテーション
では、そのグレート・ローテションが起きていたのは、アメリカ株だけだったのかというと、そんなことはなかったと私は認識しています。日経平均もやはり同じようなタイミングで下がらない値動きが示現していたのです。例えばEU離脱が決定したその日ですが、225は離脱という結果であれば、14,000円割れへ向かうと予想されていました。しかし、当日の安値こそ、一瞬14,000円台に突っ込みましたが、すぐに回復し、その日の夜間取引では15,000円に戻っていました。
「ずいぶん強いな」それが私の率直な感想でした。しかし、その予兆はその少し前から始まっていて、想像より下げないことが続いていました。その3カ月前には連日数百円安で、とにかく想像以上に下げるというのが、日経平均の特徴と言ってもいいくらいだったのに。
そして、時を経て、さらにその下げない相場は顕著になっていきます。この時、その理由として一般的には日銀のETF買いが多く言われていたのですが、私はその前から下げにくさを感じていたので、きっと本当の理由はそこではなく、グレート・ローテーションだ、とこちらで主張させていただいていたのです。
そして、直近はどうでしょう。さらにその動きが助長され、「本当に全く下がらないな」という印象ではないでしょうか。100円安すらない状況になっています。一年前から見れば、、考えられないほどの変化が起きています。この理由を日銀だけに求めるのは無理という物です。
下げない動きの特徴
最近の225の動きを見ていると、夜間や朝方に売られることがあっても、ザラバ中に戻ることで下げ幅を縮小するパターンが多いですね。これは、昨年の5月以降のダウの動きに非常によく似ています。ダウも私たちが寝る頃には下がっていても、朝起きると戻っていることが非常に多いのではないでしょうか。引けにかけて下げ幅を拡大するパターンが皆無と言っていいほどありません。直近を見る限り、225はこの点でダウに似てきているのです。
ここから想像できること
では、これらを踏まえてなにが想像できるかというと、225はダウを追いかけバブル化へ向かうのではないでしょうか。ダウはリスクオフや調整局面でもほとんど下がらず、じわじわ、ずるずると騰がる動きが継続していましたが、最近はそれに勢いがついてきました。日経平均もこれを真似るような動きになっていく可能性が高いのではないかと私は思うのです。
「ダウに起きたことは日経平均にも起こる」、そう言われることも多いようです。ダウは第二の債権化とも言える動きになる、それは昨年当ブログが予想したことですが、今度は日経平均株価が第三の債券とも言える動きになる、という予想を立ててみたいと思いました。
そして、株価のことは株価に聞けとよく言いますが、それが当ブログが株価の値動きから聞いた日経平均株価の心の声だと感じたのですが、はたして結果はどうでしょうか。