昨日、「「アメリカ」が「ロンドン」に勝利して、債務危機が過ぎ去りました。めでたし、めでたし」という内容の記事を公開しました。しかし、こう言っては何ですが、違和感を抱えながら、あの記事を書きました。

正直、自ら納得はしていなかったのです。

何も起きずに終わった現実を見た以上、「ロンドンの完敗」という解釈で、私自身も敗北を認めるしかなかったのですが、ただ、先程ある記事を目にして「違和感」は、間違っていない可能性があると思い、急造でこの記事を公開します。

別のデフォルトが目的だった?

私の中で、今回の債務危機に関して、諜報界最強派閥である「ロンドン」が、何等かの秘密作戦を仕掛けてくるという強い予感がありました。

それが米国のデフォルトそのもの、という可能性も捨てきれないものの、しかし、彼らは冷徹な合理主義者であるので、「本物の混乱」を嫌うことを私は知っていました。

ですから「本物の混乱」である米国のデフォルトは、流石にやらないだろうと思ったのです。しかし少なくとも「仕組まれた混乱」は、作ってくるはずだと言う読みがありました。

結果、何も起こらなかったので、私は読者様への義務として、敗北宣言を出したのです。

が、この記事を見た瞬間「ちょっと待った」を言う気になりました。

5日に始まる米国債発行は既に縮小しているマネーサプライを吸い上げ、全ての資産クラスに影響する見込みだ。JPモルガンは広義の流動性指標が2023年初めの約25兆ドル(約3498兆円)から1兆1000億ドル減少すると見積もっている。

  パニギリツオグル氏は「これは大幅な流動性縮小だ」と指摘。「これほどの縮小が見られるのはリーマン危機のような重大な衝撃の時だけだ」と述べた。

1兆ドルの米国債の津波が流動性吸い上げへ-全ての資産クラスに影響 ブルームバーグ

ああ、こっちが本当の目的かと。これは確かに「仕組まれた危機」だなと。

シティは影響を試算する際、銀行の準備金が12週間に5000億ドル減った過去のケースをモデル化した。

これは、アメリカ国家のデフォルトをまぬがれた影響で、アメリカの民間の銀行がデフォルトする結果になりかねない、ということですね。

それは結局、別の形のアメリカのデフォルトであるとも言えます。

デジャブ

当ブログが国際政治を分析するにあたって、この強烈な違和感を感じたことが過去に一度ありました。それが2019年のイギリスのEU離脱交渉です。当時のジョンソン首相は「合意なき離脱を辞さない」と豪語していましたが、あっさりとEUと合意してしまったのです。

しかし、その半年後、なんと彼は、合意案を一方的に改変すると言い出ました。

その時の「合意」と同じ強烈な違和感が、今あります。「ロンドン」は、何らかの「逆転劇」を用意している可能性が高い、と私の勘は訴えています。

最大の違和感

私の中で最大の違和感の元となっているのが、「ロンドン」が口では法案を阻止すると強く訴えながら、その手を尽くさず、法案の成立を泳がし、バイデンに「アメリカ勝利の演説」までをも許したことです。

こうした共和党保守派の動きに対して、マッカーシー議長は「議長職を失うことは恐れていない」と、保守強硬派議員の“脅し”を退けている。同じ保守強硬派議員のなかにもマッカーシー議長容認派はいる。「フリーダム・コーカス」の設立者の一人であるジム・ジョーダン議員は「議長解任動議は酷いアイデアである」と、マッカーシー議長の容認に回っている。

米下院、『財政責任法』を可決:「債務上限引上げ」と「デフォルト」を巡る騒動の“本当の勝者”は誰か YAHOO!

1月の議長選でマッカーシー氏は大幅な譲歩をさせられ、彼の首ねっこを「ロンドン」に押さえられた格好になっていました。

これまで下院議長の不信任決議案は多数党の議員の半数以上の支持がなければ提出できなかったが、規則改定で議員1人でも出せることになった。大もめにもめた末、議長になったマッカーシーだが、そのクビは簡単に吹っ飛びかねない。

15回投票の米下院議長選、極右議員への「とんでもない譲歩」が明らかに NEWSWEEK

つまり、やはり「ロンドン」は、「アメリカ」をデフォルトに追い込もうと思えば出来たのです。私の勘によればその本当の目的とは、金融危機です。

バイデンとマコーネルはこれから、転ばされる・・

もし、この後何も起こらないようであれば、この記事は負け惜しみから書かれたものだと、忘却してもらえれば幸いです。