久しぶりに全く予想外の展開になりました。それは、米国の債務上限危機が「何の混乱もないまま、終わってしまった」ことです。私自身は、全くないとは言い切れないが、流石に本当のデフォルトまではやらないだろうと見ていました。

しかし、ここまでの「無風」は全くの想定外で、予想屋としては「敗北」と位置付けています。ただ、この「敗北」は、滅多にお目に掛かれない国際政治上のいい話かもしれません。

毎度お馴染みの茶番だった?

「債務上限問題は毎度おなじみの茶番である」というのは、毎度おなじみの見解です。結果からすると、その説明は正しかったと言えます。しかし、国際政治分析上は、今回は本当の危機だった可能性の方が高いと考えられるでしょう。

バイデン氏は就任後初めて、ホワイトハウスの執務室から米国民向けにテレビ演説した。「合意の成立は極めて重要だった。これ以上ないほどの賭けだった」と協議を振り返った。

「債務上限」可決、バイデン氏「これ以上ないほどの賭けだった」…共和党マッカーシー氏を称賛 読売新聞

大統領執務室からの演説は通常、重要な政策や主要な事件の説明などに行われ、バイデン大統領にとっては就任後初めて。ブッシュ(子)前大統領は2001年9月11日の同時多発テロ後、レーガン元大統領は1986年のスペースシャトル「チャレンジャー号」爆発事故の後に大統領執務室から演説を行った。

バイデン氏、債務上限停止の景気押し上げに期待 ロイター

それは、911以来の危機だったのです。「アメリカ」は、誰に襲撃されたのでしょうか? 外敵は、いつもと同じ「海賊」でしょう。

一方、民主党のジェフリーズ下院院内総務は、「米国を再び偉大に(MAGA)というスローガンを掲げる共和党の極端な勢力が経済を破壊するのを阻止した」と話した。

米債務上限法案を下院が可決、上院送付へ-デフォルト回避の公算 ブルームバーグ

バイデンは、それを「アメリカの勝利だ」といいましたが、普通に考えると、これはおかしな表現ですよね。内部の問題を解決したことを「我々の勝利」とは、あまり言いません。彼らは暗に認めているんです。

今回の債務上限危機は、茶番ではなくテロであったことを。

「グローバリスト」の勝利を祝う

バイデン大統領は声明で「われわれの仕事は終了からはほど遠いが、今回の合意は米国の最善の利益のために行動すれば何が可能であるかを示す象徴」と述べており、民主・共和が政策や見解の相違を棚上げにし行動することの重要性を強調する可能性があるとみられる。

バイデン氏、債務上限停止の景気押し上げに期待 ロイター

それともう一つ重要なことは、バイデン氏は「最強の海賊に勝つ方法」を世界に実証したということです。これには素直に、おめでとうございます!です。

私は政治に正義感を持ち込まないようにしていますので、「おまえは、グローバリスト側なのか?」という、ネット上の過激派の声に応える気はありません。「グローバリスト」は、そもそも「海賊派」が作った言葉ではないですか。

バイデンの状況は恥ずかしいことを超えている。修正第 25 条が施行される時が来ました。(Google翻訳)

その「海賊派」は、バイデンを解任しろと負け惜しみをつぶやいています。マ前の記事に書いたのですが、ケネディは「海賊」を裏切って、ソ連と仲良くなったことで殺された可能性が高いのではないですか?

白昼の銃撃が、サンドバックの転倒に代わりましたか?

これは全会一致だと思いますが、今回の「アメリカの勝利」はとってもいいことです。トランプの言う通りにデフォルトした方が良かったって思う人います? え? 空売りしてた? ああ、それは・・ま、私も爆死しましたけど。

(無様に負けてんじゃね~! 今からでも、デフォルトしやがれ!)

失礼、失礼。つい、心の声が漏れてしまいまして。とどのつまり「グローバリストさん、勝利おめでとうございます!」ってことでOKですね?

「過激派」を抑え込み、平和をつかめ

今回の「アメリカ」が示したことは、2020年の大統領戦同様、「最強の過激派」に勝つお手本です。2020年には、大物フィクサーが2人も、裏切りの代償として殺されたようですが、今回はおじいちゃんが転んだだけで済んだようです。

そう言えば今回の立役者の一人、共和党トップのマコネル氏も、3月に転んでるんですよね。

共和党上院トップのマコネル氏が入院、夕食会で転倒

日本経済新聞

なんか関係ありそうな気がするなあ。まあ、平和の代償として殺されるんじゃなくて、転ばさせることになったのなら、よかったですね。日本もそうなるといいですね。

まあ、とにかく戦争と混乱を引き起こして、世界を改変しようと言う「過激派」が、世界を席巻していることは事実。平和を愛するのでしたら、彼らのプロパガンダに乗せられず、「弱者」が一致団結することが最善の方法です。

バーンズ米中央情報局(CIA)長官が5月に訪中し、中国の情報当局者と会談していたことが2日分かった。米政府当局者が明らかにした。2月に米軍が中国の偵察気球を米上空で撃墜して両国関係が悪化後、最も高位の米高官の訪中とみられる。バーンズ氏は中国側に、情報当局間の意思疎通の必要性を強調した。

 CIAはバーンズ氏の訪中を発表しておらず、極秘に進めていた。両国の競争を衝突に発展させないため責任を持って関係を管理する取り組みの一環。

米CIA長官5月極秘訪中 意思疎通の必要強調 東京新聞

そうすれば、戦争は必ず避けられます。それは、我々の勝利です。ただ、最後に「海賊」からの報復に一抹の不安は残ることを書き示して、この記事を終わりにしたいと思います。