日本株だけ特に凄まじい暴落

大揺れだった世界のマーケットも少しですが、落ち着いてきましたね。それにしても、特に日本株が凄まじい暴落で、「アベノミクスはもう終わった!」「デフレに逆戻りだ」とか言われてますが、今回の暴落の特徴として、その原因がなにかよくわからないと言うことがあります。

昨年の8月の暴落時には「フォルクスワーゲンショック」という一応の原因が見つかったのですが、今回は本当によくわかりません。

「リーマンショック」や「ITバブル崩壊」と同等の下げとなった今回の暴落の理由を落ち着いた今、冷静に考えてみたいと思います。金融に詳しい方にはあまり目新しい情報はないかもしれませんが。

 

暴落の”きっかけ”

私が色々と普通に入手できる範囲内で調べて、考えてみたところ、今回のショック安に世界経済を揺るがすような新たな理由は特にないという結論となりました。つまり、「リーマンショック」や「ITバブル崩壊」のような、私たちの実体経済にまで影響が及ぶような悪いことは我われがニュースで知っている通り、今のところ、何も起きていないということです。

では、なぜ、過去の危機と同等クラスの暴落になってしまうのでしょうか。それには単に需給と言うマーケットに限定された都合、そして日本株のみの要因がありそうです。

 

原油安が産油国の財政を圧迫

まず、その”きっかけ”とは何か、と言いますと、それはやはり原油安のようです。産油国の中に、原油安のせいで国家財政が立ちいかなくなり、泣く泣く株を現金化しなければならなくなった国があったようです。こちらは、お国の事情ですから、世界経済がどうとか、利上げがどうとか全く関係がありません。

いうなれば、持ち回りが減ってきたので、必要なお金を銀行から降ろした、というところでしょうか。この金額が結構大きいので、マーケットへの影響がそれなりにあると言うことです。それ自体は単なる株の売り買いのことなので、本来は金融危機が起こるほどのことではありません。あくまでも、それなりの下げになる程度の話のはずなのです、

その証拠に「NYダウ」は、それなりの下げに収まっています。金融危機クラスの下げは世界的に見ても、日本株にしか訪れていないのです。

 

日本株のみの要因

では、なぜ日本株のみが突出して下がるのでしょうか。その特殊要因は、日本の市場が外国人投資家の売買比率が非常に高く、投機筋と言われる「ヘッジファンド」が自由に操れる環境にあると言うことですね。世界的に取り締まりが強化される傾向の超高速取引、「ロボット・トレーディング」に対しても、東京証券取引所は非常に甘く、株価操作が野放しにされているとも言われてます。

以上をまとめますと、

産油国から一定の売りが出るという情報を掴んだヘッジファンドが、世界一自由に操作出来る日本のマーケットを2月のSQ(株価の特別清算指数)日に向けて計画的に売り崩した

と言うのが、どうやら今回の暴落の本当の事情、のようです。つまりは、危機を装った予定調和だった可能性が高いと言うことですね。

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理由のない暴騰を作るより、理由のない暴落を作る方が遥かに効率がいい、という極めて合理的な事情がそこにはあるのですね。

 

消費増税延期のための暴落と言う説

ネットを見ていると、安倍政権が消費増税延期の大義名分を得るために暴落を演出しているような見解もありました。

確かに安倍首相は「リーマンショック並みの危機が訪れない限り消費税の増税は予定通り行う」と公言しており、そんな中、本当にリーマンショック並みの暴落がやってきたのですから、そんな風に勘繰られてしまうのも頷けます。

しかし、この説で一つ大きく納得がいかないのは、暴落の最中に日銀がマイナス金利を導入していることです。もし、本当に暴落を待っていたのであれば、ここで金融緩和は行わないでしょう。黒田総裁だけ蚊帳の外・・なんてことはないとは思うので、この説はあまり説得力はなさそうですね。それに、ドル円が110円を一時的に割った場面では、政府も相当慌てていたように私の目には写りました。

 

日本株が反転に向かう条件

以上のことから、日本株の反転には、産油国からの売りがもう出てこないことが最大の条件になります。残念ながらこれは、国家の懐事情なので、読みようがありません・・。しかし、もし、その売りが途絶えたとしたら、今度はとんでもない暴騰に向かう可能性があると言うことかもしれません。「アベノミクスが終わった」なんて何の根拠もない話だと私は思います。バブルはやって来ると、私はまだまだ信じてます。

 

個人投資家はむしろ売買上手

そんな事情を知ってか、日本の個人投資家は今回の暴落にも1兆円もの買い越しで果敢に立ち向かっていたようです。外国人投資家に比べ、その売買動向を割と批判的に書かれることが多い日本の個人投資家さんですが、実際、今の日本のマーケットに、そんなに下手な人はそう生き残っていないじゃないでしょうか。

下がったら買って、上がったらすぐに売る。確かに画一的にも感じますが、資金力で大幅に上回る海外勢相手に勝つには、それしか手はないのではないでしょうか。個人の手の内はファンド勢には丸見えなのです。

外国人は上がったら買って、下がったら売るだけです。あくまで資金力に差があるから、外国人投資家の動向通りに株価が動くだけで、それで彼らの方が上手だと言う見方には違和感を覚えます。

むしろ、個人投資家の方がずっと上手なんじゃないでしょうか。今回も、個人投資家の皆さんの勇気に報う相場になって欲しいものですね。そのためにも昨日、サウジアラビアの担当相が言っていた「我々の財政は今の水準で大丈夫」と言う言葉を信じたいですね!