突然ですがあなたの政治思想は右ですか? それとも左? いや、きっと中道ですよね。日本には中道以外の居場所はなく、そもそも真ん中が大好き、いや、真ん中以外が大嫌いな日本人は、中道に支配されていると言ってもいいでしょう。

しかし、右だ左だ中道だなどと言うのは、所詮、支配勢力がそのために用意した箱であり、その枠組みの中で語る時点で、レベルが知れています。

そんなものはハナから存在しません。あるのは、常に支配層と民衆の戦いです。

分裂してないアメリカ

<共和党の「トランプ化」が止まらず、民主党の次世代指導者も極端な左派になる可能性。中道政党を望む有権者の割合は空前の水準に>

アメリカ二大政党制が迎えた限界…ついに第三政党の躍進へ機は熟した nEWSWeeK日本版

アメリカ政界は間違いなく過渡期にあります。

しかしその半面、今日のアメリカ政治ではこれまでの常識が通用しなくなっていることも事実だ。過去数十年で初めて、第三政党の挑戦が惨敗に終わらない状況が出現しつつあるのかもしれない。

このことは、とてもいいことだと私は捉えています。

確かに共和党分裂への道筋はまだ不透明であり、トランプの党支配力は圧倒的に見える。だが今回の離党話は、支持者の離反に直結する党内の混乱を強く示唆するものだ。

「共和党支持者の少なくとも20~30%は新たな方向性を求めている」と、反トランプの中道右派候補のために資金調達や支援活動を行う「スタンドアップ・リパブリック」の共同代表を務める元共和党政策顧問のエバン・マクマリンは言う。

「右派の人々に今より居心地のいい『新しい家』を提供するチャンスが来た」

かつての支配者「ネオコン」が離脱し、共和党はトランプ党になったと言われますが、その支持者たちは極右と呼ばれています。

そして、確かに共和党の分裂は激しいですが、対する民主党も安泰にはほど遠い状況です。

バイデン米大統領はこれまで民主党内の最もリベラルな勢力と良好な関係を築いてきたが、今後一転して決裂し、大きな政治的ダメージをもたらす恐れが出てきた。

バイデン氏と民主進歩派の蜜月終了か-リベラルな政策切り捨ての恐れ ブルームバーグ

これは十分予想できた事態ですが、民主党から決裂しそうなのは、極左と呼ばれる勢力ですね。別名「民主社会主義」は、若者を中心にかなりの支持者を有しており、恐らく、すでに中道を凌ぐのではないですかね。彼らが、民主党の支配化に置かれる理由はすでにまったく、存在しません。

2016年のドナルド・トランプの大統領選勝利の選挙参謀にして、トランプ政権の上級顧問および首席戦略官だった、悪名高きスティーブ・バノンは、常々このようなことを語っていた。

トランプの最大の敵は民主党だけではなく、共和党エスタブリッシュメントである。そのトランプに勝てる相手がいるとしたら、それはヒラリー・クリントンではない。バーニー・サンダースだ、と。

「陰謀論者による階級闘争」が変えた弱者の定義 東洋経済オンライン

今後、中道は脇に置かれ、極右と極左の争いになる可能性の方が高そうです。極度の右と左に思想が分断・・アメリカ社会は致命的な乖離状態に陥っているようですね・・。

と言いたいところですが、いえ、実は違うんです! なぜか、それは地球は丸いからです。「振り返れば奴がいる」、遠く離れたと思ったら、彼らの背中はくっついていたのです。

ひと握りの資本家と国家が癒着して企まれたグローバリズムに、自分たちが包摂されていく。彼らは儲けるだろうが、これらは日に日に生計は厳しくなるばかりか、職も追われるかもしれない。これは今のアメリカがおかしいからだ。そうした問題意識は、実はアメリカの左派とほぼ同じものだ。

バーニー・サンダースは自らが左派であることを隠すことはなかったが、トランプ支持者の反グローバリズムや金融資本批判は本来ここに共鳴するはずだ。

アメリカの民衆が分断しているという見方は本質的ではありません。本当に分断しているのは支配層の方であって、民はむしろ一つになりつつあるのです。ただ、今のところまだ、自分たちは分裂していると思いこまされているようです。

その点で、依然として支配層の統制が効いている状態にあると言えます。

民意を盗んだのは諜報機関

「トランプが救世主である」という言説がデマであることは、これまで何度も指摘してきました。トランプには、天性のタレント性があります。それを利用して、純粋な共和党支持者の「民意を盗んだ」のは、諜報機関でしょう。それは「悪い異性」のような魔力を持ちます。

同高官によると、トランプ氏とミリー氏は頻繁に電話する仲でもある。ミリー氏がトランプ氏の意向を把握し、エスパー国防長官に伝えて政策に反映させることも少なくないという。ミリー氏の前任であるダンフォード統合参謀本部議長との間では見られなかった「裏の指揮系統」が存在するもようだ。

米軍トップ、辞任よぎった夜 「親トランプ」の苦悩 日経新聞

軍主導?の世論操作は一級品で、グローバリズム勢力であるメディアとは、次元が異なります。しかし、彼らの力にも最近、陰りが見えるようです。

社会主義という名称を恐れるべからず

私はアメリカはトランプを捨てるべきだと思いますが、なぜなら、もう、親イスラエルの政治家は必要ないと思うからです。簡単な話、イスラエルは米国の役に立っていません!

イルハン・オマル(Ilhan Omar)米下院議員(38)が、米国とイスラエルについて、パレスチナ自治区のイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)やアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)に匹敵する「途方もない残虐行為」を行っていると非難し、民主党内外から猛反発を受けている。

米・イスラエルをタリバンと同一視? ムスリム議員に党内外から猛反発 AFP

これからのアメリカに必要なのは、民衆のために戦う政治家であって、保身のためにイスラエルに忠誠を誓う政治家ではないはずです。そして、同時に人々は「社会主義」という名称を恐れるべきではないです。

民衆にとって今、最も重要なことは、もはやイデオロギーそのものではなく、支配勢力、即ち諜報機関、イスラエルの支配の有無です。

「ファクトチェック」も結構ですが、「ロビー・チェック」はさらに重要です。

トランプはその一次審査も通りませんが、民主社会主義者はいまのところ、合格です。なぜなら彼らは、身の危険を冒してまで、イスラエルの残虐苦行為を批判しているからです。この行動の勇敢さを否定することは、誰にも出来ません。

そして、もっと危険な「中央銀行をぶっ壊す案」も、社会主義者からです。

米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)とNBC、CNNによると、ウォルトン氏が当選すれば、大都市としては、1948~60年にウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)市長を務めたフランク・ザイドラー(Frank Zeidler)氏以来となる社会主義者の市長になる。

 ウォルトン氏は、透明性向上を目指した市警改革、家賃の上限規制の導入、地域の公的銀行の創設などを提案している。

社会主義者の市長誕生へ、米大都市で60年ぶり AFP

素晴らしいではないですか。

ウォルトン氏は、米最大の社会主義団体「米民主的社会主義者(DSA)」と左派の労働家族党(Working Families Party)の推薦を受けている。

 米国の民主社会主義運動は2018年以降、アレクサンドリア・オカシオコルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)氏ら4人を連邦議会下院選で当選させている。DSAは共和党から共産主義者とレッテルを貼られることが多いが、むしろ西欧の社会主義に似ており、自由市場の原理も受け入れている。

彼らは、極右の願いをほとんど叶える存在です。

トランプ派匿名知識人たちは、具体的には「世界経済フォーラム(ダボス会議)」や「クラブ・フォー・グロース(成長クラブ)」など経済グローバリズムを推進する組織に反対を表明し、外交面では民主主義拡大や人道介入を「アメリカの国益に反する」と明確に否定。国境を越えて活動する多国籍企業(特に金融)の「寡頭支配」によって推進されているのがグローバリズムと多文化主義であり、その寡頭支配の下で普通のアメリカ国民は経済的困窮に置かれ、「自由」さえも圧迫されている――という世界観を示した。左派の反グローバリズムとほとんど変わらない論調だ。

日本人が知らない「トランプ派メディア」の本質 東洋経済オンライン

トランプ支持者の唯一の間違いは、トランプを支持していることだと私は思います。

そして、アメリカ極右と極左の違いは、

イスラエルがいるかいないか

それだけです。なぜ、彼らは争っているのでしょう? 答えは、明らかです。

一つになる時が来た!

二大政党を破壊しろ

アメリカの民衆は今、トランプとバイデン、イスラエルを追放し、民主共和の二大政党支配から脱する千載一遇のチャンスを得たと思います。

そうなると民主党穏健派のキルステン・シネマ上院議員や反トランプで鳴らす共和党のキンジンガー下院議員、さらには二大政党のいずれにも属さずテキサス州知事選に出馬の意向をちらつかせている俳優のマシュー・マコノヒーのような有名人が第三政党の看板候補になる可能性も出てくる。

「今はここ何十年もなかったほど、独立系の候補が躍進できる条件が整っている」と、パターソンはみる。

アメリカ二大政党制が迎えた限界…ついに第三政党の躍進へ機は熟した nEWSWeeK日本版

共和党の保守支持者と民主党の民主社会主義が、一つになればそれが可能なはずです。

マコノヒーは共和党と民主党の両方を批判しており、どちらの政党とも手を組まないつもりだと述べている。2021年3月に出身地ロングビュー市の地元紙『ロングビュー・ニュース・ジャーナル』のインタビューに応じた際には、「民主党か共和党、あるいはほかの政党の一員として選挙に臨むのは、今では狭量な考え方であり、憲法の精神に反したものにすらなりつつある。なぜなら、政治家として尽くす相手は米国民、あるいは州民でなくてはならないからだ」と述べていた。

米俳優マシュー・マコノヒー、テキサス州知事選に向けて高い支持 FORBESJAPAN

彼はその象徴的な人物になれるでしょうか? どちらにしろ、時代はもう待ったなしです。

・リック G氏は、「億万長者たちは依然として労働階級の人々を、突如として金に糸目をつけなくてよくなるエリート階級への踏み台として利用し、文字通り地球に置き去りにしてパンくずの奪い合いをさせようとしている」 と糾弾している。

・ちなみに本題の帰還防止キャンペーンだが、本件への対抗としてか、6月21日には「ジェフ・ベゾスの地球帰還を歓迎しよう」という署名活動がスタートした。氏はかけがえのない天才だと主張するこのキャンペーンは、70名少々の賛同を集めている。14万筆には遠く及ばずとも、少なからず擁護する動きはあるようだ。

Amazonのジェフ・ベゾスは地球に還ってこないで…署名が14万筆を突破 newsweek日本版

これはアメリカだけの問題にとどまりません。大きな時代の変革、それはどんどん近づいて来ているのです。