今から1年前、第三次世界大戦は、イスラエル VS EUの戦いになると言う記事を私は書きました。
最近、この記事の誤っていた部分が見えてきた気がするので改めて書きたいと思います。
イラク戦争の黒幕が死去
ラムズフェルド氏は1975~77年、2001年~06年と、2度にわたり国防長官を務めた。国防総省も航空機の直撃を受けた01年9月11日の同時多発テロ対応を指揮し、その後の対テロ戦争でも政権内で中心的な役割を担った。
ラムズフェルド元米国防長官が死去、88歳…9・11テロ対応を指揮 読売新聞
ラムズフェルド元国務長官が死にましたね。彼が、イラク戦争の黒幕だったことは、過去の記事でお伝えしました。
ブッシュ政権の高官の中で、ラムズフェルド国防長官だけが政権発足の時点からイラクとの戦争を明らかに支持していた。
『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 Ⅱ』
若き日の私は、彼の顔を見たとき、そのことに勘づいたのです。イラク戦争とその後のアフガニスタン戦争を主導したのは、米国のネオコンと呼ばれる政治勢力であることは、改めて述べるまでもありませんが、彼らの目的とはいったい何なのでしょうか。
アメリカの単独覇権がブッシュの夢である、とジョージ・ソロスは言いました。いえ、それは誤りで、アメリカとイスラエルによる覇権ということでしょうね。
ネオコンの宿敵
米国イスラエル単独覇権を夢見るネオコンの最大の敵はなにか、と言えば、ロシアですね。ネオコンがなぜロシアを敵視するのか?という部分は余りに根が深いので、踏み込みません。
そして、ネオコンの米国での最大のライバルと言えば、トランプですね。親ロシア姿勢が、とにかく気に食わないようで、あの手この手でトランプの邪魔をしています。
親ロシア戦略
そもそも、この親ロシアは、当ブログが「ロンドン派」と呼ぶ勢力の世界戦略です。
ネタニヤフ氏は昨年来、約20回も電話や直接会談を繰り返し、プーチン氏と関係構築に努めてきた。
したたかなイスラエル、露に急接近 三井美奈 産経新聞
イスラエルはイスラエルでも、「ロンドン派」のネタニヤフはロシアに急接近していたようです。ネオコンからすると、裏切者! だから、彼は最近失脚したのでしょう。
ところで、この親ロシア戦略ってどこから来たのでしょうね。
トランプ家とロシアとの関係を仲介したのはキッシンジャー氏
2016年2月3日、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は、ロシアのプーチン大統領の招聘を受けてロシアを訪問した。ロシアのメディア「スプートニク」が、ロシア大統領府ペスコフ報道官の発表として明らかにした。それによればプーチンは、「こうした機会を利用して、現在の国際政治問題や今後の情勢の展開に関して話し合うことは、非常に重要だ」と言ったとのこと。
帰国後の5月18日、キッシンジャーはトランプに声をかけ、自宅に招いた。
そして2016年年10月、元国家安全保障会議ロシア担当上級部長(ブッシュ政権時代の大統領補佐官)のトーマス・グレハム氏は「ロシアを封鎖することはアメリカの利益にならない」旨のスピーチをしている。
グレハムは、ほかでもない、「キッシンジャー・アソシエイツ」の常務理事なのである。
トランプ大統領長男とロシアの陰にキッシンジャー氏 NEWSWEEK日本版
トランプの親ロシア戦略を率いていたのは、あのキッシンジャーだったんですね。とすると、やはりトランプとプーチンの関係性は、個人的なものなどではなく、もっとずっと上からの戦略的指令に基づくものであることがわかります。
キッシンジャーにとって、外交経験のないトランプは格好の「利用対象」だったにちがいない。
そう、トランプは民衆の救世主ではなく、間違いなく支配層のエージェントなのです。いったい誰の? キッシンジャーはデビット・ロックフェラーとの関係も深かったようですが、その最高位は、やはり「ロンドン」ではないでしょうか。
逮捕される二年前、ロシア開放財団(Open Russia Foundation)を設立し、そこにヘンリー・キッシンジャーとジェイコブ・ロスチャイルドを理事に迎えていた。
「ミハイル・ホドルコフスキー」 ウィキペディア
ロシアの新興財閥のひとり、ミハイル・ホドルコフスキーは2003年頃、プーチンによって逮捕、追放されていましたが、2013年に恩赦の形になったようです。つまり、ジェイコブ・ロスチャイルドとキッシンジャーは、腸煮えくりかえっていたはずが、2013年ころにプーチンとの和解を選択していたのです。
そして、2014年に、こう語っています。
「西側諸国とロシアの間で現在高まっている対立は、冷戦時の対立とは違う」
ヘンリー・キッシンジャー氏はニューヨークで行われた外交問題評議会主催の「ベルリンの壁」崩壊25周年を記念するシンポジウムでそう語った。
いまだ外交政策分野で強い影響力を残す91歳のキッシンジャー元国務長官は、西側諸国とロシアの対立に関して「わたしは現在の状況にとても心を痛めている。それはウクライナに平和をもたらすことも、国際秩序に安定をもたらすこともない」と述べた。
「プーチンはスターリンではない」キッシンジャーは語る HUFFPOST
「国際秩序の安定のために、ロシアと仲良くすべきである」と。
なぜ、親ロシアか?
なぜ、親ロシアになったのか? その答えはそうせざるを得なくなったからです。
公開された国務省文書にはこんなキッシンジャー氏の真意が記されていた。
キッシンジャー氏はその後も中国を弁護し続けてきたかのように見えた。しかし、冷戦終結後のクリントン、ブッシュ(子)、オバマの3大統領の24年間で、米国は中ロ両大国を同時に敵に回す事態に陥った。中ロは手を組み米国の地位を揺るがすに至った。特に中国は南シナ海を「聖域化」し、内海のように扱うほど乱暴になったのである。
「外交指南役」はキッシンジャー氏:トランプ氏の「親ロシア」への転換を実現へ–春名幹男 HUFFPOST
彼らは、中国を手なずけることに失敗したのです。だからこそ、ロシアに取り入って、中露を引きはがすことを画策しましたが、この悪だくみはネオコンに邪魔され、全くうまく行っていないのが、現状です。
米国の外交政策は多くの点で近視眼的である。第二次世界大戦後に米国が参加した軍事紛争の問題は、戦略を国内で実現可能なことに近づける能力がないことだ。
キッシンジャー:西側はロシアの統合などに興味はない、望むのは崩壊のみ SPUTONIK
問題の種をつくったキッシンジャー氏、自らこう言っています。
ロスチャイルド家も戦争状態?
そして、以前からお伝えしてきたように、「黒幕」ロスチャイルド家も深刻な対立に陥っているようです。ロンドン家のトランプには、明らかにパリ家を攻撃している様が見受けられます。その象徴として、彼は「パリ協定」を離脱しました。パリ協定は「中国の陰謀だ」と言っていましたけどね。
トランプ派匿名知識人たちは、具体的には「世界経済フォーラム(ダボス会議)」や「クラブ・フォー・グロース(成長クラブ)」など経済グローバリズムを推進する組織に反対を表明し、外交面では民主主義拡大や人道介入を「アメリカの国益に反する」と明確に否定。国境を越えて活動する多国籍企業(特に金融)の「寡頭支配」によって推進されているのがグローバリズムと多文化主義であり、その寡頭支配の下で普通のアメリカ国民は経済的困窮に置かれ、「自由」さえも圧迫されている――という世界観を示した。
日本人が知らない「トランプ派メディア」の本質 東洋経済オンライン
ウィキペディアに書かれているN・M・ロスチャイルド&サンズの経営に関する、エヴェリンとジェイコブの対立は、その後の激しい抗争を予期させるものとなっており、そのことと関係あるか分かりませんが、2020年の米国大統領選、トランプの敗北決定直後、エドモンド・ド・ロスチャイルド・グループのベンジャミン・ド・ロスチャイルドが不審死を遂げています。
ロスチャイルド家の夢
そんな彼らの夢は、ニューワールド・オーダーの設立にあると言われます。それはきっと、国連やWHO、EUと言った国家を超えた「ニセ公的機関」を通じて、世界を支配するというものだったのでしょう。
記事は個人としての見解であり、現在所属するビル&メリンダ・ゲイツ財団とは関係ないことを申し上げておきたい。
新型コロナで提言「WHO権限拡大、首相レベルの司令塔設置を」
もっと、WHOの権限を高めろ、と最大出資者の財団の方がおっしゃられております。
IKEAファンデーションのペル・ヘッゲネス執行役人はイニシアティブは発展途上国における2つの大きな脅威、貧困と気候変動に対抗する「極めて重要な」可能性を与えるものだとコメントしている。
IKEAとロックフェラー財団 再生エネルギー発展の共同基金に1兆ドル投入へ SPUTONIK
「ロンドン」がこれに抵抗しているのは、単に蹴落とされたからです。勘違いしてはいけませんよ。簡単な話、彼らは国家を破壊したいのです。ですから、ロスチャイルドは、最終的にイスラエルとアメリカも破壊する可能性が高い。ネオコン≒シオニスト≒イスラエルは、実はロスチャイルドの敵だったのです。
ネタニヤフは、ロスチャイルド、ロンドン家のエージェントで、偽シオニストの可能性の方が高いと思われます。
夢は散る
最終的に、ロスチャイルドの夢は無残に散るでしょう。ロシアと中国は仲良しですが、ロスチャイルドは左(パリ)も右(ロンドン)も、すでにぼろぼろです。
フランスで統一地方選挙の決選投票が行われ、マクロン大統領率いる与党とルペン氏率いる極右政党が大敗する結果となりました。
仏地方選決選投票、与党と極右は大敗 中道右派や左派は勝利 TBSNEWS
強いものではなく、共生出来た者が生き残る、自然の法則通りの結果となるでしょう。
これについてプーチン大統領は毎年恒例の国営テレビを通した国民との対話で、この事件を「挑発行為」と非難した上で、「ロシアが英駆逐艦を撃沈していたとしても、こうした挑発行為を行う国は戦争の勝者にはなれないと承知しているため、第三次世界大戦が勃発していたと想像するのは難しい」と述べた。
ロシア、第三次世界大戦引き起こすことなく英駆逐艦撃沈可能=プーチン氏 ロイター
プーチンの言う通り、彼らは勝者にはなれないのです。