世界中の軍は、一つの勢力によって支配されている。そんな仮説を前回書いてみました。少なくとも第一次世界大戦以降の戦争は、100%ヤラセであるということになるのですが、この話自体は、ネット上でよく展開される陰謀論であり、特別目新しいものとは言えません。

しかしその彼らが言うように、支配層が一つの巨大な権力ならば、ヤラセの戦争を起こす必要などないではありませんか。彼らは、それは金儲けのためだというのですが、カジノのオーナーが、コイン獲得のために自らスロットを回す必要はありません。

世界大戦の最大の理由

では、なぜ支配層はヤラセの世界大戦を仕掛けたのか。その最大の理由は、以前の記事に書いた通り「海賊と帝国の千日戦争」であると思います。戦争はヤラセですが、彼らの戦いはガチなのです。

「帝国」は世界中にいくつか存在しますが、その中でも最大のものは、欧州統合を夢に掲げるハプスブルグ家。

ヨーロッパ統合の進展―とりわけEUの発足と(東方) 拡大―は、ハプスブルク君主国をこれと関連づけて考察する動きをもたらした。「ライタ以西[オーストリアとハンガリーの国境をなすライタ川の西、すなわちオーストリア帝国]の中に、カフカ的な意味と肯定的な意味の両方で、容易に今日のヨーロッパ連合の先駆けを見出すことができる」(ドミニク・リーベン)、ドナウ「君主国は、存在していた間にすでに、ヨーロッパ合衆国の可能性ある先駆者と見なされていた。

『ハプスブルク帝国』 講談社現代新書

そして、その最大のライバルは「海賊」。彼らは「帝国」によるヨーロッパの統合の夢を決して許しません。

イギリスが「ブレグジット」を実行し、EU(ヨーロッパ連合)を正式に離脱したことに対して、青天の霹靂のように語る人もいるが、ヨーロッパの長い歴史からすれば必然ともいえるだろう。

 ヨーロッパの中でも、イギリス、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの4カ国は歴史的に異質な国家なのである。いまヨーロッパには10の王家があり、イギリスをはじめとするこの4カ国は、すべて王家を戴いている。この一点だけでも異質なのだが、加えて、この4カ国の王家は、ヴァイキング(ノルマン人)を祖に持っている。彼らの国家をつくり、運営してきたのは、ヴァイキングとその末裔たちなのだ

英国EU離脱の原因にも?ヨーロッパを呪縛する王家の歴史とは ダイヤモンド・オンライン

すべての軍事組織を支配する「海賊派」は、第一次世界大戦によって、「帝国」を解体にかかったのです。

一九一八年一一月三日、ハプスブルク君主国は連合国との休戦協定に調印した。事実上の敗戦である。カールは退位とそ拒み通したが、オーストリアにおいてもハンガリーにおいても「あらゆる国事への関与を断念する」ことにやむなく同意し、権力の座から退いた。こうしてハプスブルク君主国は、終焉の時を迎えた。

『ハウスブルグ帝国』 講談社現代新書

そして、さらに非常に興味深いことがこの時に起こっています。

ドイツに全面的に依存しつつ、ハプスブルク君主国はそれでも一九一 七年を乗り切った。しかし敗戦必至となった一九一八年夏以降、崩壊の道をたどることとなる。猛威を振るうスペイン風邪(クリムトもシーレもこれで死んだ)によって一段と困窮した民衆は、物資と平和を求めて抗議運動を繰り返した。

なんと「帝国」を崩壊させたのは、パンデミックだったのです。やはり、現在は第三次世界大戦ではなく、「第一次世界大戦ver.2」だったのです。

海賊王の夢

この戦いに勝利して、最強を証明した「海賊」もしかし、流石に「帝国」を根絶やしにすることは出来ず、数十年単位の間に「ドイツの皇帝」は再び、復活してきたのです。

つまり「海賊王」と「ドイツ皇帝」の戦いは千日戦争に陥った、そして今に至るのです。

千日戦争とは、「聖闘士星矢」シリーズの用語の一つ。本シリーズの最強クラス聖闘士である黄金聖闘士同士がぶつかりあった際、双方のあまりの強力さ故に長時間の膠着状態になることを指す。

「千日戦争」 ピクシブ百科事典

海賊王:「あいつらしぶといなあ。何度叩いても、復活しやがる。これじゃあ、同じことの繰り返しだなあ。ほっとけばいつか寝首掛かれるし、安心して眠れんよ。どうしようかなあ・・・そうだ! いいこと思いついた!」

トッド:第1次世界大戦も欧州の中で対立が起き、欧州は自殺するような形で崩れていきましたが、一方で、対立の中から米国の覇権というものが生まれましたよね。その意味で、池上さんのおっしゃったような国々が勝者のような形になることはあり得ると思います。ただ、それらの国は世界の覇権をとるほどではありません。

 むしろ、ロシアが勝者になる可能性があるんです。この戦争は単なる軍事的な衝突ではなく実は価値観の戦争でもあります。西側の国は、アングロサクソン的な自由と民主主義が普遍的で正しいと考えています。一方のロシアは権威主義でありつつも、あらゆる文明や国家の特殊性を尊重するという考えが正しいと考えています。そして中国、インド、中東やアフリカなど、このロシアの価値観のほうに共感する国は意外に多いのです。

 世界が多極化し分断しても、それが不安定な世界だとは限りません。ロシアの言う「あらゆる文明、あらゆる国家がそれぞれのあり方で存在する権利を認める」世界が支持され、実現するなら、ロシアが勝者になると考えることもできるわけです。

エマニュエル・トッド×池上彰対談 ウクライナ戦争後の世界「米国の崩壊」もあり得る AERAdot.

海賊王:覇権を東側に移しちゃえばいいんじゃん! さすが俺様。あたまいい~((´I `*))♪ ロシアは親戚にしてやったから、いうこと聞くやろ。

「ロシア(Russia)」という言葉はおそらく「Rus」という語から来ており、少なくともその起源は、スウェーデンあるいは北欧のどこかに由来すると思われます。こうしたノース人部族がキエフの町を開いて後にキエフ大公国と呼ばれる国を作り、これが現代のロシア、ベラルーシ、ウクライナの基礎となります。

バイキング、知られざるその壮大な歴史
北米へ欧州から最初に渡り、ロシアの基礎も築いた中世の「襲撃者」 nathional

海賊王:中国人は「嘘つかない」って聞いているから、大丈夫。あ、そうだ。あいつは嫌い。俺様より古く1,300年も居座って何もしてないし、弱っちいのに、一向に倒される気配もなく、地域を支配し続けているなど生意気。確か「テンノウ」っつったっけか。あいつはマジ赦せねえ。ドイツの奴と一緒に滅ぼしちまおう。

本当は2までのつもりだったのですが、また長くなっちゃったので、3に続きます。